宝塚歌劇 ジプシー男爵

お嬢様、奥様、旦那様、お坊ちゃま、藤堂でございます。
別宅ではお元気にお過ごしの事と存じます。

本日は宝塚歌劇 ジプシー男爵の話でございます。月組の公演を観て参りました。兎に角、プロローグの霧矢大夢さん、蒼乃夕妃さんのダンスが素晴らしい!ダンスが得意な二人ですからイキもピッタリ、純白に黒のラインが入った衣装もいっそうダンスが引立ち躍動的に、又ムードいっぱいの素晴らしさは観てみなければ伝わりませんネ。

物語はスパイ容疑で亡命していた領主の息子シュテルク・バリンカイが帰ってくるところから始まります。謎のジプシー女が予言したシュテルクの運命を変える大きな2つの鍵。

1738年ハンガリー帝国、東南端テメシュバール。
長い間オスマン・トルコの支配下にあった、この町には隠し財宝の噂があり、善悪入り乱れての財宝巡りの展開にいきます。
シュテルクは美しい歌声に導かれジプシー娘ザッフィと出会う・・・・・・互いに惹かれあうがジプシーとの恋は許されない・・・・・

ヨハン・シュトラウスの音楽も美しく物語を一層引き立ててくれ、ロマンチックに彩ります。楽しいミュージカルです。皆様方も是非ご観賞になり、楽しく、美しい舞台の世界に浸って下さいませ。
藤堂でした。

寒を楽しむ散歩道

めくる暦も残りが知れて参りました。
そこかしこで年の終わりが叫ばれておりますが、忘れて
ならないのは迎える年の準備でございます。
終わりと始めがともにやってくるこの時期、師走とは
よく言ったもので、わたくし共フットマンのみならず、
執事連もまた足早に廊下を急ぐ姿を目にいたします。

にぎやかさを増す街路にお疲れでしたら、温かな紅茶で
一息お休みくださいませ。
いつでもお帰りをお待ちしております。
伊織でございます。

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主役は花から色づく葉へと

金木犀が散ったのはいつのことでしょう。
桜のように盛大に散りゆく姿を見せる花もあれば、隠れて匂い、
人知れず散りゆく花もございます。
晴れの姿を見ることもままならず、最期すら見届けられない
なんて、こんな心残りがございましょうか。

いよいよ外套の必要な時期となってまいりました。
日の陰りも早うございます。
どうかお早くご帰宅くださいませ。

寝起きで、わたくしの言葉など水上の耳に届いてはいないと
思っていた伊織でございます。

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「番外編・同族狩りの弐/話は進むどころか遡る。/応接間において一執事が行った暇つぶしの代償/銀と紫の一族/月下の似姿/そして終点は前章とと同じ」

我が敬愛せしお嬢様。
思うままに筆を振るうのは楽しいものでございます。
ただ、往々にしてございますのは。
筆を振るっているつもりがいつしか、筆が物語に支配され。
まるで思いもしない物語の中へと筆を持つ私自身が連れ去られてしまうこと。

私はいつ、この物語の中から帰還出来ましょうか。
あるいはこのまま、どことも知れぬ地を彷徨うが定めなのでしょうか。

せめてこの拙き駄文が、最愛なる貴方の退屈という病を、ひとときでも癒す術となるなら。
このまま帰還叶わぬとも、本望でございます。
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