la Seine

自然由来の目に見えぬ微粒子が我々の生活を脅かす季節になりました。

強靭な精神で打ち勝つという考えが浅はかだったと悟る能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

今月24日をもってティーサロンの設立から18年の月日が経ちます。

ひとえにお嬢様、お坊っちゃまのお支えあっての道のりでございました。

この場をお借りして、改めまして多大な感謝を申し上げます。

いつも屋敷の使用人へ目を掛けてくださりありがとうございました。

その半分以上の時間、屋敷にお仕えしているのかと頭を巡らせますと、

言葉ではなんとも言えぬ感慨深さが私の心の中を満たしてまいります。

その殆どの時間、給仕に課外活動に奔走してきた自負はございますが、

継続は力なり、と言うは易し、事に移すにはこれほどまでに困難かと、

ひとりで思い悩んだことも一度や二度ではございません。

しかし、その生まれてきた逆境を乗り越えて今を迎えられたのは、

志を同じくして日々懸命に給仕に励んだ仲間がいてくれたから。

そして何よりも。

お屋敷を愛してくださいましたお嬢様の笑顔がずっとあったからこそ。

たくさんの紆余曲折があったドラマのワンシーンのような日々も、

今となっては宝石のようにキラキラと輝いて見えます。

これからの日々もたくさんの季節をご一緒させていただきます。

少し早いご挨拶となりますが、19年目もよろしくお願い申し上げます。

能見

Ciron

ひと月が思いのほか目まぐるしい速度で終焉を迎えてしまいました。

本年に掲げた目標がまだ脳裏にあることが奇跡な能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

今年になりまして、新たな朝の習慣として読書と白湯を始めました。

私なりの精一杯の丁寧な暮らしといったところでございましょうか、

慣れぬことに背伸びをして取り組んでよかったなと思っております。

一日の始まりに身体と精神を整えよう、というのがはじまりでした。

 

まず目覚めがよくなりました。これは大変大きな進歩でございます。

目的意識が明確ゆえ起床モチベーションが向上したように感じます。

中々お布団から抜け出せないような、寒い朝が続いておりますので、

毛布に包まれ読書をしつつ、徐々に目覚められるようになりました。

 

そして生まれつき冷え性の私にとって、白湯は今や大きな存在です。

始めてひと月ほど、指先の冷えは軽減されている実感がございます。

直接ヒーターで暖をとる以上に、体内からのアプローチは効果的で、

体温の上昇により免疫力の向上や花粉症対策にもよいと聞きました。

 

その他、朝習慣としてヨガや瞑想を始めてみようと試みたのですが、

効果効用と拘束時間や二度寝のリスクを天秤にかけまして不採用に。

無理せずストレスなく続けていけるくらいが理想だと思いますので、

ひとまずは先述した二つの習慣を長く続けていけたら、と存じます。

 

お嬢様にとりましても、心身が整う習慣はございますか。

もし差し支えなければ、教示願いたいものでございます。

 

能見

leaf

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

幕を開けました2024年と申しますと、4年ぶりの閏年でございます。

だからどうしたと言われればおっしゃるとおりそれまでなのですが、

例年よりも一日多いわけですから、何だかラッキーでございますね。

天から与えられたその24時間で何をしようか、思案が止まりません。

 

年末は一年間書き溜めた日記を振り返るだけでも大変でございました。

充実した日々を積み重ねられたのもひとえにお嬢様のお陰でございます。

改めまして感謝申し上げます。2023年は誠にありがとうございました。

 

そして本年三月でお屋敷は18周年。夢の大台も近づいてまいりました。

お嬢様が安心してお過ごしできる場所をこれからもずっと残せますよう

使用人一同、一層の誠意を持って、本年も給仕に励んでまいります。

 

いつも変わりない日常を大切に。

そして変わりゆく時代にいつも新鮮な心で向き合えるように。

 

まずはお屋敷で新年の挨拶が叶うと嬉しゅうございます。

お嬢様のお早いお帰りをお待ち申し上げております。

 

能見

Orb

共に執務をしておりますひとりのセカンドスチュワードがうきうきです。

ジングルベルの季節がやってきたのだなと肌で感じる能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

一年の締めくくりのひと月、街も華やか賑やかに活気づいてございます。

徐々にイルミネーションに彩られていく街並みに、安心感すら覚えます。

素敵だな綺麗だなと感じる前に、もうこんな季節かと思ってしまうのは、

慣習と捉えているのか、はたまた童心を忘れてしまったが故でしょうか。

 

お嬢様にとりましても社会勉強に奔走していらっしゃることと存じます。

期末の試験や論文のため学業に精を出していらっしゃるかもしれません。

煌びやかな街並みと対照的に追われることの増えるひと月でございます。

お疲れのでませんように、流行病にかからぬように、と祈っております。

 

このような大変充実したスケジュールを組まれていらっしゃるお嬢様へ。

息抜きをする時間やストレス発散の場を設けることも大切でございます。

 

その観点では、自然との触れ合うことはとてもよい機会でございました。

私自身、自然が持つ力の偉大さに圧倒された一年だったと振り返ります。

 

春先にはキャンプに赴き、雄大な自然と恵みを肌で体感いたしました。

夏には富士山を登頂し、自然の尊厳、厳しさを学ぶことができました。

秋には使用人たちと釣りに挑戦いたしました。四名でまいりました釣行。

こちらはまたティーサロンでごゆっくりお話しさせていただきましょう。

 

今年は都市生活では体験できないことに、沢山触れることができました。

いつもとは違う景色、いつもとは違う肌温度、いつもとは違う感情情緒。

その「いつもとは違う」は、日常の荒波で少しずつ削り取られていった、

忘れ去ってしまった、もうひとりの自分自身の結晶なのかもしれません。

 

もしお嬢様が自然に触れ合う機会を設けたいと仰るのでございましたら、

少し車高の高い馬車をご用意させていただきましょう。

 

そして最後に。少し早いご挨拶となりますことをお許しくださいませ。

お嬢様、お坊ちゃま。本年も誠にありがとうございました。

 

能見

Drop

過ごしやすい季節はいずこへ。時の流れの速度に驚きを隠せません。

使用人たちとの秋の行楽に思いを馳せております能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

さあいよいよ近づいてまいりました新酒のシーズンでございますね。

今年も山梨からお取り寄せした日本が誇る新酒をご用意いたします。

わびさびを感じる淡色で繊細な口当たりを持つ辛口白ワイン「甲州」。

苺飴のようなチャーミングなライトボディ赤ワインの「ベーリーA」。

 

昨年の山梨ヌーヴォーは赤白どちらも甘口をセレクトいたしましたが、

本年はより日本のテロワールを感じられる2本を持ってまいりました。

ワインの国際コンクールでも、一躍注目を浴びております日本ワイン。

こちらの機会にぜひ様々なペアリングをお楽しみいただきとう存じます。

 

そして中旬11月16日はボジョレー・ヌーヴォーの解禁日でございます。

全世界のソムリエたちから注目を集めております2023年ヴィンテージ。

果たして今年はどのような感動を我々にもたらしてくれるのでしょうか。

解禁となるその当日まで、ワクワクとドキドキが止まりませんね。

 

今年は3名の生産者のボジョレー・ヌーヴォーをご用意いたします。

ブルゴーニュ地方きってのナチュール派「ジョルジュ・デコンブ」。

自耕自作。拘りを尽くした樽使いの魔術師「ドミニク・ローラン」。

熟成も視野に入れた独自路線の作り手「ドメーヌ・ド・ラ・ベシュ」。

 

比較テイスティングすることも新酒を楽しむ一つの要素でございます。

よろしければぜひお召し上がり比べてみてはいかがでございましょう。

 

解禁日当日はブルゴーニュの郷土料理である「コック・オー・ヴァン」、

チーズ&バゲット、茸のマリネをオードブルとしてお作りいたします。

今月はギフトショップにて海老と茸のアヒージョをご用意いたしました。

ご別宅にワインをお持ちになった際も、ペアリングには全く困りません。

 

今年も無事に新酒が完成したお祝いを、ぜひお屋敷でいたしましょう。

 

能見

Falcon or Goose

朝晩の寒暖差から秋の深まりを感じます。一月前の猛暑はどこへやら。

今年は夏の終わりをすっかり見失ってしまいました能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

先日より、夏の暑さゆえに中々捗らなかった読書を再開いたしました。

過ごしやすい気候になり、四季をありがたく感じる所存でございます。

この数年間は持ち運びの便利さから電子書籍を使用しているのですが、

紙媒体ゆえの良さ、そして行間を読むことの大切さを感じております。

 

ページをめくるたびに高揚する気持ちは本ならではの魅力だなと思い、

足が遠のいていた書店や図書館に赴くことも最近は増えてまいりました。

私が興味深いと思う書籍をどのような方が手を伸ばそうとしているのか、

実際にこの目で見ることができるのも、非常に楽しゅうございますね。

 

日々の生活に電子書籍を取り入れなければわからなかったことですから、

新しい文化を知る、そして試しに習慣化してみるという経験を通じて、

遠回りをすることでしか見えない世界もあるのかと実感した次第です。

お嬢様にとりましても、そのような実体験はございますでしょうか。

 

コルク栓かスクリューキャップか。どちらのワインが好ましいのか。

ご別宅でワインを選ぶときの基準にも似ているのかも知れません。

どちらにも良さや魅力があり、どちらか一方に固執するのではなく、

場所や環境などの諸条件でご決断なさるのがよいのかなと思います。

 

複数の角度から見て、そして試してみないとわからないこと。

私がハヤブサに跨る日も近づいてきているのかもしれません。

 

能見

We are

窓を開けると夏の名残を感じながらも涼やかな風が自室に吹き抜けます。

お恥ずかしながら「重陽の節句」の意義を初めて知った能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

執事歌劇団のInstagramでもお伝えをいたしました通り、富士登山に赴きました。

的場、影山とともに三名で臨みました。かなり異色のメンバーでございますね。

「ご来光」すなわち富士山から日の出を見るということが目標でございまして、

上り下りで二日間かけて富士山と向き合う素晴らしい機会を頂戴いたしました。

 

結果、三人とも無事に頂上まで辿り着き、「ご来光」を拝むことができました。

日本一高い山に登ったという達成感に満たされ、同時に安堵感に包まれました。

無事に怪我なくお屋敷に戻ることが、何よりの最優先事項でございますので。

秋のはじまり。早速たくさんの思い出ができました。

 

道中で数多の写真を撮ってまいりましたので、別の機会にお届けいたします。

我々の富士山登頂のリアルな様子をぜひともお楽しみにお待ちくださいませ。

 

行楽の秋という言葉の通り季節に触れる機会を今年は増やしていく予定です。

勇気を持ってお外の世界に出ていきませんと、新たな発見は少ないでしょう。

虎穴に入らずんば虎子を得ず。何事もチャレンジしていく所存でございます。

 

「虎」で思い出しましたが、こちらの日誌がお嬢様の目にとまるころには、

わたくしが贔屓にしております某球団は「アレ」を達成できたのでしょうか。

ティーサロンが創設されてからの長い年月、一度も味わったことのない悲願。

目標に向けて日々頑張るスポーツマンはいくつになっても憧れでございます。

 

能見