キッカケ

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。

新緑の季節、お庭の草木も美しいこの頃。

そろそろ新年度の変化も少しずつ落ち着いてきた頃でしょうか。何か新しいことを始めるにはぴったりの時期ですね。

とは申しましても、大人になってから全く触れたことのないものを始めるというのもなかなかに難儀です。

だからこそ、身の周りに散りばめられている「キッカケ」を見逃さないことが大切なのではないかと存じます。

例えば

美味しいものを食べたいという思いから、お料理をしてみたり。

テレビなどで中継されている世界的な大会を応援する内に触発されて、スポーツを始めてみましたり。

贔屓のアーティストに憧れて楽器を購入したり。

興味や縁が生まれた瞬間にそれは「キッカケ」のタネでもあるのです。

ご自身で無自覚のうちに作った壁を越えるためには、見つけたタネをとりあえず片っ端から育ててみるというのもよろしいかもしれませんよ、お嬢様。

どうか色々なことにご挑戦して、より一層楽しい毎日が過ごせますように。

隈川

きゅうり

敬愛せしお嬢様へ

気候が不安定ながら、日々真夏の欠片を感じる、そんな春と夏の狭間でございますが
いかがお過ごしでございますか?

時任は時勢も変わり、様子を見ながらも休日のお散歩も叶うようになり
時折、カップ探しや良いバー探しなどにも出掛けさせて頂いております。

バー探しではありませんが、先日無性にスコーンを頂きたくなり、
とあるシンプルながら評判の良い喫茶店へとお邪魔して参りました。

華美さはないものの落ち着いた趣味の良い内装の中、
念願のスコーンとクリームに季節のジャムを頂き、ファインダージリンと共にのんびりと過ごしておりましたが、
朝食を抜いておりましたものでいささかスコーンだけでは足りず、
朝食兼昼食を頂こうかとお品書きと睨めっこしておりましたところ
「キューカンバーサンド」の一文を発見いたしました。

キューカンバーサンド‥
当家のアンナマリアにもよく含まれておりますが、英国では非常にポピュラーな軽食でございます。
ただ、これ単体でメニューを成している例は珍しく、いかにも古式ゆかしい英国風喫茶にふさわしいと感じ入りまして、こちらをオーダーさせて頂きました。

ティーカップを傾けて待つことしばし
お給仕役にお持ち頂いた「キューカンバーサンド」は思いのほか大皿で
なかなか大きなサイズのサンドイッチが並んでおりました。
なんと8切れ。
そして、オールきゅうり。
ほのかにソースとスパイスだけを効かせていて、とても美味しいのですが
他に余分な素材はなく真面目にオールきゅうり。

そして、サラダ付き。

サラダの意味を考えつつ、ほのかに甘味すら感じる美味しいきゅうりをたっぷりと頂きました。
米国人が英国人を罵るスラングに、「locust(バッタ)」というのが在るそうですが
ちょっと意味がわかった気が致します。
いや、きゅうりの瑞々しさに、ソースとスパイスのバランスも抜群ですごく美味しかったです。
きっと、またオーダーします。

 

ただ
嗚呼、ただひとつ

 

 

付け合わせのサラダまできゅうりなのは何でなん‥‥。

物語

人間という生物は「物語」を抜きに生きることはできません。
そのようにできていると考えるべきでしょう。

だからこそ何かを理解しようとするとき、その補正を外して極力フラットな目線で向き合う必要があります。

物事を認識する際に、自分が受け入れやすい物語を用意して、そこに沿わせることによって理解した気になる。本当は都合のいいように解釈しただけにもかかわらず。
そういった場面をよく目にしますし、私自身にもその傾向はあります。

例えば、SNSをみてもそうでしょう。
150文字。ツリーとして多くても500文字前後。
その中でいわゆる構文として上手くできて、きれいにオチまで用意されているような文章だと、「内容」よりもその「形式」に引っ張られて納得させられてしまう。
なにか特別なものを理解した気持ちになってしまうということがございます。

「包装紙」として書いてきたことにつながるのですが。
こういった場合、内容に大した価値はありません。物語として納得しやすい様式が整っているかどうかが大切なのです。

溢れかえる情報に対峙して、五感を使ってそれらを認識しようとするものの、人間の認識がいかに不完全かを思い知る日々でございます。

 

含蓄

夏を思わせるような強い日差しの日もあったかと思えば、
はや梅雨の訪れかとも感じる長雨の日もありと、、
季節の進みが一方向とはとても思えぬ日々が続いておりますが、お嬢様方におかれましては如何お過ごしでしょうか。

ご機嫌麗しゅうございます、香川でございます。

季節の変わり目には、身体がどうもいつも通りというわけにいかないなという事を、ここ数年感じる事が増えてきたように存じます。
順調に年齢を重ねている証拠でございましょうね。

年齢だけではなく、当家のチョコレートケーキのようにしっかりとした深みも伴った人間性を養っていかなければと、このところ富みに感じてございます。

一朝一夕に獲得できるものではございませんから、一日一日、一歩一歩進んで参りましょう。

しっかり前を向いて。

久々にお戻りのお嬢様方を拝見しつつ、偉大さをひしひしと感じてございます。
なるべくお早いお帰りを、こころよりお待ちしておりますね。

ワイン

ご機嫌麗しゅうございます。睦月でございます。
以前ワインデイでは能見さんと2人で行わせていただきましたが、今回は初めて1人で行わせていただきます。左様でございます。とても不安でいっぱいです。
なので、お嬢様にご用意する前に試飲をいたしました。私の主観だけではなく他の意見も伺いたかったので、能見さん、伊織さん、古谷さんにお付き合い頂きました。
ライチや蜂蜜の香りに、優しい甘さ。皆に口を揃えて美味しいと言って頂けたので、少しホッとした気持ちでございます。
最後は古谷さんと2人でワインを頂きながらお酒の話で盛り上がったことは大旦那様には内緒でございますよ。
それでは私のお選びしたワインと、プティオードブルをお楽しみくださいませ。

睦月

日誌

ご機嫌麗しゅうございます。

今月ご用意致しました桐島とのカクテル「Dioskouroi」はお楽しみいただけましたか?
似て非なる2人でご用意致しました今回のカクテル、
私としては初めての先輩使用人とのカクテルデーでもありとても緊張致しました。

ですが隣に頼もしい桐島の肩を感じることができ、当日は不安よりも楽しさが勝り、
また、お嬢様のお喜び頂ける様子も伺うことが出来て非常に嬉しゅうございました。

さて私事ではございますが
ここ数日苦戦していることが1つございます。
何がというのはまだお話する事は叶いませんが、、、

いずれまたティーサロンにて楽しくお話しが出来るかと思われます。

さぁ、明日はどんな楽しいことが待っているのでしょうか

ワクワクした気持ちを少ししずめながら本日は床につこうと思います。

お嬢様におかれましても明日が良き一日でありますように。

火野

ご挨拶

空と海と花たちと、その境界が曖昧になるほどの美しい青、あの日見た情景を忘れることはないでしょう。

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

この度大旦那様から命を賜り、先日よりティーサロンにてお給仕をさせていただくこととなりました。

名前を椿木と申します。

大旦那様に拾われる以前、私は全国を旅しておりました。

そこに生きる花を、風景を、街並みをカメラに収め、そして様々な喫茶店を巡り…おっと、昔話は長くなりそうですのでまたの機会に記すといたしましょう。

未熟者な私ではございますが、どのような時でもお嬢様、お坊ちゃまが笑顔でいられるよう精一杯精進して参ります。

それではお嬢様、お坊ちゃまのお帰りを、温かい紅茶をご用意してお待ちしております。