七月

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

お日様が昇るとひまわりが顔を上げ、お月様が目を覚ますと星たちが踊り出す、先月よりも高く澄み渡る青空が一層美しい季節がやってきました。

外を歩けば額に汗が滲み、針を刺すようにチクチクと肌を焦がす熱はいまだに慣れないものがございます。

しかし、それもこれも氷菓を美味しく食べるためのスパイスなのではないかと思い始めました。

スイカに塩をかけて食べるように、酢豚にパイナップルが入るように、ほんの少しの特別がこの夏という季節を楽しませてくれる。
そう思うとただ暑いだけ、なんて言ってる場合ではございません。

四ヶ月にも満たない短い期間をどう楽しむかはご自身で決めるもの、良いものにするのも悪いものにするのも、全てご自身がもたらすものでございます。

そんなことを言っている私はと申しますと、実は新しく始めた趣味でありますバイオリンを密かに楽しんでおります。

まだまだお嬢様方の前で演奏するには実力が足りませんが、いつか楽器をものにできた時に披露させてくださいませ。

そして叶うことならお嬢様、お坊ちゃまの夏の思い出を私にもお教えくださいませ。私はいつでもティーサロンにてお待ちしております。