『山岳部』2

前回の日誌の続きでございます。

御来光を見るために深夜4時に出発いたします。
20時に消灯するため三人で就寝するのですが、左を見ると目の前に的場の足がある程スペースがなかったため、わたくしはほぼ寝られませんでした。
それもあるのか、頭痛と若干の体調の悪さが襲ってきます。

深夜の登頂のため、
本当に気をつけて登らなくてはならないのですが、
宿舎から出てから頂上までの登山は

雨で目の前が霧になっておりまして、

視界が悪い、
雨で足場が悪い、
気圧での空気の薄さ、
寒さによる身体の動かなさ、
突風での吹き飛ばしと
それらを疲労した状態で立ち向かわなければいけない山の怖さをひしひしと感じました。

一度突風で後ろに飛ばされそうになった時には
これは本当に気をつけなければ
お屋敷に帰れなくなると
身を引き締めて登りました。

頂上に着いた時は少し放心状態でした。御来光は霧でほとんど見えませんでした。
となればせめて剣ヶ峰には何としても行きたい。ここからは約20分程。ほとんど気合だけで登りました。

剣ヶ峰で写真を撮る時はあまりに嬉しくて拳を突き上げて写真を撮ってしまいました。

もしかしたら何処かでその写真をお嬢様にお見せ出来るかもしれませんね。
わたくしにとっての良い思い出がまた一つうまれました。

無事目的が達成出来たのは
能見、的場のおかげでございます。彼等がいたからこそ自身を鼓舞して登ることが出来ました。
本当にありがとうございました。

帰りの馬車では

『次はどの山登りましょうか?』

という話をしながらお屋敷へ向かっておりました。

これはもはや

『山岳部』

だなと感じたのでした。

 

10月7日、そんな思い出を胸に

能見、影山でご用意したエクストラティー『富士山』でございます。

また何かしらご一緒に思い出を共有させていただけましたら嬉しゅうございます。