給仕の一環

西暦2xxx年。

人々の、他を省みず、自分ばかり快適に暮らせれば良いという思考が災いし、
地球の温度は上昇。空気も昔と比べさらに汚くなり、地域によっては
居住不可能な区域も出来てしまう程に世界は住みにくくなってしまった。

そんな現状に危機感を感じた各国の首脳は話し合い、
そして様々な意見が飛び交った。

その中のひとつ。
『執事制度』
これは執事のように誠心誠意、主、または人々に対して心を尽くす精神を、
一人一人が持つようにとの意味を込めて導入された制度である。

国語や道徳の教科書には、執事の精神についての項目や著書が追加され、
さらに各国で評価の高い執事がいる屋敷には、模範としての役割、
ひいては将来有望な執事を育てるべく、整備の整った環境を与えられた。

しかしこの制度。様々な宗教団体からは叩かれ、
反発する国も少なくなかった。

しかしこのまま世界を見過ごせるほどの余裕も無くなったこの国は、
早々とこの制度を取り入れたのであった。

世界が行く末を見守る中、当屋敷が規範として選ばれた。
そんな世界での物語である・・・。

と、今回は少々短いですがここまでといたします。
次回からは屋敷の一日などを紹介していきますので、
楽しみにお待ちくださいませ。