ご無沙汰いたしております。

皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?
壮健だけがとりえの私でございますので、おかげさまで日々の勤めも順調でございます。あいかわらず楽しくお屋敷での毎日を過ごしております。
厨房の改装も滞りなく進んでおります。皆様方にお会いできる日も、もうまもなくでございますね。いまから、その日を指折り数えて心待ちにいたしております。

さて、最近の私はどうもミステリーにはまってしまったようで、ここ数日で三冊の本を立て続けに読了してしまいました。差し出がましゅうございますが、ご紹介させていただきます。
まずは、東野圭吾「名探偵の掟」、次にジョン・ダニング「死の蔵書」。
そして三冊目でございますが、これはお嬢さま方にも、たいへんおすすめでございます。
「ダージリンは死を招く」
作者はアメリカのローラ・チャイルズという方でございます。
古き良き時代の雰囲気を残した町で、こだわりのティーショップを経営するヒロインが、歴史的由緒あふれる邸宅を一般公開するというイベントで起きた殺人事件に巻き込まれて・・・・。
ミステリーのあらすじを紹介するのはマナー違反でございますので、内容に触れるのはこれくらいにしておきますが、ところどころに散りばめられたお茶の薀蓄話や、紹介されるティーレシピ、魅力的な登場人物―なかでも、主人公を支える初老のティー・ブレンダーは、私のお気に入りでございます―などがあいまって、とても面白く読ませていただきました。
「お茶と探偵シリーズ」として、すでに翻訳も七冊目まで出版されているようでございます。よろしければ、ぜひご一読くださいませ。もっとも、聡明な当家のお嬢さま方ですから、すでに読了なさっておいでかもしれませんね。その時は、司馬の不明をお笑いくださいませ。
おや、ついつい趣味の押しつけじみたお話をしてしまいました。恐れ入ります。
じめじめとした梅雨の日々が続いておりますが、皆様、体調をお崩しになりませぬようご自愛くださいませ。
では、今回はこのあたりで失礼いたします。