怠惰スーツに興味を持つ

寒さが、笑えないほどになってまいりました、桐島でございます。

お嬢様は寒さ対策などは万全でございますか?私は万全でございます…とは行かず実はいつも失敗続きだったり致します。

最初にしたのはランニングを朝にする事により体の代謝あげて乗り切ってしまおうと言うものでした、割と効果はあったのですが、妖怪阿斗伍分の登場により布団、おこたから抜け出せず最近ではあまりしなくなりました。

次にしたのは朝風呂でございます、朝に30分ほど湯船に浸かってホカホカバリアを纏い乗り切ると言うものでございます、これもすごく効果はあったのですが、温度調節を間違ってお風呂で盛大にノックダウンしたり、そもそもおこたから出れないでちょっとやめようとなりました。

あとは父にもらった恐ろしく度数の高い中国酒を飲んであったまろうというロシアン的な方法も取ったのですが、時間を10時間進めるという時魔法が暴走したため禁術に致しました。

とまぁ中々うまく行っておりません、、、ヒーター、エアコン、おこた、の三種の神器がなんかもう神がかって有能で困ります…いや、でも寒さに負けるのは悔しゅうございます。

これからも何か模索してまいります、お嬢様方も何か良い方法がございましたらひっそりと教えて頂けたら幸いでございます。

Loup garou

早晩、冬の気配が色濃くなって参りましたね。
街路樹が色あせないうちに、秋の空気をたくさん吸っておこうと思います。
伊織でございます。

今月のデザートプレート「Loup garou ルーガルー」の物語をご紹介いたします。

「人の気も知らずに照りつける満月が憎かったから、この爪で切り裂いてやった」

色気のない机をはさんで座る少年は「自分は狼男なのだ」と付け加えながら、そう言った。
とはいえ、僕には彼が本物の化け物かどうかなんて分かりようがない。
卓上灯に照らされる彼の顔は年相応な少年のそれであり、するどい牙もなければ獣のように毛深いということもない。
こうして彼を観察している間も少年はくちびるを尖らせたまま、差し出されたチョコレートを口に詰めこみ続けている。
その表情も仕草も、せいぜい僕より2つ3つ年下かなという推測ができるだけで、彼が狼男だと言われたって、うなずけるほどの理由はどこにも見当たらない。
僕はほおづえをついて、大きくため息をはいた。
仮にこの少年が本当に狼男だったとして、変身できない狼男なんて誰が信じてくれるだろうか?
肝心の月は壊れてしまったのだ。
もし彼がウソをついていたとしても、『実録! これが本当の狼少年』……なんて調書に書けるはずもない。
こりゃ厄介な事件を押しつけられたものだ。
第一、彼の何の罪を問われるのだろう?
月を壊したことだろうか、それとも狼男に生まれたことなのだろうか。それすらもよく分からない。
それでも昨夜から月がまっぷたつになって光を無くしたことと、彼が無類の甘党だということだけは疑いようがなかった。
僕はチョコレートで口元をべとべとにする少年を眺めながら調書の表紙を閉じ、またひとつため息をこぼした。

ティーサロンで給仕を致しました。

八幡でございます。
実は八幡は10月の1ヶ月間、一言日誌を書き綴っていたので本日は1ヶ月分の一言日誌を披露致します。

10月1日(土)ティーサロンで給仕を致しました。
10月2日(日)ティーサロンで給仕を致しました。
10月3日(月)ティーサロンで給仕を致しました。
10月4日(火)ティーサロンで給仕を致しました。
10月5日(水)休暇を頂いたので寝ておりました。
10月6日(木)ティーサロンで給仕を致しました。
10月7日(金)勉強を致しました。
10月8日(土)ティーサロンで給仕を致しました。
10月9日(日)ティーサロンで給仕を致しました。
10月10日(月)ティーサロンで給仕を致しました。
10月11日(火)ティーサロンで給仕を致しました。
10月12日(水)休暇を頂いたので寝ておりました。
10月13日(木)ティーサロンで給仕を致しました。
10月14日(金)輪ゴムをいじっていたら2時間が経っていて絶望しておりました。
10月15日(土)ティーサロンで給仕を致しました。
10月16日(日)ティーサロンで給仕を致しました。
10月17日(月)ティーサロンで給仕を致しました。
10月18日(火)ティーサロンで給仕を致しました。
10月19日(水)申し訳ございません。この日は一言日誌を書くのを忘れてしまいました。
10月20日(木)ティーサロンで給仕を致しました。
10月21日(金)勉強を致しました。
10月22日(土)ティーサロンで給仕を致しました。
10月23日(日)ティーサロンで給仕を致しました。
10月24日(月)ティーサロンで給仕を致しました。

と、本来ならば10月31日まで日誌が続きますがこの後も殆どが

ティーサロンで給仕を致しました。

でございますのでお嬢様がゲシュタルト崩壊してしまう可能性がございますので一言日誌はこちらで終了致したいと存じます。

※先月の日誌「お屋敷史上最高の日誌」を書いた紙を当家の馬、エリザベスにグシャグシャにされてしまいましたので記載する事が出来なくなってしまいました。大変申し訳ございません。

魔女の帽子

爽やかな秋晴れの続く今日この頃、お嬢様いかがお過ごしでしょうか。

乾でございます。

今月末はハロウィンでございますのでお嬢様の仮装や何かのお役にたてればと思い「魔女の帽子」を折り紙で作ってみました。
本来黒い帽子でございますが、今回は折り目等が分かり易いように発色の良いオレンジの折り紙を使用致しました。

では、始めさせていただきます。

まずは中心に向かって折り線を付けて行きます。

ある程度の折り線がついた所で裏返して折り進めます。

再度、表に戻し折り進めて行きます。

   
ここまでくれば後は帽子の鍔の形を整える為内側に折り込んでいきます。

これで完成でございます。

比較的簡単でございますので、是非ご挑戦いただければ幸いでございます。

さて、朝夕冷え込んでまいりますのでお身体にお気をつけくださいませ。                  
                     -乾-

バッテリー

近年では社交界のみならず、多くの方々が仮装を楽しむようになってまいりました。
まあお嬢様方におかれましては慣れたものかと存じますが、連日の催し物でお疲れではございませんでしょうか。
最近老婆心という言葉に敏感になっている香川でございます。

先日涼しさも増したこの機会にと、椎名執事とともに倉庫の整理を行いました。

芸術の秋というわけではございませんが、自前の棚なども製作しながらというなかなかダイナミックなおつとめとなり、
久々に大工道具を手にしての木材たちとの大立ち回りを堪能致しました。

その中で、電動ドリルを使う段にて、久々の活躍だったためかバッテリーが弱っていたものがございました。

椎名執事曰く、バッテリーの中には充電されたものを使い切らぬうちに充電すると、その寿命が短くなっていくものがあるのだそうでございます。

なんでもかんでもすぐに充電するというのも、いかがなものかということかもしれません。

人間の身体でもスタミナというものは限界を少し超えるくらいのトレーニングを積むことで養われるようでございます。

せっかくのものも使わずにいると、いつの間にか少なくなっている。

容量というものはバッテリーだけに限ったものではないのかもしれませんね。

婆ではなく、馬場でも走ってくると致しましょう。

身体づくりをして、お早いお帰りをお待ちしております。

今宵月の見える丘に

影山でございます。

福島に行ってまいりました。

着いた時には夜でございます。

あぁ

今夜は満月でございますか。

いいですね。

走ってみましょう。

月に向かって走ってみました。

ここまで全力で走ったのは東京マラソン以来かもしれません。

走った先に

草原の丘の様な場所を見つけました。

あの紅茶が脳裏にやってきました。

深呼吸をしてみました。

お屋敷に戻ったら早速この感動をあの使用人に伝えましょう。

ふと空を見上げますと

満月の位置が初めに見たときと大分変わっておりました。

こんなにも短時間で位置が変わるものなのですね

Canary

辿り着いた場所は緑一面の広い草原
パステルカラーの青空は高く
レースのような雲がゆっくり流れている
頬に伝わるそよ風がとても心地よい…
トンビが気持ち良さそうに円を描いている

圧倒的な自然だけれどどこか優しい…
風の香りが心を落ち着かせてくれる
肩からリュックサックを下ろし両手を広げ思いっきり深呼吸をした
空気がとっても美味しい…体に染み渡っていく…
自然に包まれ風に包まれ癒されていく自分に気づく…

半分夢の中にいるような気持ち…
いつまでもこの景色を見ていたい
いつまでもこの風を感じていたい

そっと目を閉じると目尻からポロポロとこぼれた
風が目にあたっているからだろう…
手で拭いきれないほどポロポロ…ポロポロ…
リュックからハンカチを取り出した

今日ここに来てよかった…
何かに救いを求めるように電車に乗りバスに乗り辿り着いた場所…
私には今ここに来ることが必要だったに違いない…

現実と非現実の間をふわっと飛んでいる…

やって来た飛行機の音にハッと現実にもどる
どのくらいいただろう…気づくとさっきまで見ていた雲が形を変えずっと遠くに行っていた

もう帰らないと…名残惜しい…

「そうだ!」
リュックから空になっていた水筒を取り出す
蓋を開け空に手を伸ばし飛行機が残した雲に沿って走る!
今だ!と急いで蓋を閉めた

……

一時間に一本しかないバスを待っていた
ベンチに腰掛けビスケットを食べていると黄色い小鳥が現れた!
ビスケットのかけらをあげると怖がりもせず私の側へやってくる
「もしかして今日の幸せはあなたが運んできてくれたの?」

バスを待っている間、私は胸が締め付けられるような幸せを感じていた…

バスは5分早くやって来た
しばらくバス停で止まっていたがここで乗る乗客は私だけのよう
車窓から幸せの黄色い小鳥がこっちを見たり首を傾げたり

さようなら…ありがとう…
バスはゆっくり走りだした

イヤホンを取り出し音楽を聴く
アコースティックギターの音色は、
『風の詩』

車窓から優しい陽の光…
ポロポロ…ポロポロ…
風のせいかな…

手に持ったままの水筒をぎゅっと握りしめた。

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お嬢様、お坊っちゃま、ご機嫌いかがでございましょう金澤でございます。
先日よりご用意させて頂いておりますフットマンブレンドティーのカナリー、多くのお嬢様方にお試しいただきまして、本当に嬉しく感激しております。
お口に合いましたらどうぞこれからもお召し上がりになるお茶のレパートリーに加えて頂けたら嬉しゅうございます。

水筒に持ち帰ったものをお茶にしてみました。
お嬢様に少しでもお届けしたい…
そんな気持ちから出来たお茶でございます。

お茶を一口、目を閉じるとふわっと優しい風がくるでしょうか…
時にお屋敷が草原となり、お嬢様を癒し、幸せを感じていただける場所となりますように…