昔過ごした場所がどうなっているか、時折ふと気になる時がございます。

伊織でございます。

 

都会は都会で、田舎は田舎で、年月が経っても意外と大きく印象が変わらない場所がほとんどなのかもしれません。

わたくしが生まれ育った町も、お屋敷を取り巻く大都会も、変わってはいるけど変わってはいない、そんな感じがいたします。

変わったところが目につくと同時に、変わっていないところを意識的に探してつなぎ合わせて、変わっていないあの頃のままにしたいと願っているのでしょうか。

 

変わってほしくないなと思うのは、ただただ自身の記憶との差違を拒むだけのわがままなのでしょうか。

 

わたくしが留学していた小さな町は、当時からすでに時代の中に取り残された、というか、ある一定の時点から近代化を拒み続けているという印象の田舎町でした。

当時いまだにヒッピーがサンダルを手にして裸足で町中を歩いていたり、そんなもんだから商店の入り口には「Shoes Required」のサインが出ていたりしたものです。

世界中どこにでもあるような大フランチャイズすら1店舗もなく、ファーストフード店ですら個人経営のお店しかありませんでした。

 

あの町は今も変わらず何十年も前から姿を変えずにあるのでしょうか。

足を運んで自らの目で確かめる機会がつかめぬまま、まだ何年も疑問を抱き続けるのだろうと思います。

現代的なテクノロジーを駆使すれば、今の町並みがどんな様子かなんて確かめるのはいとも簡単なことだとは知りつつも、そんな技術で町を盗み見るのはあの古くさくて頑固な町の意思に反するように感じてしまうのです。

 

あの町に住んでいた人がみんな変わらずそこにいるだなどとは信じていません。ただ、せめてうわっつらの風景だけでも変わらないでいてほしいと思うのは、やっぱりわたくしのわがままなのだろうと思います。

お友だち

久々に何か生き物を飼ってみたいなと思う今日この頃です。

伊織でございます。

 

何を飼うかというのが問題です。

使用人宿舎で面倒が見られる範囲ということになりますから、室内でちんまりと世話ができる生き物がよいなと考えております。

さらにわたくしは動物の毛などで鼻炎を起こしてしまいますから、なるべく毛は少ない方が理想です。

以前ヤモリを飼っていたこともございますし、また爬虫類を迎えるというのもありかなぁと思っておりますが、お嬢様は爬虫類と聞くと苦手意識を持たれるでしょうか。

 

命を迎えるわけですから、慎重に検討したいと思います。

ご報告をお待ちくださいませ。

懐メロ

お嬢様は音楽を聴きますか?

伊織でございます。

 

わたくしは私的に音楽を聴くことはおおよそありませんが、ふと耳に入ってくる音楽というものは存在します。街中の至る所で流されている音楽は、聞く側の好みを問うことなく投げ続けられるものです。

流行っているのであろう音楽の種々は、国内外を問わず意識しないうちに記憶にすり込まれているのでしょう。

 

ごくまれに、急に古い音楽が耳に入ってくることがあります。

古いと言ってもクラシックや60’sなんていう古さではなく、絶妙にくすぐったさを感じさせる80~90年代のものです。

なぜこんなにもくすぐったさを、原因不明の気恥ずかしさを感じなければならないのか、いまだにわたくしには分かりませんが、どうもこのあたりの音楽が有線なんかから聞こえてくるとむずがゆくなるのです。

お嬢様はこのような体験はございませんか?