じりじりと焦がれる夏の気配を感じられる気候に移行してまいりました。
向日葵が咲き誇る季節を今か今かと楽しみに感じている能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
お屋敷で迎える幾度めの夏。私はやはりこの季節がとても大好きです。
幼少の頃を振り返ってみると、今も心に残る思い出が存在しているのは、
いつもいつも蝉時雨が降り注ぎ茹だるような暑さを伴う夏でございました。
毎年のように祖父に連れて行ってもらった、甲子園のアルプススタンド。
ボーイスカウトで一週間ガスも電気もない環境で生きた山奥のコテージ。
学生時代に仲間と共に悪戦苦闘しながら挑戦した見よう見まねの海釣り。
たくさんの思い出が紡がれる夏。私にとって特別な季節でございます。
お嬢様にとりましてはいかがでございましょうか。
暑くて外に出るのが億劫だったり、高温多湿によって御髪に迷われたり。
お屋敷のレディーといたしまして、様々なご不安ごとがございますよね。
そのようなご事情の中でも忘れられない夏だったと振り返られますように。
そして、お嬢様の人生という名のアルバムに、色鮮やかに残りますように。
この季節を、私も大切に生きていきたいと思います。
能見