みどりの香り

6月に入り、ダージリン高原ではセカンドフラッシュの摘採がさかんに行なわれていることでございましょう。
今年の出来はいかがなものでしょうか。楽しみでございます。
伊織でございます。

ダージリンのセカンドフラッシュと申しますと、その最大の特徴ともいえるマスカテルフレーバーという香りが頭をよぎります。
良品になるほどこのマスカテルフレーバーを強く感じていただくことができるかと存じます。

しかしこのマスカテルフレーバーとは、一体どんな香りの事なのでしょう。
名称からは『マスカテル=マスカットのような』香りととらえていただけますが、果たしてお嬢様方はダージリンティーを召し上がっていただきながら、ぶどう品種のひとつ・マスカットの香りを感じられたことはございますでしょうか。

そんな香りがこれまであっただろうか、と首をかしげられたとしても致し方ありません。
なにせこのマスカテルフレーバーとは、マスカットの果実の香りではないからです。

ダージリン特有の香気を「マスカテル」と表現した由来については諸説あるようでございますが、ひとつわたくしのお聞きした説をご紹介いたします。

イギリスで申します「マスカテルフレーバー」とは、「マスカット畑でマスカットの花が咲き誇る中で匂う、ほの苦さを含んだ香り」だそうです。
この説が正解か否か、正しくダージリンの香りを表現しているか否か、マスカット畑を訪れたことの無いわたくしには的確なことは申せませんが、ぜひともダージリンのセカンドフラッシュを召し上がる機会がございましたら、お嬢様ご自身の感覚にてお確かめくださいませ。

当ティーサロンでは現在、パピヨンセカンドと申しますダージリンのセカンドフラッシュをご用意いたしております。
ご興味ございましたら、お試しになってみてはいかがでしょうか。