ロールスロイス

最近はすっかり春めいた感じの日々でございますが、お嬢様、お坊ちゃま、いかがお過ごしでしょうか?

乾でございます。

普段のお出かけは私が管理しております馬車をお使いいただく事が多いのですが、これから社交界にデビューされるお嬢様、お坊ちゃまはお車がお迎えに来る場合も多くなります。

そのほとんどがロールスロイスでございますので、少しお話いたしましょう。

実はロールス・ロイスは自動車のメカニズムとしては最新鋭のものを採用することは殆どありません。既存の信頼性の高いメカニズムを採用しながら、徹底した品質管理により「世界最高の車 」と自ら銘打つ車を生産し、世界中の富豪からの支持を受けています。

代表的なものを一つ

『渋滞の中を走っているロールス・ロイスに乗って一番うるさいのは時計だ』

『アイドリング中、ボンネットに硬貨を立てても倒れなかった』

『リアシートから運転手に「エンジンを掛けてくれ」と言ったら、答えは「もう掛かっております」だった』 等々・・・

創業者の一人、フレデリック・ヘンリー・ロイスの言葉

『もし私が欠陥車の出荷を指示しても、門衛がそれを許さないだろう』

全員が品質管理を厳しくチェックしているということでしょう。

きわめつけは・・・この都市伝説です。

『ある英国人がロールス・ロイスに乗ってアフリカの砂漠を旅していた。ところが、旅の途中でエンジンが故障してしまった。困った英国人がロールス・ロイス社に連絡すると、ヘリコプターで修理しにきてくれた。英国人はそのまま旅を続けることが出来たのだが、その後ロールス・ロイス社からは修理代の請求がこなかった。帰国した英国人がロールス・ロイス本社に赴きその旨を伝えると、受付の女性は微笑みながら

「お客さま、何かのお間違いでございましょう。ロールス・ロイスは故障などいたしません」
こう言って修理代を受け取らなかったといいます。

自分たちの製品に対する自信と誇り、それを維持するための努力と覚悟。

こういった伝説があるからこそ、ロールス・ロイスは単なる高級車以上のものとして支持されているのだと思います。

長々とお話ししましたが、お嬢様、お坊ちゃまに相応しいお車だという事でございます。

ご質問がございましたら、聞いていただければ嬉しゅうございます。

では、お嬢様、お坊ちゃまのお帰りをお屋敷にてお待ちしております。

                 -乾-