日本人が好む数字として「3」があるというのはよく知られていることですが、いや、日本人に限らず人間の好む数字といってもよいかもしれません。

なにせ世界中に三大なにがしというものがあまりにも多く存在しているのですから。

いかがお過ごしでしょうか。

伊織でございます。

 

世界三大なにがしというと、お屋敷としては一番最初に連想するのは世界三大紅茶ではないでしょうか。キームン、ウヴァ、ダージリンの三産地をさす言葉でございます。ただし、三大紅茶、もしくは三大銘茶という呼び方は日本くらいでしか通用いたしません。

商業的な画策などがうごめいていたのでしょうか……?

 

私的には三大なにがしに日本由来のものが含まれていると、なんだか懐疑的になってしまいます。

例えば世界三大美女のクレオパトラ、楊貴妃と並ぶ小野小町や、世界三大キノコ「トリュフ、ポルチーニ、マツタケ」に含まれるマツタケなどです。

 

失礼ながら小野小町様がいかに美しかったかは勉強不足ではありますが、はたして何千年という歴史の中で選ばれる3人の中に本当に選ばれるほどの方なのだろうか……マツタケなんてありがたがって食べるのは日本人くらいだそうですが、そんなマツタケが本当に世界のトップ3に選ばれるものだろうか、と都合よく日本国内向けにだけ制定されたもののように感じてならないのです。

 

あくまで個人的な感想でございます。

勉強を怠らず、できるだけお嬢様の前で恥ずかしいところをお見せしないように努めてまいります。

季節を着る

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。隈川でございます。
処暑の候、と申し上げるにはまだまだ暑うございますね。
お嬢様。
今年の夏、素敵な思い出はできたでしょうか。
私は大変楽しゅうございました。
季節のお食事をお出ししたり、夏の催し、浴衣での写真撮影など。
…浴衣。
そういえば、もうかれこれ長いこと毎年違った柄を着ております。
本来いかなる季節もお仕着せだけに袖を通し、年中燕尾服でいることが使用人の美学。
しかしながら、思い返せば私はスワロウテイルにてお仕えするようになってからの方が多様な服を着る機会に恵まれてございます。
正直なところ昔は「使用人である我々がこんなに煌びやかなお衣装を着ても許されるのか。伝統から外れることになるのでは」と思うこともございました。浴衣もそのひとつです。
ですが、最近ではこうも思うのです。
お嬢様の笑顔の為に、どのような格好でも使用人として背筋を伸ばすこと。それがスワロウテイルの使用人たちの伝統なのではないか、と。
季節ごとにお嬢様が楽しい思い出を作れるよう全力で努め、その笑顔の為に尽力する。どのような格好であっても使用人としての本懐を忘れずに殉ずることこそが大切なのでしょう。
我々は燕尾服を着ているから使用人なのではなく、使用人としてお仕えすることを許された者が燕尾服を纏っているのですから。
浴衣であろうと、その他の衣装であろうと私がフットマンであることに変わりはございませんから。
さぁて!
そうなると、もっともっとお嬢様に笑顔になっていただく為には愉快で煌びやかな衣装が良うございますね!
来年は金地にスパンコール、サンバの飾り付けをした浴衣なんていかがでしょうか!
…あ、はい。
流石にそれはやりすぎでございますね。申し上げながら途中で気がついておりました。
これからも季節ごとに楽しいと思っていただけることを沢山ご用意できますように♪
隈川

日誌

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。

山岡でございます。

この日誌をしたためている今日は

まだ真夏のピークが去っていない真夏日でございますが、

お外を散歩していると

「真夏のピークが去った〜」と毎年恒例あの有名な曲が聞こえて参りました。

流石につっこまざるを得ません。

「どこがやねん ええ曲やけどまだ早いわ」

と西生まれの山岡は1人心の中で唱えたのでございました。

この日誌がお嬢様のお目に届く頃は

流石に真夏のピークも去ったかと存じます。

今年の夏はいかがお過ごしであられましたでしょうか。

浴衣をお召しになってティーサロンへお戻り下さる方も沢山いらっしゃいましたね。

花火大会やお祭りのお話などお聞かせ下さった方もいらっしゃいました。

お嬢様方皆様がそれぞれに素敵な夏を見つけられたなら、なによりでございます。

私事ですが、9月から

巣鴨にございますマジクレープにて

休日限定でフットマンクレープ山岡を

ご用意させて頂きます。

いつも食べるのが勿体無いほどの

華やかな見た目でご用意をさせて頂いているマジクレープですが、

作り手のパティシエに伺ってみたところ、

今までお食事系のクレープはご用意した事が無かったとの事でございましたので、

是非とも頂いた機会の中でご用意させて頂ければと思い、

私の好きな韓国料理の中から、

チーズタッカルビを用いてご用意をさせて頂く運びとなりました。

山岡は基本的には辛いものは苦手です。

ですが韓国料理の辛いものは、

辛さの中に甘みや旨みが含まれているものが多いので、

そちらに限っては好き好んで頂いております。

ですので辛いものが苦手なお嬢様にも

きっと楽しんで頂ける仕上がりになっているかと存じますので

是非ともお召し上がり頂けますと

嬉しゅうございます。

またティーサロンでも

お味のご感想お待ちしておりますね。

それでは本日はこの辺で。

おやすみなさいませ。

第二十一回フットマンティーの魅力

照りつける太陽の暑さと寝苦しい夜に心身共に疲れやすい今日この頃。

いかがお過ごしでしょうかお嬢様、お坊ちゃま。

紅茶係の白川でございます。

本日は心身の疲れ、特に心を癒すのにぴったりな紅茶のご紹介でございます。

 

それでは参りましょう。

 

 

それは貴方にとってどの様な紅茶でございますか?

 

??「それは、使用人として私の心血の全てを注いだ紅茶でございます。」

 

心血の全てを…

その言葉にどれほどの思いを込めた紅茶なのかが伝わって来ます。

本日はフットマンティーの魅力、二度目の登場。

ティーサロンではファーストフットマン、執事歌劇団では歌唱を務めます隈川の〝オルソ〟の魅力に迫ります!

 

まずオルソはりんごの香りのアッサムをベースにしましたブレンドティーでございます。

その他にコクを出す為にキームン、より香りを高める為にリラックス効果の高いカモミールとハニーブッシュをブレンドしております。

 

カモミールは大地のりんごとも呼ばれ、その香りもりんごを彷彿とさせ、ベースのりんごのアッサムとの相性も非常に良いものとなっております。

またカモミールには消化を促進し不安をやわらげ安眠効果などあらゆるリラックス効果がございます。

りんごのアッサムとカモミールをハニーブッシュのはちみつに似た香りが包み込み、互いが互いに香りを高め、優しい甘い香りが心を落ち着かせリラックスさせてくれます。

 

ここで思うのは隈川のもう一つの紅茶ネーヴェもりんごのルイボスティーでございます。
ネーヴェもオルソもりんごの紅茶。

これには理由があるのでございますか?

隈川「それはりんごが好きだからでございます。特にその香りが好きでございます。」

との事。

 

ネーヴェとオルソの違いはネーヴェがりんごの鮮烈な香り、まるでりんごの香りをそのまま感じている様だとしたらオルソは優しいりんごの香り。甘く優しく丸く、ゆっくりと感じさせリラックスさせてくれます。

隈川「また、意外にもりんごの香りはお食事の邪魔をいたしません。」

確かに、食材として使われる事も多いりんごはお食事との相性も良いのは頷けます。

また、オルソのベースはアッサムを使用しておりミルクとの相性も良く、キームンによって高められたコクがミルクに負けず、オルソの魅力を損なう事なくミルクティーをお楽しみいただけます。

 

ここでお知らせでございます。

この度ギフトショップにて隈川のオリジナルイラストを使用しました今治産のハンカチタオルがお目見え。

肌触りが良く吸水性も高いミントグリーンのタオルに、青りんごを頭に乗せ、眼鏡をかけキュートに舌を出した白くまの可愛らしい刺繍が目を引く品でございます。

実用性も高く可愛らしいこの品を是非、ギフトショップにて手に取っていただけると幸いでございます。

また、隈川はこの今治タオルについて、知らなかったことがあるとの事。

その件は是非、ご帰宅の際に隈川にお尋ねくださいませ。

 

最後になりますが、オルソの名前の由来でございます。

オルソはイタリア語で熊を意味し、ギリシャ後ではまっすぐ、純粋な、などの意味を持ちます。

熊は隈川のトレードマーク。

そして、日々の生活で歪みかけてしまうお嬢様の心を正したい、まっすぐ、純粋にと言う意味も。

 

また、隈川はこう言っておりました。

「紅茶というのは嗜好品、無くても生きてはいけます。ただ、その嗜好品に救われる事もあるはず。」

「私はそんな使用人になりたいのです。」

 

 

次回はどのフットマンティーにいたしましょう?

 

それでは次回まで、

ごきげんよう!お嬢様、お坊っちゃま。

日誌

ご機嫌麗しゅうございます。
八幡でございます。

夏も真っ盛りでございますがお嬢様はこの夏なにをして過ごされましたか。
私は未だに夏らしいことが全然出来ておりません。
ですので使用人何名かを誘い今年こそBBQでも出来れば良いなと思っております。

具材を焼く係には佐々木

飲み物を作る係には才木

この2名を誘いこの夏一番の思い出を作ろうと思います。

え、私でございますか?
勿論その2人が作ったものをいただく係でございます。

良い夏を。

まだまだ

まだまだ暑い日が続いております。

日が暮れてからは幾分涼しい風を感じることもございますが、なんだかそう思いたいだけという気もいたしまして、夏の呪縛から抜けるには時間がかかるだろうなと頭を垂れる毎日でございます。

いかがおすごしでしょうか。

伊織でございます。

 

昔ながらの涼のとり方も風流で大変よいのですが、ここ100年で気温がぐっと上がっていることを考えますと、今や風流なだけでは暑さをやり過ごすことはできないのだろうと納得せざるを得ません。

技術の恩恵を受けることに反発したい気持ちはあれど、背に腹はかえられません。空調は絶えず稼働しっぱなしでなければ耐えられるものも耐えられなかったりいたします。

暑さだけではございません。

強い日差しへの対策も大切ですが、これはわたくしなどが口を出す必要などありませんね。お嬢様の方がお詳しいことは百も承知でございますし、わたくしが学ばせていただかなければならないことのひとつでございます。

 

外から体を守るための道具や努力も大切ですが、体の内側から整えることもどうかお忘れのございませんように。

旬のものを口にし、どうかお元気なままで秋を迎えられますように。

再挑戦・究極のマティーニ

敬愛せしお嬢様へ

当家でカクテルを学ばんとする若人たちもありがたきことに代々増えまして、
彼らが新しい発想の良き品々をお嬢様も元にお届けすることも多く、
時任は彼らの背を見守りながら、たまに好きにカクテルを作らせて頂く日々でございます。

余裕が出て参りますと、カクテルという文化への探究心もまた溢れるもので
時折、お外のお屋敷に勉強に伺いましたり、別邸でボトルを並べて研究したりと、そんな機会も増えてまいりました。

その一端として、幾度か挑戦したことがあり、また挑んでみたいと思っておりました「究極のマティーニ」というものを試してみました。

「究極のマティーニ」と呼ぶべき条件が如何なるものかは、バーテンダー個々に異なるとは思います。
極限までドライに仕上げた、チャーチル卿のマティーニを究極と呼ぶ者もおりますし、
製法を問わず、そのステア技術のみで究極と言われる味を目指すものも少なくありません。

その中から今回は、戦後昭和の日本のバーで生まれた「究極のマティーニ」を作ってみることに致しました。

この製法の考案者は、当時のバーテンダー大泉洋さん。
かの名俳優さんと同名ですが残念ながら別人でございます。

まず冷凍庫でジンをボトルごとよく冷やします。
ジンは敢えて最も古典的なオランダのジンを使用いたしました。
合わせるベルモットワインは冷蔵庫でよく冷やし、どちらも数日しっかり冷やしました上で、
ミキシンググラスに注いで氷を入れずに静かに混ぜ合わせます。
(大泉氏は大量生産のため、ボトルに材料を詰めて振っていたそうですが)

混ぜ合わせた液体を再び冷凍庫に入れ、また2日ほど冷やします。
そして2日後に取り出した液体をグラスに注ぎ、頂くという製法です。
単純ですが何とも気の長いレシピでございます。

試飲してみたところ、やはりよく冷やしたジンのとろみと甘味に、ジュニパーベリーの爽快さと、ベルモットの瀟洒な香りが濃厚に混じり合って、実に良いお味でございました。

何かの折に、お嬢様の元へもお届けできたらと思います。
非常にアルコールが強いので、おやすみ前にお飲み頂くのがお勧めではございますが。

 

数日の仕込みが肝でございますが、
お屋敷で仕込んだら皆の試飲と称したつまみ飲みでほぼ無くなりそうでございます。