これは私の夢のお話でございます。
時は五年後か十年後か、はたまたもっとその先なのか。
いつも通り燕尾服に身を包み、今日も帰宅なさるお嬢様、お坊ちゃまの優雅なティータイムのお手伝いを。
髪は伸びてるのか、背は伸びてるのか、前髪は短いのか、それは分かりませんが、今の私よりお給仕の姿勢に成長があると良いなと思います。
変わることのない場所で、シャンデリアはいつもより輝き、翳り一つない楽しそうな笑顔と賑やかな声が詰まった私の居場所。
そこで疲れを知らずピンチに動ずることがない。
紅茶のことを聞かれても、アルコールのことを聞かれても、食事のことを聞かれても、全てに余裕もって答えられる。
どんな些細なことから期待を込めたことまで全て応えられる。
そんな一人前の使用人としてお嬢様、お坊ちゃまに仕えること。
これが私の夢のお話でございます。
私がティーサロンに降り、お嬢様、お坊ちゃまに仕える始め、あっという間に半年経ちました。
まだ成長途中の私でございますが、これからも優雅なティータイムを過ごしていただけるように努力してまいります。
お嬢様、お坊ちゃま、扉が開くその時を楽しみにしていたくださいませ。