オムライスの肝

皆様、ご機嫌麗しゅう。
吉川でございます。

最近、いえ以前から多かったのかもしれませんが、オムライスから派生した『オムハヤシライス』や『デミオムライス』を出す飲食店が増えたように思います。
単純にオムライスにデミグラスソースを掛けただけのものだと思っていたので、まずは自分で作ってみることにしました。
手近な店にてハヤシライスを求めてまいりまして、玉ねぎが無かったので冷凍パプリカ、鶏肉が無かったので生ハムで代用してケチャップライスを作り、卵を焼いて乗せてハヤシソースを掛けて完成。
食してみるとこれでも十分に美味しい。
ならばお店ではどうなのかと益々期待は高まり、ビジュアル的な美味しそうさと好奇心には勝てず、後学のためにと意を決して食してみることにしました。

いざお店を探して行ってみると軽い行列。
人気店なのだなと思い十数分の待ちを経て、いよいよ店内に、そして着皿。
ほほぅ、写真通りのビジュアルで美味しそう!
期待して口にしてみると………あれ?
ケチャップライスじゃない?
バターライス?
なんだか味が薄くて物足りない気がします。
デミソースと共に食べても物足りない。
チーズを頼まなかったからかなと思いながらも、根本的に何かが足らない気がします。
そうか、ケチャップだ。
オムライスの肝はケチャップライスだったんだ。
具材なんて何でもいい、ケチャップで味を整えたライスとオムレツを合わせたものこそがオムライスなんだ。
確かに卓上にはケチャップが置いてあり、自身の好みで足すことが出来るようになっています。
飲食店では出来ることなら味を足したくないと思っている私ですが、余りの味気なさに卵を捲りライスにケチャップをかけてしまいました。
先人たちが欲したからこそ、卓上にはケチャップが置いてあるのでしょう。
鬼に金棒、弁慶に薙刀、虎に翼、オムライスにケチャップ、足し算ではなく掛け算になる組み合わせがある、そう実感した秋の夜長でした。