紅い果実のお話

司馬でございます。
皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?
季節は秋となりました。

月末には、おまちかねのハロウィンが控えております。
藤原などは、いまから飾りつけの準備に殊のほか熱心なようでございます。

 さて、ハロウィンにつきものといえばカボチャと相場は決まっておりますが、今回は趣向を変えまして、リンゴについてお話いたしましょう。

 歳時記を読みますと、英国では10月の10日ごろに、リンゴ酒を仕込み始めるようでございます。旬の果物の一つと申せましょう。

 舌にとろけるようなカボチャのパイと、よく冷えたリンゴ酒は、相性も抜群でございまして、想像するだけで、もうたまりません。

 生食はもちろん、アップル・パイ、コンポート、あるいは焼きリンゴをロースト・ポークに添えましても、その美味しさはより一層引き立つものでございます。

 そういえば、かつて当家の果樹園でリンゴがあまりにも豊作すぎた時には、リンゴジャムを作ってみたことがございましたね。

 果実の皮をそのままに裏ごしいたしますと、鮮やかな紅色に染まりまして、それはとても美しいものでございました。酸味が少々強いものの方が、より美味しいジャムに仕上がるようでございます。

 さて、こうしてリンゴのことなど書いているうちに、私の指先は酒杯を求め始めてまいりました。今宵は、シードルかカルヴァドスを使ったカクテルでも時任にねだってみましょうか。

 ところで、ご存じでございましょうが、当サロンのショーケースにはカルヴァドスのボトルが飾られております。しかし、このところ、ほんのわずかづつ量が減りつつあるような・・・。
 気のせいでしょうか?

 まさか、大河内が盗み飲みなど?

 寝酒の前に、見回りに行ってまいりましょう。

「って、なにしてるんですか!豪徳寺執事!!」
「―はっ!?」

 では、今回はこの辺りで失礼いたします。