藤の香りと共に

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

来月の16日に、
小瀧と共にエクストラティーを担当させていただくこととなりました。
その時の新人と何かをやるというのも久しぶりです。
3年ほど前に山岡とアントワネットというものを
担当させていただいたのが最後でございます。

https://www.butlers-cafe.jp/blog/?p=17190

昔の拙い文章ですが、
当時の心持ちと変わらないものがございます。
幾年経ちましても、慣れないところですね。
先日も金澤とエクストラティーを担当いたしましたが、
私が尊敬する諸先輩方の背はまだ遠く。
果たして私の背は少しは見れるものになっているのか、
などと思うところです。

私から見た小瀧は、
非常に真面目で繊細でありながら、こだわりを持ち、
皆様に楽しんでいただきたいという気持ちの強い使用人です。
あと和風です。洋風ではありません。

5月末で給仕を許されて1年経つとのことで、
小瀧なりの感謝の気持ちも乗せた
エクストラティーに出来ればと存じます。

私としては
コンセプト文にも認めましたが、
新しい風の中に感じる郷愁がテーマです。
これからの御屋敷と、これまでの御屋敷とを、感じられるものになればよろしいかと存じます。

内容といたしましては緑茶をベースに、
新緑の季節にぴったりな紅茶を
2パターン仕上げるつもりにございます。

“人はいさ心も知らずふるさとは
花ぞ昔の香ににほひける“

意味合いはずれますが、
藤の花の香りと共に、
受け継がれる今が届けば
嬉しゅうございますね。

是非お楽しみくださいませ。

才木

春なれど

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

金澤とのエクストラティーは
お楽しみいただけたでしょうか。
私と金澤がpureなのかは一考の余地がありますが、
皆様に対する感謝の気持ちや
美味しい紅茶を召し上がっていただきたいという気持ちは、
間違いなくpureでございました。
はたして自発的に言うべきものなのか、
というのは難しいところです。

さて季節は春に向かって一直線、大分暖かくなってまいりました。
例年よりも早めに開花宣言も出まして、
これをお読みいただく頃には、
もう桜が散ってしまっている気がしております。

のんびり花見でもと思いながら、
結局花より酒になってしまうなと
頭の中では色々考えます。
ご多分にもれず黄色いあいつにも
苦しめられておりますので、
平穏に楽しめないことも予見されます。
ならば自室で一杯やる方が、
とつい思ってしまいますね。
自身のインドア体質が出るところです。

皆様はどんな風に春をお楽しみになるでしょうか?

私も気持ちだけは前向きに、
想像も膨らませて楽しもうと存じます。
実際に行動するかは、また別のお話です。

才木

たまには

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

さて今月13日に、
久しぶりにエクストラティーを
務めることとなりました。
当家きっての紅茶職人・金澤と共に、
素晴らしい紅茶をお届けいたします。

話は少しずれますが、
私にも尊敬する先輩がおります。
挙げればキリがないところですが、
金澤もやはりその一人です。

何が。というのも色々あるのですが、
やはり揺るがない部分で申しますと、
私にとってお屋敷の紅茶といえば、
金澤が淹れる紅茶に他ならないからです。

ただ、自分も少しは成長しただろうと誘ってみたものの、
その背中はまだまた遠く感じます。
私自身も少しはイメージがあったのですが、
金澤が提案してくれたアイデアに「それで」となってしまいました。
だってそちらの方が美味しそうでしたからね。

そんなこんなで、
ホワイトチョコを混ぜ合わせた
美味しいミルクティーになりそうです。

とはいえ、追う背中があるというのは嬉しいですね。
いつまでも完璧にはなれませんし、
常に先には誰かがおります。
まだまだやれることはある。
新しい発見が日々に潜んでいる。
そんな期待にワクワクいたします。

諦めず手を伸ばしてみるのも、また一興です。

たまには。

才木

節目

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

年が明けて寒さも厳しくなっております。
皆様におかれましても、
ご体調お崩しではないでしょうか。

雪がぱらつくこともありまして、
まだ小さな頃は嬉しかったものだなと
苦笑いをしてしまいます。
今は憎らしさが募るばかりで、
仲良く出来そうにありません。

とはいえこれはこれで、
季節を感じる大事なものですね。
目の前のことにだけ集中しておりますと、
ただそぞろに日々を過ごしてしまいます。
折角ですから色々な視点を持って、
余すことなく楽しんでいきたいところです。

二月はバレンタインデー。
当家ギフトショップでも、
使用人六人考案のチョコレートをご用意いたします。

私の一粒はキャラメルロイヤルミルクティー。
甘めに仕上げていただきまして、
とても美味しいものになっております。

また三月には、恒例のアニバーサリーもございます。
使用人といたしましても、一年の節目を感じる行事にございます。

是非お屋敷でも、
節目節目の行事をお楽しみくださいませ。

才木

しないのもいい

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

日々お忙しくお過ごしでしょうか?
年末に向けて世間も慌ただしくなってまいります。
流されるままにおりますと、
あっという間に年が明けてしまいますね。
そんな時、一度立ち止まってみるのもお勧めです。

常に何かをし続けるというのが、
今は難しいことではありません。
選択肢が多いのは素晴らしいこと。
それだけ豊かな生活があるとも言えます。
だからこそたまには、
選択としての「しない」をしてみてもよいのでは。

走り続けていると見えないものもあります。
足下や目先のことも大事ですが、
遠い空に目をやってみるのもよろしゅうございますよ。

無理をせずに、ゆるりと。
それでいて悔いのない年末にいたしましょう。

……そう、自分にも言い聞かせております。
言うは易し、やるは難し。

皆様もどうか楽しくお過ごしくださいませ。

読書の秋

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

月並みではございますが、
秋と言えばやはり読書。
暑さも落ち着き、程よい涼しさがやってまいりますから、
集中して物事に向かうには
ピッタリの季節にございます。

ご多分に漏れず私も、
心地よい陽気に誘われて
本を購入いたしました。
積まれていく未読の物たちに、
遠慮をしないというのがコツです。

ちょうど七月の末に
上半期の芥川賞と直木賞の受賞作が
発表されましたので、
書店では平積みで置かれておりました。

皆様はこの二つの賞はご存知でしょうか?
名前ぐらいは、という方も多いと存じます。

芥川賞は新進気鋭の作家に贈られます。
俗に純文学と呼ばれるジャンルの作品の
短編あるいは中編作品を対象としています。
新人賞というイメージが強いですが、
既刊の作品に対する賞です。
(正確に言うと、半年毎にその時期に発表された作品の中から選考されます)

直木賞はエンタメ作品の賞です。
芥川賞と違って、中堅・ベテラン作家が受賞することが多いですね。
主に長編作品の印象がありますが、
短編集の受賞歴もあるとか。

学生時分は「文藝春秋」や「オール讀物」に掲載されます
講評コメントに目を通していたこともあったのですが、
近頃は、私にとって
縁遠いものになってしまいました。

折角見かけたのだからということもあり、
手に取ってみた次第です。
特に今回の芥川賞は、
候補者全員が女性であったことが
話題になっておりましたので、
私としても気になっておりました。

というところで前段のお話は終わりです。

――

「おいしいご飯が食べられますように」
著:高瀬隼子

ノミネート2回目での芥川賞受賞。
今作は「食事」を通して人を描いた作品。
帯によりますと
「最高に不穏な仕事場小説」とのこと。

なるほど、読んでみますとこの不穏というのが
常に感じられる作品でございました。

当たり前なのですが、
生きていく上で自分の気持ちを吐露することなんて、殆どないですよね。
大半のことはどんなに違和感があっても、
抱えながら生きていくもの。

でも捨てることは出来ない違和感を
いかんともせず感じ続ける登場人物たち。
自分なりの方法で感情と付き合っていく、その姿はまさに不穏。
不確かなバランスで成り立つ日常が、
よく描かれた作品でございました。

あと個人的に面白かったのが、
冒頭数ページの視点の揺らぎ。
次第にピントがあっていくような導入が、
非常に面白く感じました。

――

気づけば冬らしさも出てきております。
皆様もお身体には十分ご自愛くださいませ。

暖かくしてお部屋で、読書。
そんな過ごした方もよろしゅうございます。
新しい季節も楽しくお過ごしくださいませ。

ハロウィン前夜

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

九月は狭間の季節というイメージがございまして、
何事もなく淡々と過ぎていってしまうことも多いですね。
今年は気温も少し下がりまして、
秋らしい雰囲気を感じられましたので、
昨年よりは季節感を感じられました。

来月十月は、昨今取り沙汰されることが
多くなりましたハロウィンでございますね。
御屋敷、特にギフトショップとしても
恒例のハロウィンフェアを開催いたします。

内容は正確には【秘密】なのですが、
私が監修いたしまして、
皆様に楽しんでいただけるように
整えたフェアでございます。

お楽しみにしていただけますと幸いです。
詳しくはまた来月に。

では。