ミーシュカ

昨年は大変お世話になりました、お嬢様。隈川でございます。
本年も宜しくお願い致します。

新しい年を迎えて、数日が経ちました。ことお嬢様におかれましてはこれからまた忙しくなるであろう社会勉強、学業など、これから先の目標に向けて張り切っていらっしゃることかと存じます。

そんな風に頑張っていらっしゃるお嬢様の傍で、フットマンとして私も何かお役にたつことができないものかと日々考えておりました。

そこで、お疲れの出ているときや体調の優れないときにも安心して召し上がることの出来るノンカフェインティーのブレンドを新しく作りました。
名前を「ミーシュカ」と申します。

桃の香りを添えて飲み易く仕上げた「ピーチルイボスティー」をベースに、健康や美容、疲労回復などのそれぞれに優秀な効能が期待できる「隈笹」とむくみや冷えを解消する「スイートクローバー」を加えた飲み物でございます。

ノンカフェインとは思えない飲み易さ、和菓子のように甘く優しい香りはストレートティーとしても、お砂糖を加えたミルクティーにしても美味しくお楽しみ頂けるはずです。

お嬢様がどのような状況に置かれてもゆとりある心を思い出せるよう、心を込めてミキシング致しました。

お疲れの時には無理せずお休みなさっても良いのです。焦らず慌てずご自身のペースで頑張りましょうね、お嬢様。

さて、折角の年の始めですから私もゆとりを大切にお餅でも焼いて頂くことにいたしましょう。
忙しいときこそ心にゆとり「をもち」ましょうね。もちもちもぐもぐ。
もちもちもぐもぐ。

隈川

クリスマスティー

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

遅ればせながら、先月は私が考案しましたオルソのキャンブリックミルクティーアイスクリームをサロンにて振る舞う機会を賜りましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。

お嬢様の食後の癒しに少しでも貢献できたならば幸いです。

気がつくともう12月。
街全体がクリスマスムードに賑わい、ティーサロンで流れる音楽もこの時期はクリスマスソング。

寒がりな私は冬があまり得意ではありませんが、日本のクリスマス特有のパァッと明るい雰囲気は性分に合っているのか、無性に浮かれた気持ちになります。

給仕の後、自室に戻りシャワーを浴びたら、鼻歌交じりに少し濃いめの『ユールミステリエ』を淹れて、もこもこした格好でくつろぐのがこのところのマイブームでございます。

今年のクリスマスもお嬢様にとりまして、素敵な思い出になりますように。

そういえば、クリスマスティーとアガサクリスティーって響きが似ておりますね。

隈川

部屋と後輩と私

ご機嫌麗しゅうございます。
隈川でございます。

…はぁ。
あ、失礼致しました。
溜息なんて。

いえ、秋の雰囲気に当てられたわけではないのです。
少し考え事を。

私がこの屋敷に身を置くようになってから、先月で4年が経ちました。
その間に後輩も沢山増えました。

中でも1年と少し前から給仕を共にしている杉村などは後輩ながら非常にしっかりしていて見ているとこちらが感心してしまいます。

実は考え事というのは、その杉村についてでして。

最近使用人仲間たちと会話をしているとしょっちゅう耳にするのが「この間、杉村さんと食事に行ったときに~」「杉村さんと遊びにいったとき~」「杉村さんが~」「杉村が」「杉村さんの~」「杉村さんと~」…etc

…ちょっと杉村さん。

私、誘われてませんけど!!!!?

わかりやすく申します。
私も!!!
誘って!!!
ください!!!
お願いします!!!
なんでもしますから!!!
好き嫌いもありませんから!!!

はぁ…とりあえずこの切なさを黒崎あたりに聞いてもらうことに致しましょう。どうせ黒崎なんかも誘われずに寂しく部屋でひとりご飯を食べているでしょうからね。

…おや。黒崎の部屋から笑い声が…。

黒崎『ハハハ、本当杉村は面白いな』
杉村『ハハハ、黒崎さんこそ!いやぁ、お鍋美味しいね!』

う、う、う…裏切り者ーーーーーー!!!!!

続く(?)

隈川

フットマンアイスレポート

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

ティーサロンには毎月使用人たちが、それぞれに趣向を凝らして考案する「フットマンアイス」というサイドデザートがございます。

そんなアイスを試食している場面にさり気なく居合わせて、しれっと味見をさせて頂くことが私の毎月の楽しみなのです。

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歩く男

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

お嬢様は芸術品はお好きでしょうか。
私は趣味程度にではございますが芸術品の展示会に足を運ぶことを好んでおります。

忙しさに翻弄され、最近ではなかなか機会を作れておりませんでしたが、今気になっている展示会がございます。

ジャコメッティ展。
スイス出身のフランス彫刻家、アルベルトジャコメッティの展示でございます。

学生時代、友人にジャコメッティの彫刻『歩く男』の写真を見せてもらったときのインパクトを鮮明に覚えております。

余計なものを削ぎ落とし、物事の本質を探す。これは簡単なように聞こえますが通常できることではございません。これは是非実物を拝観したいと以前より思っておりました。

お嬢様、もし宜しけれはジャコメッティ展、ご一緒にいかがでしょうか。

え?
歩く男(フットマン)なら毎日見てる…なるほど、確かに仰る通りで。

隈川