梅酒ヌーボー

皆様、ご機嫌麗しゅう。
吉川でございます。

あれは確か、師走の上旬だったでしょうか。
ネット記事にて「梅酒ヌーボー」という耳慣れない言葉を目にしました。
6月に仕込んだ梅酒を半年で卸し、フレッシュな味わいを楽しむという物だそうです。
確かに、数々の梅酒レシピにも、「漬けて3ヶ月くらいから飲める」とありますが、私は一度も試すことなく、1年以上は寝かせておりました。
その記事によると、「今年は梅の生育が良く、酸味のあるすっきりとした味に仕上がった」と、ボジョレー・ヌーボーさながらの謳い文句。
思い返してみると、今年の梅の実は例年よりも大きく、かつ熟すのも早かったようでした。

そこで思い立ち、「マイ梅酒ヌーボー独り試飲会」を開催することにいたしました。
ほろ酔いの中でのメモからの書き起こしですので、乱文にて恐縮ですが、その結果を発表いたします。

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【ジン梅酒】

[材料]
南高梅…1kg
氷砂糖…500g
ジン…1.8リットル(アルコール度数47.5)

[寸評]
口に付ける前、香りの段階で「まだ早いな」と感じる。
まずはストレートで。口にすると、まだ荒々しく、こなれていない。
ジンのボタニカル感と、梅の酸味や氷砂糖の甘味が喧嘩している。
氷を入れてみても纏まらず、互いの長所を殺しているように感じる。
まだ寝かせた方が良さそうだ。
そもそもジンと梅酒は相性が良いのだろうか、という疑問が湧き起こる。
長く寝かせることで、ジンの爽やかな香りや清涼感が失われてしまうのでは?
氷砂糖のベタッとした甘さとジンの相性にも疑問が残る。
次回は氷砂糖を減らすか、砂糖の種類を工夫してみたい。

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【泡盛梅酒】

[材料]
南高梅…1kg
氷砂糖…500g
泡盛…1.8リットル(アルコール度数43)

[寸評]
まずはストレートで。まだ微かに泡盛の癖を感じるが、悪くはない。
泡盛の癖が消えると共に、梅の酸味や甘味が現れる。
そして意外なほどスッとした後味。
氷を入れると、泡盛の癖が抑えられ、非常に飲みやすくなる。
初めて泡盛梅酒に挑戦してみたが、これは当たりかもしれない。
飲み口の癖が抑えられればなお良いだろう。
「芋焼酎の梅酒は美味」という話を聞くが、飲み口の良さ、香りの良さ故かもしれない。
次回は芋焼酎に挑戦してみたい。

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総評としては、氷砂糖の量による浸透圧の関係か、やはりマイ梅酒は1年は寝かせたほうが美味しいようです。
もうちょっと梅の風味が出れば、ベースとして使用したお酒に負けない「梅酒」に成長していくことでしょう。
今回初めて、1年を待たずに試飲してみましたが、過程を知ることで次に活かせることもあるのだなと実感いたしました。

皆様にも供したいところではございますが、自分で仕込んだ梅酒を他人様にお出しすると、酒税法違反になってしまうそうです。
食品衛生法違反ではないところが面白いですね。
皆様も梅酒作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
しかし、以前に知人から言われたことがあります。
「梅酒は買った方が安いでしょ」と。
それを言っちゃあ、おしめぇよ。
梅酒作りは、ロマンなのです。