Aurora

“天の絹のように波打ち、夜の帳に静かに落ちる”
— バリー・ロペス 『極北の夢』 より

いつの日か、広い平野の真ん中で大の字に寝っ転がりながら、目の前に広がる静かなダンスを眺めてみたいものです。

オーロラの観測地で有名な地域のひとつに、
カナダのイエローナイフがございます。

バンクーバー国際空港から国内線に乗り継ぎ19時間
北緯62度と、オーロラが発生するオーロラベルトの直下に位置しており、天候も落ち着いているまさに12月から3月が見ごろなのだそうです。

でもマイナス30℃と寒く、根気も時間もいることでしょう。

そんな時は飛行機から眺めるのも一興。
北回りルートですと、ヘルシンキ行きやロンドン行きがおおすすめでございます
オーロラの海を漂いながらの飛行は、きっとまた格別でございましょう。

お散歩日誌 いつもの道のり

敬愛せしお嬢様へ
春を待ち焦がれながらも、なかなかに厚手のコートが手放せぬ日々でございますね
お嬢様におかれましては恙無くお過ごしであられましょうか

どうも寒くなりますと出不精になり、ともすれば運動不足ともなってしまいますゆえ
お暇をいただいた日、お天気が良ければふらりとお散歩に出るよう心がけております。

お散歩のコースはその都度に風の吹くまま気の向くままというところでございますが
この季節におすすめでございますのは、湯島から歩み初めて上野に至るコースでございましょうか。
ちょうど先日もそぞろ歩いてまいりましたゆえ、今宵はそんなお話などいたしましょうか。

湯島の周りにはこだわりを感じさせる個人店の喫茶店が多うございまして、
時勢の名残かテイクアウトに対応してくれるところも多うございます。
お気に掛かった紅茶や珈琲のテイクアウトカップを片手に、湯島天神の庭園に足をお運びいただき見頃の梅の花を眺めながら一息ついていただくのがお勧めでございます。

陽光の中、梅の花を見上げておりますと
肌寒い中にも一欠片の春は感じられるように思います。

湯島を抜けまして歩みを進めるは上野方面でございます。
この辺りの古い街並みは、雑多さとレトロ感が入り混じり、個人的に好みの界隈でございます。
映画「スワロウテイル」を思わせるアジアンパンク感というのでございましょうか。
この地に生きる人々の息吹をリアルに感じながらもどこかディストピアさを感じる
日常をかけ離れて夢遊しているような錯覚に陥れる界隈でございますね。

さて、人様の住まう界隈で勝手にいつまでも夢遊してるのも良くありません。
気分に浸りながらもさっさと移動いたしまして、踏み入れるは上野恩賜公園。
陽光に輝く不忍池を抜けて、美術館方面に足を進めますと
広場周辺ではよく、さまざまなパフォーマーが妙技を披露なさっている場に出くわします。
音楽や絵画、ダンスにマジックと日によって多彩で飽きることがございません。
この日はまるで某ネズミ王国のように、乾いたアスファルトの地面に撒いた水で絵を描くというアーティストの方が、広場そのものをキャンパスとして腕を振るっていらっしゃいました。
芸術というものの地平は実に遠大でございます。

上野公園を抜けます頃には日も傾き始め、この頃に雑然とした上野の商店街へと足を進めます。
上野駅前には20年も前には、聚楽台と申します当時としてもレトロなレストランがございまして
古き良き洋食はもちろん、なぜか拉麺や寿司やカレーまでなんでもありの謎の名店であり
若き頃、上野に参りますたびにお世話になっていた記憶がございます。

今では「じゅらく」と名を変えて小綺麗なレストランになっておりまして、昔ほどではないものの、今でもレトロでカオスなメニューはお楽しみいただけるようでございます。
お近くに寄られましたらお試しくださいませ。

しかし今宵はそちらではなく、より雑然としたアメリカ横丁へ。
1日の終わりを迎えようとしている物売りたちの元気な声を横に、得体の知れないジャンルの衣服なども冷やかしながら(そして時々、何に使うかわからない雑貨をつい買ってしまいながら)さらに上野の深層へと潜ってまいります。

最後に腰を落ち着けるのは、上野ノミヤ街と呼ばれます界隈。
路上にまで溢れ出たテーブルと椅子。どこまでが店舗でどこからが屋台かもよく分からぬような混沌の中で、酒盃を掲げ笑いさざめく老若男女が集う場でございます。

お店の当たり外れが実に激しゅうございますので、どこに腰を落ち着けるかは長年の直感と運次第。
ちょっとしたコツだけそっと申し上げるなら
「お店が古くて綺麗であること」
「お品書きが外にも掲示されていて新しいこと」は当たりのお店であることが多うございます。

こういった地元のお店の良いところは、気さくに周りの方とお話ができること
実に人種職種豊かに集う場でございますので
それはもう学生から芸術家や役者、公務員に政治家、貿易商にレーサーまで
毎回全く知らない世界のお話など聞けて見識を広めさせていただいております。

愉快なお話と美味しい酒肴を楽しんで、盃三つひとときほどにて失礼させていただき帰路につき
明日どのように今日の旅路をお嬢様にお話ししようかなどと考えながら夜道を歩む
そんなお散歩道でございました。

 

 

 

 

別邸に到着すると
お酒くさいと嫌がられて鼻先を猫に引っかかれるまでが
お散歩日和のワンセットでございます。

日誌

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます
中島でございます。

 

年度末の3月でございますね。

様々な移り変わりの季節でございますと同時に、新しい物事や新しい出会いに心踊らせる時期でございます。

 

 

間もなくティーサロンも誕生日を迎え19歳になろうとしてございます。

開館19周年でございます。

素晴らしいものでございますね。

19年前と申しますと私は何をしておりました

でしょうか。

恐らくまだ1人で自転車や電車に乗れない

未熟な子供でありましたでしょうか

そんな頃からティーサロンを守り、お嬢様にお仕えする先輩使用人に偉大さを改めて感じます。

私にとっては始めて迎える記念日でございますが、

このような長きに渡る伝統にこうして携わることができ大変嬉しく存じます。

 

今月もまたお屋敷で温かい紅茶と美味しいお食事をご用意してお待ちしております。

それでは。

日頃の感謝を込めて

ご機嫌麗しゅうございます。
東條でございます。

気がつけばもう3月半ばでございます。
時が経つのは早いものでございますね。
3月といえば、私の初めてのお菓子をギフトショップにてお出ししております。
旬のベリーをふんだんに使った美味しいマフィンでございます。
紅茶と合うように甘さを強くしすぎないように作っておりますので、ぜひ紅茶のお供としてお楽しみくださいませ!
お口に合えば幸いでございます。

さて、お菓子で思い出しましたが3月はホワイトデーなるものがございましたね。
折角の機会でございますから、お嬢様・お坊ちゃまに日頃の感謝も込めてある使用人と一緒にベイクドチーズケーキをお作りいたしました!

 

 

 

 

生地にはいちごのフレーバーティーの茶葉を仕込んでおります。

ただ今回あまりにも上手に出来てしまったので、ついつい共に作った使用人と一切れ、また一切れと食べてしまいました…

お嬢様・お坊ちゃま、私と藤波がこのケーキを食べ切る前にお早いお帰りをお待ちしてございます。

3月

春の風が心地よい今日この頃、屋敷の中も少しずつ暖かさを感じるようになりました。外の寒さに負けず、お嬢様が快適にお過ごしいただけるよう、心を込めてお仕えさせていただいております。温かい紅茶をお供に少しでも穏やかなひとときをお過ごしいただけたなら、使用人としてこれ以上の喜びはございません。

さて、お嬢様にお伝えしたい面白いトリビアがございます。ご存じかもしれませんが、3月に咲く桜の花が一斉に咲くのは、実は「日照時間」の変化に大きく影響を受けているからだそうです。桜は昼間の長さが一定の時間に達すると開花を始めるため、地域によっては2月から3月初めにかけて咲くこともあるとか。そんな桜の美しい花が春の訪れを告げる大切な役目を果たしているのです。

日々の忙しさの中にも、ちょっとした驚きや発見があることをお伝えできれば幸いでございます。

19th Anniversary

お嬢様,おぼっちゃま,奥様,旦那様
ご機嫌麗しゅうございます。
山岡でございます。

お屋敷もアニバーサリー期間に入りました。
今年で19周年との事でございます。

お嬢様、そして大旦那様、
今年もおめでとうございます。

2005年にこの空間が始まった頃、
私はまだ勿論使用人でもございませんでしたし、
東にも出てきていない、
西で生活をしていた頃でございました。
私がお屋敷の存在を知ったのは
ティーサロンが出来て7年目くらいの事でしょうか。
きっと生まれ育ちが東で池袋に所縁のある生活を送っていたら
そのタイミングで門を叩いていたかもしれませんね。

その後紆余曲折あり私としては
2019年の冬から使用人として
この空間にお世話になっております。
2020年のアニバーサリーはお屋敷14周年、
当時はまだブロマイドの撮影なども呼ばれぬ身分でございましたので、
あまりピンと来ていなかったですし、
それ以上にコロナの魔の手が
すぐそこまで来ていて
ギリギリ開館が出来ていたような環境でございましたね。
色々な事を経て5年経過し19周年を迎えます。

私事ですが、山岡は音楽が好きです。
特にバンドが好きでございます。
そんな私の好きなバンドも、
10年15年20年と続けてようやく世に知られるようになった人達がいます。
演者側としては
やっていた事は初めからそんなに変わらず、
続けたことに周りが価値を見出し、
支持者が増えていったのであろうと思うわけでございます。
私視点で話すと、続けてくれているから、
私もその音楽に出会い、
音楽会へ足を運び、生の音を浴びて、
感動させてもらえているのであろうと思うわけでございます。

何が言いたいかというと、
きっとこの空間も同じことなのではないかということです。
主人へ思う気持ちは初めから変わらず、
大変な時期も乗り越え
今もなお変わらず構え続け
あなたのお戻りをお待ちしている。
ティーサロンでお会い出来るから返せる気持ちがあり、出来るお仕えがある。
それを続けていることが大事だということですね。

私の知らないこれまでも、
私がお世話になってからの今日までも、
そしてこれからも、
お屋敷の家族であられるお嬢様おぼっちゃま奥様旦那様皆様を大切に
過ごしていければと1人の使用人として願います。

これからも沢山のお戻りを
お待ち申し上げております。

改めてお屋敷19周年おめでとうございます!
山岡でございました。

三月

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

お散歩とお星様が大好き卯月でございます。

まだまだ寒い日が続く今日この頃でございますが、お嬢様、お坊ちゃま、いかがお過ごしでございますか?

私は散歩に出かけたり、少し遠くまで羽を伸ばしてみたり、はたまた自室にこもって読書をしたり、自由気ままに過ごしております。もちろん大事なお給仕もお給仕のためのお勉強も怠ってはおりません。

先日、大旦那様より頂いたお休みの日、夕暮れ頃からお月様が頭上に登るまで時の流れに身を任せてぶらりといろんな景色を見に行きました。

頭上には少しばかりの星の輝き。

あいにくオリオン座を見ることは叶いませんでしたが、細々と光り輝き、私はここにいるよと主張するお星様を見れて私は満足しました。

たとえ今日がいい日ではなくても明日は良い日になるかもしれない。

まだまだ一人前には程遠い私でございますが、立派な使用人になる日まであの時見た星のように少しずつでもしっかりと精進して参ります。

お嬢様、お坊ちゃま、
お早いご帰宅をお待ちしております。