バタースコッチの簡単な作り方

敬愛せしお嬢様へ

突然の冬の来訪に、人も草木も熊すらも惑うている昨今でございますが、いかがお過ごしでございましょう。
私の私邸の猫たちはすでに万全の暖房のもと、ヒーターの前でクルクル回っております。
(何故クルクル回っているのかにつきましては私めの過去日誌をご参照くださいませ。

さて、先日には大河内と共にホットカクテルをご用意させて頂きまして
ご好評を賜りありがとうございました。

特にクッピーにバタースコッチを合わせた品を、影山をはじめにフットマンたちも大層気に入ってくれまして、レシピを尋ねる声も多く頂きまして
12月のカクテルT2シャーベットにも使用することですしと、簡単ながらバタースコッチの作り方をここに記載させて頂きます。

材料は無塩バター25g、三温糖50g、生クリーム50mlです。
(三温糖は他のお砂糖でも結構でして、私は色味を淡くしたいため白砂糖を用いておりました。)

ミルクパンなどの小鍋をご用意いただきまして、まずは無塩バターを鍋に投入し、中火で溶かしてまいります。
ここから最後まで、ひと時とも止めることなくお鍋を混ぜ続けなけれななりません。
焦げ付かぬように鍋底を浚うような混ぜ方が望ましいので、耐熱のゴムベラがベストかと存じます。
耐熱のゴムベラにしませんと溶けてしまい、世にも恐ろしい呪われたマテリアルが出来上がりますのでご注意くださいませ。

バターが完全に液体になりましたら、お砂糖と生クリームを加えてまいります。
結構大胆に入れてしまって構いませんが、混ぜ続けることだけはお忘れなく。

ここから火を弱火にして、じわじわと煮詰めてまいります。
大変甘い香りが充満しますので、食いしん坊のフットマンや猫の襲撃にお気をつけくださいませ。
おそらく5分程度でございましょうか。
(分量を増やすと時間も相応に増えていきますのでお気をつけて)
混ぜておりますうちに、急にとろみがでて蜂蜜のように糸を引くようになり、全体の色が茶色がかってまいります。

ここで別容器に移して冷まし、さらに冷蔵庫などで一晩冷やせば完成でございます。
冷蔵庫で冷やした後は若干固まりますが、軽く混ぜるとすぐにとろけてソースのようになります。
前日のカクテルのように紅茶に加えたり、パンやクッキー、スコーンに塗ってお召し上がりくださいませ。

煮込み時間を長くしてから別容器にて冷やすと、硬度が増してキャラメルやキャンディのようになります。
あえて硬めに作って、自家製のおやつにしてみるのもよろしいかもしれません。
クラッカーに挟んだり、ケーキの飾りに使用なさったりする場合もこちらがおすすめでございます。

最後に。
お鍋を洗うのが大変なので、熱いうちに洗ってしまうか、お湯を入れて煮立ててゴムベラで洗い流してしまうことをお勧め致します。

また、万一にも火加減を誤って吹きこぼしてしまったら‥
ご別邸のキッチンがお菓子の国みたいになりますので、くれぐれも弱火にて慎重にご調理くださいませ。

どうか、甘く暖かな夜をお過ごしいただけますように。