日誌

お嬢様、奥様、お坊ちゃま、旦那様、ご機嫌麗しゅうございます。

暑さが日に日に厳しくなる中、いかがお過ごしでしょうか。

お屋敷の中で、冷たいグラスの氷がゆっくりと溶けていくのを眺めておりました。

決して給仕をサボってるわけではございません!決して!

窓がないため外の風は感じられませんが、ふと冷房のそよ風が心地よく、暑さの中にひと息つけるひとときでした。

そんな中、グラスの氷が知らぬ間に減っているのに気づき、

誰かがこっそり味見をしているのかもしれない…
などと想像してしまいました。

もちろん、わたくしの豊かな想像力の産物に過ぎませんが。

こうした小さな気づきや変化は、静かな日常にひとさじの動きをもたらしてくれるように存じます。

変わらぬ毎日でも、ほんの少しの違いが心にささやかな刺激を与えてくれるのでございます。

夏の暑さは時に厳しいものでございますが、そんな風が心に涼やかな余韻を残してくれることもございます。

小さな驚きや喜びが、お嬢様、奥様、お坊ちゃま、旦那様の八月にも届きますように、心より願っております。

それでは私は日誌を認めながら、もう少しだけ涼みたいと存じます。