黄色いアイツ

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

使用人といたしましては、
皆様に姫様・殿下とご挨拶しておりますと、
いよいよ一年が経ったのだなと感じます。
当然アニバーサリー期間もございますし、
それもまた節目に感じるのですが、
その足音に気付かされる
ということはよくございますね。

最近のことで申しますと、
寒さが厳しい日々が続きましたので、
春は二度と訪れないのではないか、
などと思っておりました。
そんな私の考えとは裏腹に、
突然暖かさがやって参りまして、
名を呼ぶのもやぶさかなアイツも
再び現れ始めております。
遠き春を瞼の裏に感じても、
お前だけは懐かしく思いたくない。

と憎々しさを語るような場でもないと
存じますので、この辺りで。
皆様のお戻りを心よりお待ちしております。

才木