ハロウィン

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

ハッピーハロウィン!

ということで
この度ギフトショップにて開催しております、
Halloween fairのコンセプトを
担当させていただきました。
お楽しみいただけましたでしょうか。

前回のschoolとは違い、
今回はシックでゴシックなものを。
使用人たちの姿や写真も含めまして、
私の趣味嗜好もより反映したものをお作りいたしました。

大河内にはカメラマンとして、同好の士として、様々手伝ってもらいました。
その点も皆様にお楽しみいただける要素なのではと存じます。

フォトブックには、
皆のキャラクターについてや
ちょっとしたミニストーリーも
認めさせていただきました。
是非フェアをより楽しんでいただく為の、
種としていただけていれば幸いでございます。

ちなみに私のお気に入りは
「老執事・乾」と「名家の三男・花染」です。

皆様のお心に残った使用人や内容はございましたでしょうか。
何かありましたら是非お聞かせくださいませ。

……

本年はハロウィンのティーサロンでの催しが、
久しぶりに行われる運びとなりました。

コロナ以前ぶりでして、
私が携わらせていただくように
なってからは初めてのことでございます。
ですので、楽しみだという気持ちが強くございます。

変わってしまったことも多くございますし、
それ自体は素晴らしいこと。
常に新しいことを考えながら、
慢心せず進んでいかなければなりません。
しかし同時に、長く続くものを残していくことも大事だと、
私は考えております。

とはいえ全ては皆様の為。
より楽しんでいただき、
よりよい時間をお過ごしいただけますよう努めてまいります。

十一月一日には、
ティーサロンにて紅茶サロンが行われます。
この日は日本における「紅茶の日」とされ、
皆様に紅茶を楽しんでいただく為の
ティーサロンとしては特別な一日です。

美味しい紅茶を
ごゆっくりお楽しみくださいませ。

……

私としては、
来る年の様々なことを
考え始めております。
その為に黙々と読書をしたり、
映画を見たりですとか、
インプットに精を出す日々です。

ちょうど良い秋の気候でございます。
皆様のおすすめもありましたら、
是非お聞きしたいところです。

ティーサロンやギフトショップにて、
伺えればと嬉しく存じます。
皆様のお戻りを心よりお待ちしております。

才木

秋に向けて

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

「暦の上ではもう残暑」
という文言を聞きまして、
それから気に入ってたびたび申しております。

残暑どころか先が見えない気がいたしますし、
海の向こうに広がる水平線と例えれば爽やかに感じますが、
この暑さを思うとそんな気持ちも雲散してしまいます。

この日誌をお読みいただく頃には、
過ごしやすい程度になっていると嬉しいのですが……。
現実そうもいかないのでしょうか。

さて先月の終わりに、
佐々木と共にカクテルをご用意いたしました。
当家伝統のチョコミントカクテルお楽しみいただけたでしょうか。

早速来年は新しい形も模索していきたいなどと話しておりますが、
お決まりの形というのも残してはいきたいところです。
またご用意が叶いましたら、お楽しみいただければ幸いでございます。

――

日頃書庫管理を仰せつかっておりまして、
歴史的な名著を目にする機会も多くございます。
(不勉強故、しっかりと目を通したことがないものも多いのですが)

執事歌劇団十五回公演において、
劇中劇のシーンがございました。
拝見しながらぼんやりと
「かもめ」っぽいな。などと思いました。

「かもめ」はアントン・チェーホフというロシアの劇作家の作品です。
チェーホフの代表的な作品であり、
チェーホフの最も私的な作品などと評されることもあります。

様々な作品のモチーフになりましたり、
現在も度々上演されておりますね。

当家の春の定番「チェーホフ」も、
彼の「桜の園」という作品からとって名付けたものです。

これらの作品は「戯曲」というジャンルで括られ、出版されております。
小説などと違い馴染みのないものですので、
読みづらさはあると存じますかが、
ご興味があれば試されるのも良いかと。

私としてはシェイクスピア「ヴェニスの商人」や
ブレヒト「三文オペラ」あたりが
滑稽で面白く読めました。

秋に向けて新しい作品を、
というのも素晴らしくは存じますが、
腰を据えて過去の名著をお読みになるのも
また一興かと存じます。

ちなみにお好みがあるところですが、
古典作品を読むと言えば、
岩波文庫や新潮文庫が定番ですね。

新潮文庫ですと、毎年のプレミアムカバーセレクションを
手にとってみるのも面白いと存じます。

最近ですと光文社の新訳シリーズも読みやすいところ。

話はズレますが近現代の戯曲を少しお試しになるなら、
ハヤカワ演劇文庫もオススメです。

海外古典ですと訳文自体に若干の取っ付きにくさもございますので、
お好みのものが見つかると幸いです。

私自身もまだまだ触れたことのない作品が多くございます。
何か皆様のオススメがありましたら、
お教えくださいませ。

才木

残り香

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます、才木でございます。

藤堂執事が勇退されました。
皆が各々の思いを書き連ねてはおりますので、
私もと思い立ったのですが、
結局は佐々木の申します通り、
長くなりすぎてしまいますので、
なんて枕詞を使いたくなってしまいます。

語るべき言葉を持たない、
あるいは語るまでもない、
語る必要がない。
というのもまた思い出の本質なのではと思います。

日常の中で空白を感じた時に、
寂しさを感じる部分もこれからあるのかと存じます。
ただ残してくださったものは多く、
まだ私は気づけてはおりません。

ですので今のところは。
お疲れ様でした、これからもよろしくお願いいたします。
とでも申しておきます。

暦の上では残暑のようですが、
暑さはまだ落ち着かないところです。
皆様、ご体調には十分お気をつけて。
ティーサロンでも、
ギフトショップでも。
お戻りを心よりお待ちしております。

才木

瞬く間に

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

先月は藤堂執事のお誕生日祝賀会がございました。
ご列席いただいた皆様、本当にありがとうございました。

この度はお祝いという華やかなお席であると同時に、
藤堂執事のご勇退に向けた節目ともなる会でございました。
使用人一同心を込めて準備してまいりましたが、
始まってしまえばあっという間。

個人的なことを申しますと、
始まってしまったという気持ちもございました。
去来する思い出が云々。
兎にも角にも皆様に
お楽しみいただけていれば、
そして藤堂執事にとって素晴らしいものになっていれば、
嬉しゅうございます。

さて夏は本番です!
毎年この時期は様々なことを
やらせていただいておりますが、
今年も沢山なのです!

ますば八幡とのカクテル。
7/21にご用意いたします。
ストロベリーマルガリータということで、
度数は高めなものになるかと存じます。
お召し上がりいただきたい気持ちはございますが、
ご無理のないように。

また8/22には、佐々木と。
こちらは恒例のチョコミントカクテルです。
当家秘伝のレシピですので、
お味は間違いございません。
是非お試しくださいませ。

そして7月と8月の2ヶ月に渡って、
マジクレープにて
フットマンクレープをご用意しております。
「tropical」と銘打ちまして、
夏らしいフルーツたっぷりの
さっぱりしたクレープでございます。

パティシエの計らいで、
ムースやフルーツを少し凍らせてご用意しております。
夏の暑い日にはピッタリでございます!

どの味もこだわりを持ってご用意いたします。
お楽しみいただければ幸いです。

今後もご案内出来ること、
楽しんでいただけることをたくさんご用意いたしますので、
是非ご期待くださいませ!

お戻りを心よりお待ちしております。

才木

中立

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

初夏の訪れを感じ始めたのと同時に、
今年は梅雨前線の近づくのも早いようで、
殊更雨の匂いが強くなってまいりました。

現代社会において
何かをするということは
非常に簡単でございますが、
目が覚めて地面に跳ね返る雨音を耳にしますと、
自ずと行動に制約を設けてしまうのは、
今も昔も変わらないのではないかと。
何もしない時間というのは、人に思想の自由を与えるもの。
その奔流へ身を任せるのも、
たまにはよいものです。

なので少しだけお付き合いくださいませ。

――

学生時分の教諭の教えで心に残っていることがあるのですが、それが「中立などない」ということです。

当時、私は何でもかんでもより中立であるべきだと考えておりましたので、
いたく衝撃を受けたのを覚えております。

冷静に考えれば
ある一定の主義主張がある時点で、
概念的である以上の「中立」というのは有り得ないのですから、
これは至極当然ではあります。

色眼鏡をかけて見る、などと申しますが、
物事を判断する際、
個人の道徳的規範に基づくのは
不思議ではないでしょう。

カント主義なのか、功利主義なのか。
形式的(規範的)なのか、実質的なのか
という論争はここから立ち現れてまいります。
反論はあれどこれを分かりやすく言いますと、

「結果に関わらず、私が正しいと思っていることが大事派」VS「結果がよくて、皆幸せなら何でもいいじゃん派」
に分かれます。

近年では、
マイケル・サンデルの
「これからの「正義」の話をしよう」
が流行りました。
サンデルの主張は
「共同体主義(コミュニタリアニズム)」
と呼ばれるものです。
ざっくりまとめると、
「結果の善し悪しって誰にとって?
切り捨てられる人がいていいの?
そもそも善し悪しを判断する個人って何?
生きてれば社会の色んな影響うけるでしょう?
だから絶対的に正しいことなんてないじゃん
なら皆で考え(発見し)なきゃ」
といった感じです。
本当にざっくりなので、
ご興味あれば調べてみてくださいませ。

「中立などない」という話に戻ります。
ここまでの文章にもありましたが、
物事をシンプルにする為の二極化思考が、
中立やフラットという考えの元です。
しかし色々な思想体系の発展から見ても、
常に多様化していくものであり、
かならずしも二極化は出来ません。

偏りというのは確実にあるものですから。
「中立などない」と認めることが、
多様性を認める上での出発点なのかも知れないな。

なんて当時思ったというお話でした。
「みんな違って、みんないい」
みたいなことを小難しく言っているだけですね。

結局私が思うのはいいとこ取りでございまして、
自分が正しいと思えれば、
それでいいんじゃないかというのも一つ。
でもそれだけではない、というのもまた一つ。
囚われる必要はないのではということです。

自分で自分を縛らないことが、
肝要なのではないかなどと。
まとまらないながらも考えております。

学問の出発点である哲学の目的は、
どうすれば幸福を得られるのかに
帰結するものです。
考えるという行為は、
必ず人生を豊かにしてくれます。

説教臭くなってしまい申し訳ないのですが、
気が向けばオススメです。

――

五月雨にほだされて
長くなってしまったのですが最後に。

六月の前半に、
私のフットマンケーキを
ティーサロンにてご用意いたします。

今回は「フルーツシュー」。
シンプルなシュー生地とカスタードと共に、
たっぷりのフルーツを楽しんでいただけます。
非常に初夏らしい仕上がりになりましたので、
是非お召し上がりくださいませ。

また様々楽しんでいただけるよう、
色んなことを考えておりますので!
こちらもご期待くださいませ。
お戻りを心よりお待ちしております。

才木

一息ついて前へ

お嬢様、お坊っちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

近頃は花粉も落ち着きまして、
暑さもまだそれほど厳しくはなく、
比較的過ごしやすい気候です。
とはいえ新生活の始まりや、
環境の変化もある季節でしたから、
お疲れの方も多いのでは。

そんな時、ということで、
オススメの一冊のお話です。

――

「和菓子のアン」 著 坂木司

“デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、個性的すぎる同僚に囲まれる日々の中、和菓子の魅力に目覚めていく。美味しいお仕事ミステリー!“

以前ティーサロンにて、
乾執事もオススメしておりました作品です。

非常に優しいお話ですので、
お疲れの時でもまろやかな餡の甘さのように、
身体に染み渡るのではないかと存じます。

陳腐な表現をしてしまいましたが、
特に頭を使わずに読める良質な作品です。
青春時代の瑞々しい視点と申しますか、
大人と子供の間に揺れ動くキビと申しますか。
そんな揺らぎがよく表現された文章を
目で追ってまいりますと、
気づけばページをめくっている。
そんな感覚を味わっていただけるのではないかと。

登場する和菓子も非常に魅力的ですね。
これからの夏時期のお菓子も、よろしゅうございます。
オーソドックスなところですと、水羊羹や水饅頭。
私は紫陽花というのが、見た目も綺麗で好きです。

?「フルーツ寒天もよろしいですねぇ」

サブリミナルカットインです。

朗らかな気持ちになれることは、間違いありません。
のんびりしたい時に是非。

――

ギフトショップにて!
私の! 焼き菓子! があります!

今回はペンギンクッキーではなく、
(こちらもきっとその内出ます)
チョコ生地にチョコチップを使った、
シンプルなチョコクッキーです。
私は昔からクッキーモンスターなので、自信を持って申し上げますが、
間違いなく美味しいです。

紅茶にとってもよく合います。
好みとしては、濃いめのアールグレイを。
ウヴァやアッサムとの合わせも捨て難いですね。

しっかりとリフレッシュして、
明日の糧にしてくださいませ。
お元気な姿を拝見出来ること、楽しみにしております。

才木

藤の香りと共に

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

来月の16日に、
小瀧と共にエクストラティーを担当させていただくこととなりました。
その時の新人と何かをやるというのも久しぶりです。
3年ほど前に山岡とアントワネットというものを
担当させていただいたのが最後でございます。

https://www.butlers-cafe.jp/blog/?p=17190

昔の拙い文章ですが、
当時の心持ちと変わらないものがございます。
幾年経ちましても、慣れないところですね。
先日も金澤とエクストラティーを担当いたしましたが、
私が尊敬する諸先輩方の背はまだ遠く。
果たして私の背は少しは見れるものになっているのか、
などと思うところです。

私から見た小瀧は、
非常に真面目で繊細でありながら、こだわりを持ち、
皆様に楽しんでいただきたいという気持ちの強い使用人です。
あと和風です。洋風ではありません。

5月末で給仕を許されて1年経つとのことで、
小瀧なりの感謝の気持ちも乗せた
エクストラティーに出来ればと存じます。

私としては
コンセプト文にも認めましたが、
新しい風の中に感じる郷愁がテーマです。
これからの御屋敷と、これまでの御屋敷とを、感じられるものになればよろしいかと存じます。

内容といたしましては緑茶をベースに、
新緑の季節にぴったりな紅茶を
2パターン仕上げるつもりにございます。

“人はいさ心も知らずふるさとは
花ぞ昔の香ににほひける“

意味合いはずれますが、
藤の花の香りと共に、
受け継がれる今が届けば
嬉しゅうございますね。

是非お楽しみくださいませ。

才木