文月

垣根の朝顔も咲き始め暑い日が続いておりますが、お嬢様如何お過ごしでしょうか、乾でございます。

七月は梅雨の時期が終わり暑い夏が始まり、行事としては七夕等がございますね。

また、7月は文月と申しますが由来や語源が諸説ございます。

その中でも「文被月(ふみひろげづき)」が短くなって「文月」になったという説が有力でございます。

「文被月」は文を広げて晒す月という意味がございまして、七夕に願い事や詩歌を短冊に書いて笹に飾る風習をさしております。

最近では「メール」や「LINE」等を多用し、お手紙等を書かれる方が
少なくなっていらっしゃるとか・・・

さて、お嬢様はきっと七夕に願い事をされる事でございましょう。

良い機会でございますので日頃の感謝のお気持ちをご家族やご友人にお便りをしたためられましたら如何でしょうか。

きっと、とてもお喜びになられる事と思います。

お相手の事を思いやりながらしたためる手紙の良さを今一度お考えくだされば幸いでございます。

では、お嬢様のお帰りをお待ちしております。

それぞれのカラー

隈川の日誌に灰色を選んでしまうという内容がございましたが、私もよく考えると色の趣味に偏りがございました。

私は隈川とは真逆でコントラストが分かれているものが好みでございます。

服は白と黒が多く、自室はクリームイエローとチョコレートブラウンで整えてございます。

隈川にはよく「灰色で良いじゃないですか」
とは言われますが、つい選んでしまう好みとはあるものでございますね。

私も隈川の日誌を読んで気づかされました。

これを機に他の使用人が選びがちな色も探してみるといたしましょう。

すぐ思い付くのは瑞沢は赤、黒崎は黒、の印象がある事くらいでしょうかね。

平山は…

みかん色?

好みはそれぞれでございますね。

お屋敷の雑学/参

敬愛せしお嬢様へ。
六月も既に終盤となり、今年も折り返しが近付いております。
月日の進む速さにはいつも驚くばかりでございます。
梅雨も間もなく明けましょうが、急な雷雨なども多うございましょうから、
口煩うございますが、ご面倒でも何卒、お傘はお持ち頂くようにお願い申し上げます。

さて、近々の日誌では『お屋敷の雑学』と称しまして、今さら聞くに聞けぬようなお屋敷ならではの雑学をお届けしておりますが、、、今回は「役職」のお話をお届けさせて頂きます。

使用人達の中には様々な役職を頂いておる者たちがおります。
私め時任や、椎名らが拝命しております「ハウススチュワード」。
伊織、水瀬や能見が拝命しております「セカンドスチュワード」。
大河内や香川、金澤が拝命しております「グルームオブチェインバー」。
そして、環や百合野、隈川が拝命しております「ファーストフットマン」等でございますね。

これらのお役目を頂く者は、役目に応じた色の宝石をあつらえたピンバッジを賜り、その輝きに恥じることなき働きを行なえるよう努めておりますが、
さて、具体的に其々の役割がどのようなものでしょうか。
その名のモチーフである中世欧州に於いての史実と、実際の当館での勤めの双方について、簡単にでございますが綴らせて頂きます。

「ハウススチュワード」とは、中世欧州においては『主人の命により「別館」や「城塞」などの管理を任された使用人』でございました。
多くの領館を持つ主人に代わって、その屋敷の全権を担う「代官」と言うべき者でございます。
なお、館のみならず領地ごと任される場合もございまして、その場合は「ランドスチュワード」と呼ばれるのだそうでございます。
当館swallowtailの場合は、多忙な大旦那様に代わり、お屋敷の使用人達を取りまとめる役割を担っております故
明確な権限を賜っているわけではございませんが、料飲や歌劇など各方面に経験を積みたる者たちが、次代の使用人達の支えとなるべく務めさせて頂いております。

「セカンドスチュワード」とは、大旦那様、もしくはハウススチュワードの補助を任じられたフットマンであり、トップ直属のフットマンとして実働する使用人達の実的な指導を行なう役割でございます。
当館におきましても、使用人達の指揮者として日々のお給仕や催しごとの指揮を陣頭に立って行っております。

「グルームオブチェインバー」。正直これが一番よくわからない所かと思います。
当館の某チェインバーも、問うてみたらよく分かってなかったという噂もございます。
直訳すると「客室警備係」。中世におきましては、客人の付き人や調度品の管理などを務める使用人でございましたが、
実は必要性がほぼ無い役職であり、この「グルームオブチェインバー」を設けているお屋敷もそう多くなかった様でございます。
逆に「グルームオブチェインバー」が存在しているという事自体が、そのお屋敷の財力や由緒正しさを誇示する一種のステータスとなっていた様でございまして、それゆえにこの役職に選抜される使用人とは対外的な役割を担うことが多く、最も作法や美麗さや知識に長けたものが任じられておりました。
当館においても「グルームオブチェインバー」とは多彩な技能と経験に長けた者が選抜され、様々な状況に柔軟に対応できるサポート役を担うと共に、使用人達の規範となるべく務めております。

「ファーストフットマン」は古来も現在も変わらず、自身もフットマンであると同時にフットマン達の教師となる存在です。
ちなみに時任も10年前はフットマンでございましたが、その時の私の教師は環でございました。
未だに環と相対した時は、どこか「先生」に相対するときの緊張感が微妙に残っております。

などなど、多彩な名のお役目を各自最善を尽くして務めさせて頂いております。
お嬢様方も、何かお困りのことがございます時に、胸に宝石を戴く使用人がおりましたら、何なりと頼ってやってくださいませ。

・・・ん?
「メートルドヴァンドール」?

あ、いや、もちろん知ってますよ。知ってますけど、、、、
、、、、ちょっと調べておきますね。はい。

好奇心をもって

椎名でございます。
梅雨に入り、ジメジメとした日々が続いておりますが、いかがお過ごしでございましょうか。
心なしか近年の雨は大粒で、降り方も強い傾向にあるなと感じております。
足元が大きな水たまりになっている事も多いのでお出かけの際は十分お気をつけ下さいませ。

さて、先日はお屋敷にて藤堂執事のお誕生日会が行われました。
お嬢様に囲まれ、藤堂も幸せであった事と存じます。
改めまして、私からも御礼申し上げます。

そんな会の最中、藤堂執事との思い出エピソードをご紹介する機会がございまして、
いつも藤堂執事とお土産の送り合いをしているのだという話題に触れ、その際に以前藤堂から頂いた「謎の土」についてお話しを致しました。

お茶、なのですがその見てくれから少し飲むのに戸惑い自室でディスプレイと化しているのですが、良い機会ですのでもう少し掘り下げて確認してみることにいたしました。

見た目はご覧の通りでございます。

なんと申しましょうか、ほとんど畑の土でございます。
しかしながら、こちらはお茶でございまして、とても健康に良いという代物なのです。
私の体をお気遣い下さる藤堂執事からの贈り物。
土などと言ってごめんなさい。

裏にはお茶の解説が。
なになに・・・
正式名称「チャ―ガ」和名では(カバノアナタケ)というサルノコシカケに属するキノコの一種だそうです。
主に寒い地域で白樺の木に出来るようで、最終的には宿主となる白樺の木の全ての養分を奪い取り枯らしてしまため「白樺のガン」と言われていたとの事。
凄い生命力ですね、
しかし、近年チャ―ガに含まれる成分に高い健康効果があると判明し、今では森のダイヤモンド等と称されるそうです。

さて、気になるその効果ですが、
抗がん効果や、アレルギー反応の抑制効果に血圧抑制などなど・・・
藤堂執事、高齢化する椎名の体を気遣って下さりこんな素敵なものをくださったのですね。

淹れ方は一般的なハーブティーなどと同じく、バッグに入れお湯で蒸らせばよいだけです。
実は味も、その見た目に反してすっきりと飲みやすく、むしろクセの無いお味に、香りはほぼ無臭に近いものでございました。
良薬口に苦しとは言いますが、これならば習慣的に飲むのも苦ではなさそうです。

さて今回は、ディスプレイと化していたチャ―ガというお茶に関してでございました。
いけませんね。
何事も怖がらずに好奇心をもって調べなければ・・・
反省でございます。

お嬢様も私の様に、蓋をしてしまっている事柄はございませんか?
一歩踏み込んで知ってみれば、とても素敵な出会いがあるやもしれませんよ。

それではまた。

ご存知でしたか?

八幡でございます。
6月でございますので夏服の期間が始まりました。
やはり、夏服を身に纏うとやはり夏を実感いたしまして非常に気分も高揚致しますね。

いや……….

やはり、このような文章を夏服を身に纏いながら書き綴ってみましたが、暑いのが嫌いなので全然高揚致しませんでした。

こんな日にはパティシエにかき氷でも作ってもらいましょうか。

シトロン

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます、
才木にございます。

かねてから申し上げておりましたが、
私は世界史が趣味の一つでございます。

日本史という、島国の文化との違いという面で申しますと、
やはり文化の起こり、国の現れ、そして滅んでいく様。
広大なロマンという点が引かれるところにございます。

夏というところで、
何となく思い出しますのが、
イギリスWedgwoodのカップ、
「シトロン」にございます。

シトロンは名前の通り、
正確に言うと違うものではありますが、
レモンを描いたカップでございます。

そもそもWedgwood自体が、実の所、
古代ギリシャやローマをイメージしたものであるそうで、
特にこのシトロンには、
古代ギリシャに加え、オリエント文化の潮流があるように感じます。

爽やかなブルーのお色も、
これからの暑い季節を
清涼感をもってお過ごし頂くのには、ぴったりのカップかと存じます。
私としても、夏は様々なバカンスの季節ではあるものの、
過ごしにくいものであると感じております。
ですので、せめてティーセットの上では涼やかに感じて頂き、
夏の楽しみにして頂きたいと思うのです。

梅雨に関してもそうですが、
こういった季節には対処療法的に
素晴らしいと思えるものを置いて頂くのが、
気持ちよく過ごして頂けるコツです。
紫陽花や五月雨、美しく華やかな表現が沢山ございますからね。
皆様なりの楽しみ方を
見つけてくださりますと、
使用人としては申し上げることはありません。

やはり、皆様が元気よくお過ごし頂くのが最良です。
ご提案もございますが、
皆様は皆様なりに、楽しく落ち着いてお過ごしください。

良い夏を。

才木