茶摘みの季節

いかがお過ごしですか?
伊織でございます。

日本でも5月といえば茶摘みの時期として八十八夜がございますが、紅茶の世界でもそろそろファーストフラッシュが出回る季節でございます。

ただいまダージリンはハウスブレンドのモルフォに加え、オータムナルをご用意しておりますが、お屋敷お抱えの紅茶商からファーストフラッシュの報せが届き始めました。

さてさて、今年はどのような出会いがございますでしょうか?
ダージリンだけではなく、アッサムのファーストフラッシュの便りもござました。
と、言うことは、しばらく姿を消しておりましたヴァサンティもご用意できますかも……?

まずはサンプル茶葉を頂戴して検討したいと思います。

今年もおいしいお茶をご用意できますように努めてまいります。

5月

八幡でございます。
月に1度の日誌で御座いますが書き綴りたい事が多う御座いまして、なかなかまとまらず悩む事が多々ございます。
例えば使用人とのエピソードですと杉村と浅葱とお酒を頂いたこと
水瀬と古谷と有村と私で散歩をしていたら古谷の眼鏡が飛んでいってしまったこと
他にも様々ございます。
その場合どうすれば良いかこの1ヶ月必死に考えておりました。

そこである一つの解決策が浮かびました。

最近ギフトショップの手伝いが以前にも増して増えましたのであちらの日誌も更新しようと!!!!

という事で暇を見つけてはあちらの日誌も更新していこうかと存じます。

最初は折角でございますのでオリジナリティ溢れる日誌を書き綴ることにいたしましょう。
例えばリンゴについての日誌などいかがでございますかね?

朝露

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。隈川でございます。

気がつくと一年も三分の一を過ぎ、暑さの増す中期へと差し掛かっております。
日毎めくるめく気候の変化に体調を崩してはいらっしゃいませんか。どうぞお疲れが溜まっている時には無理をなさらずご自愛下さいませ。

ところでもうじき梅雨も訪れますが、お嬢様は雨の日をどのようにお過ごしですか。

私はだいたい外に出るのが億劫になってしまい、室内で過ごすことが多ございます。

時期としては少し早いですが朝食に素麺なんかをすすりながらお部屋でのんびり。至高の時間でございます。

梅雨に輝く朝露を眺めながら頂く麺つゆの味は爽やかで夏が恋しくなりますね。

よし、今日はお暇を頂いておりますし、このまま何もせずに過ごしましょう。

無理に予定を入れず何もしない日を作るのは難しくも大切なことでございますね。

隈川

椎名でございます。

先日、冬物のコートをクローゼットにしまいました。
気づけば少し動くだけでも汗ばむようになり、あぁ、いつの間にか夏も視界に届くぐらいに近づいてきたのだと実感いたしました。

お屋敷の厨房に目をやりますと当家のシェフが夏に向けたパスタの開発に腕を振るっており、
また紅茶係の恰好をした使用人たちがお嬢様にお出しするアイスティーの入れ方について意見交換をしている姿が目に留まります。

すっと、深呼吸。

少し広がった視界の中にはいくつもの時間の流れが飛び込んできます。

執事としてティーサロンにつく傍ら、執事歌劇団として活動しておりますが、特にここ数か月は怒涛のスケジュールでございました。
これからもそのリズムは変わることはありませんが、肩の力は入れすぎず、空を眺める程度の余裕は何事にでも必要なのでございましょう。

そういえば、最近猫を探しに街に出ておりません事に気づきました。
温かくなってきたことでございますし、次の余暇の際にはふらりと街に出てみたいと思います。

5月になり、新生活を迎えた方々もひと段落したところでございましょうか。
巷では新生活に戸惑い、なかなか適応できず「五月病」という気の病に悩む人々の事も耳にいたします。
お嬢様は大丈夫でしょうか。

一般では内気で几帳面な性格や、完璧主義の理想の高い方が患いやすい傾向にあると言われております。
しかしながら近年はストレス社会とも言われ精神的疲弊は切っても切り離せないものとなってまいりました。
そういう意味では、この5月のタイミングのみならずいつでも、誰でもなり得ると考えてたほうが良いのでしょう。

この手の病には決定的な対処法や事前対策は極めて困難なのでしょうが、是非肩の力を入れすぎず、趣味などの好きなことに没頭してきてくださいませ。
きっと心身とも良い効果がございます。

ティーサロンでの落ちついた時間。
シェフ自慢のお食事。

そして、適度な運動。

・・・なんだか説教がましくなってまいりましたが、お嬢様の健康を案じてのことでございますのでお許しいただけますと幸いです。

ちなみに、睡眠もお休みの時には極端に長くとりすぎず、平日との差を短くすることで休日特有の倦怠感が軽減できるそうです。

私共使用人はいつでもお嬢様のお傍におります。

何かございましたらば何なりとお申し付けくださいませ。

それでは。

佐々木でございます

いつの間にか

葉桜の季節となってしまいましたね

佐々木でございます

春の陽射しが

心地よい毎日でございますが

昼と夜の温度差が、はげしゅうございますので

お嬢様、おぼっちゃま

体調を崩されないよう

お気をつけくださいませ。

佐々木

猫のおはなし

敬愛せしお嬢様へ。

季節は一足とびに夏の香りを含んで参りましたが、お嬢様におかれましてはご健勝であられましょうか。
当家執事が一員、時任でございます。
今宵は筆漂うままに、お屋敷の隣人のお話をさせて頂こう存じます。

かの者たちは猫にございます。

お屋敷本館の裏手に縄張りを持つ、猫たちの一団。
近隣の住民たちに愛され、ときには食料を、時には寝床を与えられて共存している、いわゆる『街猫』という存在しょうか。

身体の大きな茶虎猫をリーダーとし、錆柄や黒、灰色など数匹で共存する彼らは、暖かな日には近隣の商店の前で我が物顔に日向ぼっこを、雨の日には軒下に寄り添って、肌寒い日には通りがかりの猫好きなお方の膝を拝借してぬくぬくと、猫らしく自由奔放に過ごしているようでございます。

時任めがお屋敷裏手の別館にて『ブルームーン』を催させて頂きました頃は、その界隈を通ることも多うございましたので、彼らも事あるごとに大荷物を抱えて通過していく黒い生き物に興味を示したものか、別館の入り口から様子を伺っていることも良くございました。

その頃はまだ子猫の群れでございましたので、車の事故に遭ったり飢えたりしないよう、私もついつい世話を焼いてしまったものでございます。
・・・おかげで近隣の商店でお買い物をしたときに、よく鶏肉を巻き上げられたものでございます。

鶏肉やお魚を仕入れたときに限って、商店のすぐ前でじっと待っているので。まったくもって、子猫の頃から逞しい子達でございました。

今日ではすっかり大きく育ちましたリーダーの茶虎などは近隣の方々の愛情でふっくらと育ち、縄張りとなっている運送屋さんの手押し車の上でよくお昼寝しております。

数匹見掛けなくなり心配しておりましたが、一番身体の小さかった錆び柄の子は、運送屋さんの室内に居場所を移していたようで、暖かくなりました頃からは茶虎と並んで日向ぼっこに出てくることもあるようです。

灰色はすっかり見なくなっておりましたが、先日僅かに外れた本屋さんの辺りで見かけました。活発な子でしたから、冒険心の赴くままにお引っ越ししたのでしょうか。
この子は一度、私がドアマンを勤めておりました折に当家の階段を降りてきたことがございます。
ご予約はなかったようなのでお引き取頂きましたが、もしかするとあれはお引っ越しの挨拶だったのでしょうか。

彼らには彼らの世界があり、たくましく生きているのだなぁと。

我が膝元にてすっかり野生を忘れて溶けたように眠る駄猫を眺めながら、物思いに耽った次第でございます。