キンモクセイ

ようやく本格的に秋を感じられるようになってきました。

ふと思い出したように高い気温の日がやってきては思いがけず汗をにじませる、なんてのもこの頃の特徴ではないでしょうか。

いかがお過ごしでしょうか。

伊織でございます。

 

 

春の沈丁花、夏は梔子、睡蓮ときて、秋待ち遠しいのは金木犀でございます。

いずれも香りが特徴の花々ですが、どこからともなく香って、季節の移り変わりを気づかせてくれるというのが魅力のひとつです。

目で捉えるよりも早く香りをみつけ、次いで花はどこかと探して回る、そんな戯れが日常に変化をもたらしてくれるのが、たまらなく好きだったりいたします。

毎年のように金木犀とはかくれんぼを繰り返し、日誌にも度々登場していることと思います。

 

昨今は金木犀が香水を始め、いたるところでもてはやされているようですね。

わたくしと金木犀とのかくれんぼが、これまで以上に難しくなってしまいそうです。

霜月

鮮やかな紅葉の季節となり秋も一段と深まってまいりました。

お嬢様いかがお過ごしでしょうか、乾でございます。

 

さて、今月の七日は二十四節気の立冬でございます。

以前にもこの日が「ココアの日」である事をお知らせした記憶がございます。

その他には真冬の寒さに備えて冬支度の準備を始める「こたつ開き」の時期でもございます。

お屋敷でもそろそろ暖炉を掃除したり、薪割りをする時期となりますね。

掃除は身の軽い使用人が何人か居りますし、薪割りは当家の力自慢が何人かおりますので彼らに任せるとして私は彼らの仕事ぶりの確認と、そうそう吹雪の日などお出かけ出来ないお嬢様に読んでいただく書籍の準備をすることに致しましょう。

早速書店巡りに出かける事に致します。。

はい?何か嬉しそう?滅相もございません。

あくまでお嬢様の為の書籍をお選びするためでございます。

何か良い書籍がございましたら必ずご報告させていただきますので少々お待ちくださいませ。

 

今回はご挨拶にもございました紅葉を折ってみました。

お気に召してくだされば幸いでございます。

では、お嬢様のお帰りをお待ちしております。

第十二回フットマンティーの魅力

秋の情緒を感じる間もなく早急な冬の訪れを感じます今日この頃、

いかがお過ごしでしょうか?お嬢様、お坊ちゃま。

紅茶係の白川でございます。

そんな寒くなり始めました季節にぴったりの心温まる紅茶とそのお話をお届けさせていただきます。

それでは第十二回フットマンティーの魅力の幕開けでございます。

 

私「それはあなたにとってどの様な紅茶でしょうか?」

???「それはそう………相棒…の様なものでございますかね。」

 

相棒…?

自身の紅茶を相棒と例えるほどの紅茶とは一体何でございましょう?

相棒という言葉だけではまだ紐解けない紅茶、本日はファーストフットマンの傍ら執事歌劇団も務めます百合野のフットマンティー〝リリス〟の魅力に迫ります。

 

 

まずリリスはほうじ茶とアッサムのブレンドティーでございます。

淹れた時にそれと分かる香ばしい良いほうじ茶の香りがいたします。

ですがブレンド比率はほうじ茶の方が少なめとなんとも存在感あるほうじ茶でございます。

そのほうじ茶は、ほうじ茶好きの百合野が自身の足で探し回り、紅茶を管理いたします伊織に直談判し、使用に至ったというこだわりの品でございます。

また、ほうじ茶自体は日本食に馴染みの深いものでございますが、洋食や洋菓子にも合う様に、アッサムをブレンドしました。

百合野「ほうじ茶の魅力を損なうことなく、当家の繊細なお食事の味をぼかさぬ様、ブレンドには苦労いたしました。」

との事でございます。

おすすめの召しあがり方はもちろんホットのストレート、またアイスでもホットでもミルクとお砂糖を加えてほうじ茶ラテ風もおすすめとの事でございます。

また百合野に聞きましたところ〝リリス占い〟というものがあるらしく、リリスを淹れた時にほうじ茶が強く出るか?アッサムが強く出るか?で占うそうでございます。

ほうじ茶が強く感じられる隈川は几帳面。

アッサムが強く感じられる伊織はワイルド。

との事でございます。

リリスをご用命いただきその日の紅茶係を占ってみるのも一興かも知れませんね。

 

ここでお知らせでございます。

十一月はピスタチオ好きの百合野がピスタチオ好きのお嬢様、お坊っちゃまの為に仕上げましたピスタチオフィナンシェ〝レジーナ〟がギフトショップに登場いたします。

その名の冠する通り、ナッツの女王ピスタチオを通常の二倍使用し、ピスタチオがふんだんに香る一品でございます。

百合野がこだわり抜いたリリスと同じくこだわりましたピスタチオフィナンシェ〝レジーナ〟を手に取っていただけると幸いでございます。

 

最後になりますがリリスの名前の由来でございます。

百合野「リリスは様々な伝承、書物によって語られこの世に誕生した最初の女性とされております。

この最初の女性にちなみティーサロンにて最初にほうじ茶を使用した紅茶としてリリスと命名いたしました。」

百合野「そしてもう一つ。」

伝承にてリリスは平等を求めた為に神の怒りに触れ楽園を追われます。

百合野「窮地に立たされ周りが全て敵になったとしても私だけはお嬢様の理解者、味方で在りたいという意味も。」

 

〝リリス〟にはいつも百合野がかたわらに。

 

 

それでは次回はどのフットマンティーで御座いましょうか?

それでは次回まで、

ごきげんよう!お嬢様、お坊っちゃま。

ご挨拶

お嬢様、お坊ちゃまご機嫌麗しゅうございます。

この度大旦那様より命を賜りましてティーサロンでお給仕をさせていただくことに相成りました、片倉と申します。

緊張のあまり片倉の「片」の字が「堅」や「固」の字になっているやもしれませんが
お嬢様、お坊ちゃまが笑顔になっていただけるよう精進いたします。

それではティーサロンでお嬢様、お坊ちゃまのお戻りを温かい紅茶をご用意してお待ちしております。

Recoltes

すっかり気候面でも秋が深まり、年末へのカウントダウンが進みます。

時期柄、頭の中が漫才のネタ作りの脳になってきた能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

いよいよ全ソムリエが待ちに待った新酒の季節がやってまいりました。

今年の新酒は果たしてどのような完成度でございますでしょうか。

2022年ヴィンテージの今後の先行きを示す新酒の風味や個性。

ソムリエにとって一年の中でこれほど楽しみなことはございません。

 

11月2日深夜には今年初めて行ないます「山梨ヌーヴォー解禁祭」、

11月16日深夜には「ボジョレー・ヌーヴォー解禁」配信をいたします。

もしお時間がございましたら、盃を共に出来ますと幸いでございます。

※変更や中止の可能性もございますので予めご容赦くださいませ。

 

先日、とある機会があり睦月にワインをプレゼントいたしましたら、

驚くべきことに何と早速、本人からお返しのワインをいただきました。

贈り物を渡し合うという関係性というのは嬉しいものでございます。

 

 

コルクでもキャップでもなく、王冠というのは新鮮でございました。

ナチュール系の身体にも優しいワインで染み入るような味わいです。

微炭酸ゆえの飲み心地の快適さ、シトラスの酸味やミネラルのバランス。

グラスがすいすいと進んでゆき、瞬く間に乾いてゆきました…。

 

次は一緒にグラスを傾けながら、あれやこれやと談義したいものです。

どのワインに焦点を当てようか、今から楽しみでございますね。

冬に備え

椎名でございます。

暑かった日々が続いたかと思えば、あっという間に涼しくなって参りました。

この頃は、日増しに強く感じる寒さに、着実なる冬の訪れを感じてございます。

 

普段から公言しております通り、私はとても寒がりな体質でございますので、この後訪れる真冬の寒さが今からとても億劫でございます。

 

例年は冬を乗り切るために暖かいインナーなどを着用してございます。とても重宝しておりますのは、某ヒート●ッ●なる名称のインナーでございます。

薄手のものから極寒に耐えられる厚手のものまで種類も様々でございますが、今年は少し趣向を変えてみようかなと考えております。

 

近年アパレルとしても注目されている、働く男たち御用達のショップよりいくつか調達してみようかなと考えております。

最近は、実用性だけではなく、デザイン性の高いものも扱われておりますので、街の移動にも問題なく使えるものが多く取り揃えられているようでございます。

 

 

普段お屋敷で1日中勤めておりますと、たまに外に出ると必要以上に寒さが身に染みます。

そうなるとがんじがらめに着込んでしまえば良いのではございますが、最近は趣味で体動かすこと多くございますので、無駄に重ね着するのではなく、ある程度中は動きやすく、上着でしっかり防寒をしていく。

そういったスタイルを新しく構築してみようかと思った次第でございます。

 

…そういえばかつての使用人に、冬場ダウンジャケットの下にタンクトップだけで過ごしていた者がいたような気がしますが、それはさすがにやり過ぎでございますよね。

 

 

お嬢様方も衣替えはもうお済みでございましたでしょうか?

わずかに感じる寒さでも放置しておりますと体調不良の原因になってしまいます。

決して油断はなさらず、日々のお出かけに備えていただけますと幸いでございます。

 

それでは本日はこれにて。

読書の秋

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

月並みではございますが、
秋と言えばやはり読書。
暑さも落ち着き、程よい涼しさがやってまいりますから、
集中して物事に向かうには
ピッタリの季節にございます。

ご多分に漏れず私も、
心地よい陽気に誘われて
本を購入いたしました。
積まれていく未読の物たちに、
遠慮をしないというのがコツです。

ちょうど七月の末に
上半期の芥川賞と直木賞の受賞作が
発表されましたので、
書店では平積みで置かれておりました。

皆様はこの二つの賞はご存知でしょうか?
名前ぐらいは、という方も多いと存じます。

芥川賞は新進気鋭の作家に贈られます。
俗に純文学と呼ばれるジャンルの作品の
短編あるいは中編作品を対象としています。
新人賞というイメージが強いですが、
既刊の作品に対する賞です。
(正確に言うと、半年毎にその時期に発表された作品の中から選考されます)

直木賞はエンタメ作品の賞です。
芥川賞と違って、中堅・ベテラン作家が受賞することが多いですね。
主に長編作品の印象がありますが、
短編集の受賞歴もあるとか。

学生時分は「文藝春秋」や「オール讀物」に掲載されます
講評コメントに目を通していたこともあったのですが、
近頃は、私にとって
縁遠いものになってしまいました。

折角見かけたのだからということもあり、
手に取ってみた次第です。
特に今回の芥川賞は、
候補者全員が女性であったことが
話題になっておりましたので、
私としても気になっておりました。

というところで前段のお話は終わりです。

――

「おいしいご飯が食べられますように」
著:高瀬隼子

ノミネート2回目での芥川賞受賞。
今作は「食事」を通して人を描いた作品。
帯によりますと
「最高に不穏な仕事場小説」とのこと。

なるほど、読んでみますとこの不穏というのが
常に感じられる作品でございました。

当たり前なのですが、
生きていく上で自分の気持ちを吐露することなんて、殆どないですよね。
大半のことはどんなに違和感があっても、
抱えながら生きていくもの。

でも捨てることは出来ない違和感を
いかんともせず感じ続ける登場人物たち。
自分なりの方法で感情と付き合っていく、その姿はまさに不穏。
不確かなバランスで成り立つ日常が、
よく描かれた作品でございました。

あと個人的に面白かったのが、
冒頭数ページの視点の揺らぎ。
次第にピントがあっていくような導入が、
非常に面白く感じました。

――

気づけば冬らしさも出てきております。
皆様もお身体には十分ご自愛くださいませ。

暖かくしてお部屋で、読書。
そんな過ごした方もよろしゅうございます。
新しい季節も楽しくお過ごしくださいませ。