御挨拶

お嬢様、お坊ちゃまご機嫌麗しゅうございます。

私冴島と申します。

読み方は さえじま でございます。

この度大旦那様の命によりティーサロンへお仕えさせていただくこととなりました。

まだまだ未熟者でございますがお嬢様、お坊ちゃまがティーサロンにて御不自由なくリラックスできるティータイムを過ごしていただけるよう精一杯精進して参りますのでよろしくお願い申し上げます。

少々堅苦しい御挨拶となってしまいましたがこれからティーサロンでお仕えできることを心待ちにしております。

2022

影山でございます。
2022年もいよいよ終わりが近づいてきました。
去年の12月にトリの日誌を認めた所、トリがトリの日誌になってしまい、驚いた事を覚えています。
あれから一年が過ぎたのでございますね。あっという間の一年でございました。
お嬢様は今年一年いかがお過ごしでしたか?
わたくしはお屋敷で何年お給仕をしていても、使用人としての理想像とあるべき姿、ティーサロンでのあるべき姿、お嬢様にとっての使用人のあるべき姿、いくら考えてもいまだに答えは出ません。
ですが、一緒にいる使用人やお嬢様とこれからも共に歩き続けたいと存じます。

『笑顔をお届けしたい』

シンプルではございますが、この想いだけはこれからも変わりません。

お嬢様、今年も一年間誠にありがとうございました。

今年もお世話になりました。

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

月日が過ぎるのもあっという間、早いものでとうとう年末でございますね。
まもなくお仕舞となりますが、今年はいかがでございましたか。

人生とは、幸福と不運で彩られた塗り絵のようなもの。
以前にこんなことを聞いたか読んだかしました。
残念ながら、誰の言葉かは失念しましたが。

あくまで個人的な経験から申し上げますが、面白いもので、一年を通じてみてみますと、吉と凶の出来事はちょうど半々くらいやってくるようでございます。
とりあえず、今年の不運は来年に持ち越さず、新しい年に必ずやってくる幸運に希望を抱くのが、年末の心構えとしては、正しいようでございますね。
皆様方の来年の吉凶は、わずかでも吉が上回りますよう、心よりお祈りいたします。

私と致しましては、笑顔を忘れずに、無事にお屋敷で働き続けることができまして、とても幸運でございました。
たくさんのお嬢さま、お坊ちゃま、そして、奥さまと旦那さま。
楽しい一年をありがとうございます。

 

では、師走は何かと気忙しゅうございますが、クリスマス、そして年越しなどのにぎやかなイベントは、どうか楽しい気分でお過ごしくださいませ。
ただ、あまりご馳走を食べすぎないよう、ご注意は決してお忘れなく。

第一三回フットマンティーの魅力

寒さも厳しさを増し、年の瀬の迫る今日この頃、いかがお過ごしでしょうかお嬢様、お坊っちゃま。
ティーサロンではクリスマスディナーやカウントダウン配信、ギフトショップではクリスマスフェアーなどイベント盛りだくさん。
今年もあともう少し、それまでお付き合い下さいませ。

 

それでは参りましょう。

今年を締めくくる第十三回フットマンティーの魅力の幕開けでございます。

 

私「それはどの様な紅茶でございますか?」

??「それは香りの複雑さと奥行きを楽しんでいただきたいジャスミンティーでございます。」

 

香りにこだわった紅茶?
そう紅茶は味だけではなくその香りも楽しむもの。
香りにこだわり、かつ大いなるヒント、ジャスミンティーである。

お分かりいただけましたでしょうか?

本日はフットマンティーの魅力、二回目の登場。満を持して執事歌劇団メンバー、脚本家、紅茶の管理を務めます伊織の〝姫睡蓮〟の魅力に迫ります!

 

〝姫睡蓮〟の香りとは?

それでは姫睡蓮の香りとブレンドの秘密に迫りましょう。

まずジャスミンティーは厳密にはジャスミンの香りを付けました中国の緑茶でございます。
そんな姫睡蓮をホットで淹れた時にまず感じるのはスパイシーな香り。
その元はアニスシードと呼ばれ、料理や茶に幅広く使われるアニスという植物の種子でございます。

八角に似たスパイシーな香りの後、ジャスミンを感じその後に感じる花々の香り。
薔薇のローズペタルと甘く優しいコーンフラワーの香りを感じていただけます。

アニスシードでアジアン、ローズペタルとコーンフラワーでヨーロピアンな雰囲気を感じていただける緑茶。
それが〝姫睡蓮〟なのでございます。

その綺麗な黄金色の水色をした緑茶の味は芳醇な香りとは裏腹に清流のような渋みの少ない飲みやすい紅茶でございます。
ほのかに感じます甘味は砂糖の二百倍から三百倍甘いと言われますステビアを少量ブレンド。

おすすめの召し上がり方はもちろんそのままホットで。また伊織に特別な淹れ方を教わりました。その淹れ方はいたって簡単。

伊織「ピッチャーなどに氷をたっぷりと入れていただき、そこに姫睡蓮を入れます。」

私「はい、してそのあとは?」

伊織「以上でございます。」

私「!?!?!?」

私も初めて知ったのですが、なんでも茶は熱湯で淹れる事によりその魅力でもある渋味が生まれるそうでございます。
ですので、渋味を抑えるためにはいかに低温で紅茶を淹れるかがポイントでございます。そして世にある水出しを超えた究極がこの〝氷出し〟でございます。

渋味に隠れておりました複雑な味わいと氷出しで引き立てられました茶葉本来の甘さが絶妙との事でございます。
召し上がる際はティーストレーナーでこして召し上がって下さいませ。

 

ここでお知らせがございます。

十二月は冒頭でもお知らせしました通り、様々なイベントをご用意しております。
その中でもギフトショップにてクリスマス商品として伊織が手がけましたものを二品ご紹介させていだだきます。

まずはクリスマス仕様にアレンジされました伝統のケーキ、ナポレオンパイ〝ユールタイド〟でございます。
サンタ帽に見立てた苺の帽子の雪だるまが大変可愛らしく、サクサクのパイ生地に伊織リクエストのたっぷりの苺とデュプロマット(生クリームとカスタードを混ぜたもの)をはさみました。
シンプルながらも苺、デュプロマットとサクサクのパイが奏でるハーモニーが大変素晴らしく美味な一品でございます。

もう一つは毎年恒例の伊織が手がけますクリスマス紅茶〝スターブライト〟ハチミツのフレーバーティーでございます。
私も試飲しましたがハチミツの甘い香りが心が落ち着き穏やかにさせ、冬の澄んだ夜空の星々を眺める、そんなシーンにぴったりな紅茶でございます。

是非、皇帝ナポレオンの名を冠しました伝統菓子ナポレオンパイの〝ユールタイド〟と
星型の金箔を散りばめた贅沢な紅茶〝スターブライト〟を合わせて手に取っていただけると幸いでございます。

 

最後になりますが〝姫睡蓮〟の名前の由来でございます。

睡蓮は別名ヒツジグサとも呼ばれ未(ヒツジ)の刻(午後二時)頃に花開く事からその名が付けられました。
ですが実際の開花時間はまちまちで開花が見られない事もしばしば。

伊織「澄んだ水面に浮かぶ綺麗な睡蓮の花。いつ会えるとも分からない…手を伸ばしても届かない…そんな情景を思い浮かべて命名いたしました。」

あとは〝姫〟を足せば…………。

もうお分かりでございますね?

 

伊織をはじめ、当家スワロウテイル一同は〝姫睡蓮〟のお早いご帰宅をお待ちしております。

 

それでは来年はどのフットマンティーにいたしましょう?

それでは良いお年を!

お嬢様、お坊っちゃま。

メッセージカードにつきまして

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様、お坊ちゃま。
執事喫茶スワロウテイルの諏訪野でございます。

この度当家フットマン、雛森の旅立ちにあたり、本人の体調を鑑みメッセージカードのご依頼はご容赦いただきますようお願い申し上げます。

誠に恐縮ではございますが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

Pasta Del Sol

稽古を頑張った後のご褒美であり、やがてその味が癖になり、気づけば…

「今日もいかがでしょう?」

なんてその昔、一部の使用人が愛してやまなかったお味がございます。

そして、中でも私が大好きだったパスタ。

それが
『クリームジェノベーゼパスタ』でございました。

お嬢様。
今月の18日、19日に私ご提案のパスタセットをお届けさせていただきます。

 

今回は、私が考案しお届けする味わい、というわけではなく「思い出の味」としてご提案をさせていただきました。

個人的には大変好みの味わいでございまして、どうか是非お楽しみいただけましたら幸いでございます。

私の頑張った後のご褒美の味を楽しんでくださいませ。

それでは、ティーサロンでお待ちしておりますね。

百合野

トーナメント

敬愛せしお嬢様へ

瞬く間に秋から冬へと気候が移りゆき、コートはもちろんのことマフラーや手袋のお仕立ても急ぐべき寒さにございます。

お気に入りのものが見つかれば良うございますが、叶わぬようであればいっそお抱えデザイナーたちに命じましてお嬢様用のデザインを作らせた方が早いのかもしれません。
どうかご検討くださいませ。

さて、暦の進みも早いもので、このお手紙が御許に届く頃には年越しも見えてきてる頃でございましょう。
お休みの時期は本家に戻られますか?あるいはご別宅でゆっくり過ごされますか?
いずれにしても、お正月休みというのはお暇を持て余すものでございますから
珍しく時任もおすすめの映画などお伝えしてみることに致しましょう。

他の皆のように映画への造詣がございませんもので、ややライトなものではございますが
20年ほど以前の古き娯楽映画「ロック・ユー!」を此度はお薦めいたします。
中世英国の騎士たちの物語でございまして、当時の騎士たちや貴族たち、平民たちの暮らしも垣間見える楽しい作品でございますが、
一風変わったことに、騎士の物語と言ってもこの映画は戦争映画でもなければドラゴンを倒すお話でもございません。

この映画はスポーツ青春物語でございます。

既に「??」マークがお心に浮かんでいるかと存じますがお聞きください。
中世騎士たちも24時間365日戦争をしていたわけでもドラゴンを狩っていたわけでもございません。そも中世とて平和な時期の方が長かったわけでございまして。
そんな中でも騎士たちは互いの武芸を鍛え、それを競い讃えあうために「トーナメント」という競技を盛んに行っておりました。

英国各地の貴族階級・騎士階級を持つものたちが一堂に集い、試合として武芸を競い合う、
各貴族の名誉を賭けた一大イベントだったようでございます。

小剣や大剣での勝負や、弓や乗馬の技量など様々な種目があったようでございますが、
どれよりも花形と言えるのは、騎兵槍という3メートル前後の長大な槍を持って馬に乗り、
互いに向き合って愛馬を駆けさせ、槍を見事に相手の騎士に命中させようと競う、
そんな勇猛な競技でございました。

と言ってももちろん槍の穂先は刺さらないよう潰され、槍の素材も金属ではなく柔らかい木製とされ、相手の体に命中すると槍が砕けて衝撃を緩めるような仕様ではございましたが
それでも訓練された戦馬同士が駆け、金属の全身鎧を着た騎士が吹き飛ぶようなこの派手な競技は、娯楽が少なかった当時の英国にとってはそれこそ今日のワールドカップのように大人気の催しでもございました。

名誉に憧れ、そんな「トーナメント」へと挑戦した1人の若者。
彼を支える個性溢れすぎる仲間たちや、貴婦人との恋、火花散らす宿命のライバル、生き別れていた肉親との再会など、ちょっとした少年漫画かのような王道の熱い物語がお楽しみ頂けます。

ぜひご覧になってみてくださいませ。

余談ですが、時任個人としてはこの映画に出て参ります「紋章官」という役割の者たちが興味深うございました。
以前から貴族に関する知識の専門家として「紋章官」という存在がある事は知っておりましたが、具体的に何をする人なのか良く解らないままでおりましたので、この映画内にて活躍しておりますのでそちらもご注目くださいませ。

 

どうか、良きお休みをお過ごしいただけますように。

 

 

‥私ども使用人の方は、お休みがあるのかどうか、まだちょっと疑わしいところですが。