出会い

 温かくなってまいりますと、いろいろなものが姿を現します。
花や、小鳥たち。
春という香りが、まだほんのり冷たい、だけど確かに柔らかな風と共にやって参ります。

先日、散歩中に新たな出会いがありました。
とある家の軒下に設置された空調の室外機の上に、ちょこんと鎮座したネコが一匹。
毛色は黒だか茶だか、なんだかよく分からないマーブル模様のネコ。
ぶすっとした表情で、明後日の方を見つめております。
半分野良なのか、口の周りはパサパサとしていて、決して愛嬌の良さそうな顔はしておりません。

それを見て、直感で命名した私は、そのネコに声をかけました。
「おい、ボロ?」

『!』

カッと目を見開き、-心外な!!-っといった様子で私をにらむボロ。
しかし、すぐその事もどうでも良くなったのか、目を細め座り直します。

触らせてくれるかもと、私は手を伸ばしました。
首もとあたりに触れようとした・・・その時、ボロは座ったまま器用に、私との間に距離を取ります。

・・・・・?

気を取り直して、再度頬にあたりに手を伸ばす。
しかしボロ、はボクシングなどで言うところのヘッドスリップというテクニックを駆使し私の拳・・・もとい手をかわすのです。

-気安く触んじゃねーよっ-
っと言わんばかりに、私をひと睨み。
気を悪くしたのか
「げー」
っとひと鳴きしてその場から立ち去ってしまいました・・・

・・・にしても猫の口から「げー」と言う鳴き声・・・・

まあ、初めの出会いはこんなものでございましょう。
コレからゆっくりと関係を築いていこうと思います。

お嬢様方もこの季節、様々な出会いがございましょう。
しかし焦りは禁物。
知るのも、知ってもらうのもゆっくりと。

素晴らしい出会いが訪れることを祈っております。