九里・四里・八里・十三里?

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

いよいよ秋も本番でございますね。
先月に続いて、また食欲の秋にちなんだお話でもしたいと存じます。

時は寛政、江戸に登場した焼き芋屋さんは、“栗より(九里四里)うまい十三里”という惹句を広めたそうです。
ちょうど、産地である川越が、江戸から十三里ほどにあったので、言葉遊びとしてさらに洒落が効いています。
狙いは当たり、江戸っ子たちには大いに人気を博した、とか。
そのことから、今月十三日は「さつまいもの日」に制定されております。

・・・しかしながら、こんなお話も。
江戸に先がけ、初めて焼き芋を商うお店が登場したのは、宝永の京の都。
その看板に記してある文字は“八里半”。
当時、さつまいもは蒸し芋で食されていたようなのですが、焼いたさつまいもが栗の味に似ていたことから「栗(九里)にはやや及びませんが」という洒落で「八里半」と名づけた、ということのようです。
こちらも、都の人に大人気だったようでございますが、やはり、さつまいもは栗よりも格下に見られていたように推察されます。

どうやら、栗とさつまいも、どちらかが美味しいかは、江戸時代から関心の的だったようでございます。
まるで、今日のご当地グルメの争いを見るようです。
昔から人々の食にかける熱い想いはあまり変わらないものなのですね。

というお話から、今月前半のフットマンアイスをご紹介させていただきます。
司馬がプロデュースいたしました「メープルマロン」アイスクリーム。
かつて、二回ほどご提供させていただいたメープルアイスに、旬のマロンの粒を忍ばせまして、いささかグレードアップを図りました。
メープルシロップの優しい甘さに、秋を感じさせる栗の味わいは、相性抜群。
以前の味を覚えていて、お気に召された方。
もちろん初めての方も、ぜひ一度お試しくださいませ。

 

さて、奇しくも同時期に提供されるフットマンケーキは、八幡がプロデュースいたしました「2色のさつまいものモンブラン」。
というわけで、江戸時代から続いております、由緒正しき「栗VSさつまいも」の味合戦の再現でございます。
双方をお試しになって、どちらかに軍配をあげるかは、お嬢様ご自身でございますよ。