宝塚歌劇雪組 夢介千両みやげ

今の暗い世の中で本当に楽しい山手樹一郎の夢介千両みやげ。ものすごい悪人が出ない物語です。

桜満開の東海道を股旅、三度笠姿の夢介という若者がのんびり江戸へと向かうところから物語が展開します。

夢介は小田原の庄屋の息子で、父親から千両をもらい道楽修行へ出かける途中、旅姿の女に声をかけられます。
悪い男につけられているため、今夜だけ一緒に泊まってもらえないかとの頼みに、これも道楽修行の一つと、女と宿場を同じくするのでしたが、その女はオランダお銀と呼ばれる名うてのすりで、田舎者の夢介を狙ったのでした。

翌日金を盗まれたことを知った夢介は、怒るどころか百両をお銀に渡してしまいます。
夢介の朴訥で底抜けな優しさに触れたお吟は一目ぼれ。江戸に付いた夢介は世話を焼くお吟と同棲生活を始めます。

そこに飛脚問屋の伊勢屋の若旦那に遊びを教えてもらい…。

今作品は雪組の大劇場での2作品めの公演で、夢介は彩風咲奈、相手役のお銀は朝月希和。とてもとても楽しいミュージカルです。
彩風のすっとぼけた表情がまた素敵です。努力した感じが伝わってきます。
お吟の朝月希和は堂々としています。2020年に「マスカレード・ホテル」では捜査のためホテルに潜入する主人公の刑事と信頼関係で結ばれてゆくホテルマンの役を的確に演じ楽しませてくれたのを思い出します。

このような二人のトップの雪組が次回にはどんな表情を見せてくれるのか期待です。
兎に角このミュージカルは嫌な日々を吹き飛ばしてくれる楽しい芝居です。
東京宝塚劇場で6月12日まで上演されています。
是非是非ご覧になりまして、楽しいひと時をご自分の物にして下さいませ。

それでは本日はこのあたりで失礼します。

藤堂でした。