黄昏の国

司馬でございます。皆様、お健やかでいらっしゃいますか?


十月となりました。夕闇が訪れる時刻も早まり、秋も深まっていくばかりでございますね。日暮れの影が伸びていく時、どこか哀愁じみた趣を感じるようになってまいりました。朝夕、肌寒さを感じる日々でございますが、どうぞお風邪をお召しになりませぬよう、ご自愛くださいませ。


―「10月は黄昏の国」。

どこかでそんな言葉を聞いたことがございまして、脳裏に鮮烈に焼きついておりました。なんとも詩情に溢れ、秋の空気感を端的に表現した言葉に感じられます。

あらためて調べてみると、アメリカの作家、レイ・ブラッドベリの短編集の題名でございました。原題は「The October Country」というものですので、それを“黄昏の国”としたのは、実に名訳ではございませんか。

作品で取り上げられるテーマから、SF小説家として紹介されることの多いブラッドベリでございます。どちらかというとハードで最先端のトピックをあつかったSFというより、幻想小説に近い作風に思われ、高名といえども食わず嫌いの小説家でございましたが、俄然、興味がわいてまいりました。

申し上げるまでもなく、秋は読書の季節。丹念に編まれた短編集は、もとより大好物でございますので、早速、一冊を取り寄せて秋の夜長の楽しみにしたいと存じます。

どうぞ、お嬢様方も、静謐で知的な興奮に満ちた読書の時間をお楽しみくださいませ。


この季節にふさわしく、パンプキンパイとアップルタイザーを読書机にそっと置いておきます。文字を追うのにお疲れになったら、軽くおつまみになるのもよろしゅうございましょう。


・・・もちろん、食欲の秋でもございますので。
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