睡眠法

敬愛せしお嬢様へ
ドアを守っておりましたら喧しく蝉が鳴いておりまして、夏も本番だなぁと感じる日々でございます。
食が細くなりやすい季節にございますれば、少食なりともお食事はちゃんと三食お摂り頂くようお願い申し上げます。

さて、この季節にもうひとつ不足しやすいのが睡眠でございます。
暑さによる寝不足やストレスによる不眠、眠りの浅さ。
これらは著しく健康と美容を害する天敵でございます。

なので今宵は、眠れなくなりやすいお方のために。
人聞きではございますが、強力な睡眠法をお届けいたします。
なお、伝授元は某国軍隊です。海兵隊の猛者や鬼軍曹も天使の無邪気さで寝てしまうそうですので、是非お試しください。

1.軽い運動が大事

睡眠前に軽い運動を行うのは、よく寝る上で大事でございます。
ただ疲労するのではなく、眠る前に体をほぐしておくことで、休息の効率を著しく上げることが出来るそうです。
寝る前はもうクタクタで動きたくなーいなんて時も…
いや、むしろそういう方こそ睡眠前の運動はした方が、翌朝に疲れがスッキリ取れるようでございますよ。

運動の内容ですが。まぁ何でも構いません。個々にとって適度なものが一番です。軽い柔軟体操ぐらいが丁度よろしいでしょうか。
私のおすすめは次の項目のこともあり「お掃除」です。
バタバタバタッと、どこか気になったところを全速で掃除すると適度に運動になり達成感があって良うございます。

2.環境は大事

おやすみなるお部屋、特に寝床回りはしっかり整えましょう。
まさかそんなことは無いと思いますが、例えば敷いたままのお布団でも、ばたばた叩いからシーツをピンと張り直すぐらいは致しましょう。
空気を入れ替えて、枕をしっかり整えて、他お部屋で気になるごちゃごちゃしたところも綺麗に片付けて。
スッキリした環境で眠りにつくことはよい睡眠にはマストでございます。

3.体を冷やしてお腹を暖めて

夏の睡眠を阻害するのはとにかく暑さ。
しかしただ涼しくすれば良いかと言うと、そうでもなく。
クーラーを効かせた部屋で涼しくお休みになるのは快適でございますが、社会勉強中の御身には電気が優しくありませんし、クーラーの冷気でお体の調子を崩してしまうことも多いようです。

夏の夜に良いのは、伝統ある扇風機。サーキュレーターなどもようございますね。お財布にも優しいようでございます。
クーラーなしではぬるい風が回っているだけ…なんて言う方も多うございますが、お休み前に軽くシャワーを浴びていただくか、ご面倒なら濡らしてよく絞ったタオルをご用意いただいて肩などに広げて掛けてから扇風機を浴びてみてくださいませ。
ほっとする涼しさをお楽しみ頂けると思います。
そのままお眠りになるなら、扇風機は首振りにしてくださいませ?
うっかり固定状態で風を浴び続けながら眠ると、時任のように真夏の熱帯夜に凍えて目を覚ますことになってしまいますよ。
また、それでも暑いときは氷枕や保冷剤を用いて枕に添え、首筋や後頭部を冷やしますと眠りにつくのに良うございます。

ただし。

どんなに暑かろうと、タオルケット一枚でも良うございますから、
お腹はしっかりガードしてくださいませ。
眠るときにお腹は暖めないと、体調を大きく損なう。これは古来日本から米国海軍まで共通の教訓のようでございます。

4.リラックス

さて、諸々準備が整いましたら、眠りにつくといたしましょう。
しかし、眠りに落ちるのが苦手な方は、ベットに入る前に儀式がございます。
いえ、何をするわけでもございません。と申しますか何も致しません。
お気に入りのソファーでも椅子でも構いません。一番リラックスする場所に体を落ち着けて頂き、そこで全身の力を抜いてください。

ああ、この頃には爺やも眠っておりましょうから、姿勢なんか気にせず良うございます。
だらりと溶けるように全身の力をお抜きください。

リラックスし辛い方は、こんなイメージ思い描きながら力を抜くと良いそうです。
・クラゲに変身してきれいな海の中をたゆたっている。
・全身がバターのようなものになり、暖まって溶けていく。

なんかリラックスしきれない?
では、具体的にどこの力が抜けていませんか?
なかなかリラックスできなかったら逆に、肩や腕、背中、お腹、脚というように、一ヶ所ずつ思いっきり力を入れていってみましょう。
力をグーーーっと入れたら、一気に力を抜いてだらーんとします。
そしてまた、次の場所に力を入れて、まただらーんとします。
力を抜ききれていないところに、これを繰り返していくと、段々体をリラックスさせることができます。

5.準備万端。眠りを貪りましょう。

こうしているうちに眠気が差してくるかもしれません。
もしくはだらっとしてきて、もう動くのも面倒になってくるかもしれません。
成すべきことは全て成しました。寝床にお入り頂き、すべてを忘れてお休みくださいませ。

お休みなさいませ、お嬢様。よい夢を。