クラゲ

敬愛せしお嬢様へ。
9月も末が近うございますのに、真夏のような日々が続きます。
昼夜の温度差も大きゅうございますゆえ、お体の調子を崩されませんようご自愛くださいませ。


さて、時任はといえば。
先日、ふとしたお出掛けのついでに、某水族館に行って参りました。
夏の日差しを避けて迷い込んだ場所はとても涼しげで、
ペンギンやイルカや大小の魚類と戯れて参りましたが、
特に目に残りましたのは、クラゲたちの展示された一角でございました。

この水族館は全体が、光や映像の技術によって演出がなされており、
空間として大変美しい箇所が数多くございました。

クラゲという生き物はもとより大変種類が多く、長大な触手を白髭のように漂わせるもの、妖精のように小さく輝くもの、雲のように不定形にたゆたうものと、多彩な姿を見せるクラゲたちが多彩な光に染められたその部屋は、たいそう幻想的でございました。

どれだけの時をそこで過ごしたかはわかりません。
あまりに心地よく、少しうたた寝をしていたかもしれません。

お嬢様がたも、ちょっと気分を変えられたいときなど、ふらっと水中の世界へ足を運んでみられるのもよろしいかと存じます。

追伸
なお、この水族館へ足を運ばれる場合、ドレスアップはほどほどが良うございます。特に足元は鉄壁の防御をなさってくださいませ。