後輩

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

この時期になると、一年間の様々な催し事やそれを共にした使用人仲間たちのことを思い出します。

気がつけば私にも沢山の後輩ができました。

皆優秀な後輩だらけで、私なんかが先輩を名乗るのは少し恥ずかしくなってしまう程でございます。

思えば、私を育ててくれた先輩たちはそれぞれ性格は違えど、ときに優しく、ときに厳しく凛と指導してくださいました。

正直に申して、自分があんな風になれるようには思えません。

ならば、せめて私が持っていて彼らが持っていないものを惜しみなく差し出し、逆に彼らから学べるものは感謝しながら学び、共により良い使用人を目指していけるよう努めることにいたします。

例えば上手なつまみ食いの方法ですが、まずはパティシエと取り引きを。

冗談でございます。
本年も宜しくお願い致します、お嬢様。

隈川