冬の気配

司馬でございます。

皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?
ついこの間まで汗の吹き出すような暑さすら覚えておりましたが、すでに朝夕肌寒く、冬の気配すら忍び寄りつつあるようです。
ここ数年、秋が短くなっているように感じられます。
皆様におかれましては、その短い秋を存分にお楽しみいただけましたでしょうか?
私は寒さが大の苦手でございまして、できれば自室の暖炉のそばの安楽椅子に坐り、ゆれめく炎をただ眺めていたいのですが、そうそう怠けてばかりもいられません。

冬の美点といいますと、まず食べ物が美味しくなるということでしょうか。
たとえば、鍋物、おでん、シチューなどなど。
寒い夜にふー、ふー、と息を吹きかけながら、熱々をいただくのは冬の醍醐味の一つと申せましょう。

さて、気の早い話ではありますが、そろそろクリスマスの飾りつけをしなければならない時季でございます。
今回も藤原はじめ、一同でツリーの装飾を行います。
各務は、卓上のベルのリボンをクリスマス仕様に結び直しております。
使用人全員が、皆様方を楽しませようと一生懸命になっている姿は、とてもたのもしいものでございます。
お屋敷が緑や赤に彩られるこの季節は、寒さが嫌いな私でも、なにか胸の奥に暖かなものが点ったようで、心が浮きたってまいります。

おや、厨房をのぞいてみますと、新鮮なハマグリが届いておりました。
では、これで熱々のクラム・チャウダーでもつくり、フットマンたちを労うことにいたしましょうか。
くれぐれも舌をやけどしなければよろしいのですが・・・。

お嬢さま方にも、素敵な冬が訪れることを、心より願っております。
では、今回はこの辺りで失礼いたします。