シンガポールの夜

敬愛せしお嬢様へ

冬の息吹は増すばかりで留まる事を知らず
コートの襟を搔き合わせましても凍えを抑えられぬ日も多い事と存じまする
どうかお身体冷やしませぬ様、お出掛けからはなるべく日のあるうちにお戻りいただき
暖かきお部屋でお過ごし下さいませ。

さて、先日は山岡と共に、お嬢様にクリスマスカクテルをご用意すると言う栄誉を浴しまして
ありがとうございました。

ホットサングリアに温めたスパークリングワインを注ぐという異色の品でございましたが
楽しんで頂けたなら幸いでございます。

さて、何故スパークリングワインを温める等と言う暴挙に考え至ったのかと
そのようなご質問をよく頂きますが
これは遠くシンガポールに参りました時の体験に基づいてございますゆえ
そのお話など綴ってみましょう。

ご無聊の慰めにでもなれば、何よりでございます。

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