春ですね。

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?

4月となりまして、春らしい陽気も続いております。
なにか、気持ちも浮き立って参ります。

春といえば、新たなるスタート。
そして、その景色には桜がつきもの。
と思っておりました。

おぼろな記憶をたどってみますと、司馬がいまだ少年の頃、4月のカレンダーの画像に用いられていたのは、満開の桜でございました。
入学式の記念写真も、花盛りの桜を背景に撮影をしていたような気がいたします。

昨今、環境も変わってまいりまして、桜の開花はどんどん早まり、いつしか三月の末となりまして、花吹雪は新生活の始まりを彩るものではなく、年度の締めくくりを象徴するようになってきたようでございます。
なにか、複雑な思いがいたしますね。

とはいえ、華やかな桜の景色を欠いたとしても、やはり春は春。
皆様方の中には、いろいろと新たな始まりを迎える方も多いことかと存じます。不慣れな環境に戸惑われておいでではないかと案じておりますが、新たなる生活に幸いが訪れんこと、切にお祈り申し上げます。

まあ、あまり肩に力を入れすぎずに、万が一、お疲れになった時は、どうぞ息抜きにスワロウテイルに足をお運びくださいませ。

のどかな春の陽気とともに、司馬はいつでもお待ち申し上げております。

今年も。

司馬でございます。

皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

 

 

ようやく、春本番の温かさを感じられるようになってまいりました。

“春眠暁を覚えず”という言葉のように、午睡の誘惑に敗北してしまいそうですが、お嬢様方と同様、私も日々の紅茶で目を覚ましていきたいと存じます。

とはいえ、冬の寒さが不意に戻ってくることもございますので、まだまだご油断なく冬の名残に立ち向かってくださいませ。

 

 

 

3月、といえば今年もスワロウテイルの開館記念日が訪れてきます。

ここ数年、いろいろと困難な時勢が続いておりますが、また無事に記念日を迎えることができ、ただただうれしく、感激を言葉にすることも難しゅうございます。

 

 

 

お嬢様やお坊ちゃま、そして奥様と旦那様。

心より感謝の想いをお伝えいたします。

ありきたりな言葉ではございますが、いつもありがとうございます。

皆様方がサロンにて憩いの時間を過ごされていらっしゃるのを、司馬はいつも見守ってまいりました。

いつも絶えることなく笑顔を浮かべていらっしゃる、お優しい主にお仕えできる幸いは、とても得難いものなのだと、しみじみと思い返しております。

 

 

 

良き香りと深い味わいの紅茶、おいしいお食事、そして楽しい語らい。

そんな日々をこれからも積み重ね、また輝かしい記念日につなげていきたいと存じておりますので、どうぞこれからも末永くスワロウテイルをよろしくお願いいたします。

 

 

 

では、アニバーサリーのお食事と趣向を、どうぞ本年もご期待くださいませ。

 

冬も、まだまだ楽しめます。

司馬でございます。

皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

二月となりまして、梅の花が咲くのも待ち遠しくなってまいりました。

とはいえ、しばらく冬の盛りは続くようでございます。

寒い時期には、やはり鍋料理がよろしゅうございますね。

“二番煎じ”という落語がございます。

家事の多い江戸の冬。

夜回りをすることになった町の旦那衆でございますが、やはり厳しい寒さには辟易して、寄り合い所で人目を忍びつつ、猪鍋を囲んで一杯やりながら暖をとります。

名人の手により、その様子が見事に描写されますと、ついつい私も食欲を刺激されて、親しい仲間たちと、ざく切りの葱をたっぷり入れた味噌仕立てのボタン鍋に箸を伸ばしてみたくなります。

江戸の情緒が巧みに織り込まれた傑作の一つではないかと存じます。

とはいえ、この時節では、大人数で鍋を囲む楽しみも、おあずけでございますね。

では、時代劇小説の大家である池波正太郎氏の作品や随筆でよく登場する“小鍋立て”という趣向はいかがでしょうか?

一人から二人用の小さな鍋に、入れる具はあまり多くせず、せいぜい三つか、四つ。

煮えるそばから口に運ぶというもので、有名なところでは、大根の千切りとアサリのむき身を合わせたお品がございます。

アサリの風味が移った熱々の大根に、山椒をふりかけ、ふうふうと吹きながら食しますと、冬の寒さもなかなか良いものだと思わされます。

私見ではございますが、冬の寒さは、食材を美味しくさせる効果があるような気がいたします。

では、皆様方。

春の訪れまでもう少し。

お体を冷やさないようご自愛しつつ、まだまだ続く冬の楽しみを満喫なさってくださいませ。

トラにまつわる四方山話

司馬でございます。

明けましておめでとうございます。

謹んで、迎春の慶びを申し上げます。

今年は寅年。

トラといえば、強靭で勇猛、かつ、しなやかな体躯が魅力的な動物でございますね。

司馬の好きな映画の世界でも、その印象を生かしたキャラクターが多く登場いたします。

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』では、“リチャード・パーカー”というトラが重要な役どころでございました。

その他、思いつくままに挙げてみますと、『007は二度死ぬ』に登場するスパイ組織のトップは“タイガー田中”。

黒澤明監督作の『用心棒』の敵役の一人は“新田の丑寅”と名づけられております。

往年の冒険映画では、たいてい、ヒーローが猛虎と格闘する場面があったものです。

おや、気がつけば、アクション映画のご紹介コーナーのようになってしまいました。

反面、トラにはネコ科特有の優美さや、愛嬌もございます。

『くまのプーさん』には、“ティガー”という元気なお調子者が登場します。

ぬいぐるみではございますが、おそらく、世界で一番人々に知られている一頭でございましょう。

・・・ちなみに、司馬が一番愛するトラは、『男はつらいよ』シリーズの“フーテンの寅”こと車寅次郎氏でございます。

では、皆様方。

これから寒さもますます厳しくなってまいります。

おめでたい新年ではございますが、お体をご自愛の上、トラブルなき日々をお過ごしくださいませ。

本年も何卒、よろしくお願い致します。

振り返れば。

司馬でございます。皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

早いもので、もう十二月となりました。今年も様々なことがございましたが、私は愉快な仲間と、お嬢様方を始めとするお優しい方々に囲まれて、笑顔の絶えない良い一年でございました。まずは喜ばしいことでございまして、司馬は果報者にございます。

皆様方は、いかがでございましたか?良い一年だった、とお思いでしたら、それは私にとりましても、とてもうれしいことでございます。
もしも、いま一つ、と感じられたのでございましたら、お仕えする身として、力不足を嘆くばかり。
少しでも気晴らしになればよろしゅうございますが、ここは、“年忘れ”という便利な言葉を改めてお送りしたいと存じます。過ぎ去ったことなどきれいさっぱりとお忘れになりまして、希望に満ちた新たな一年に想いを馳せてくださいませ。
残り少ない日々でございますが、この先にも、クリスマスや、カウントダウンなど、賑やかなイベントも控えております。振り返れば、良い一年であったとお思いいただけますよう、使用人たちも尽力いたします。
今年最後の一カ月、まだまだ、どうかよろしくお願いいたします。

日常を楽しく

司馬でございます。皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

秋風を楽しむ暇もなく、すでに冬を思わせる気配が忍び寄ってまいりました。そろそろ自室に炬燵でも出そうかと考えております。お嬢様方の冬のお召し物も、ご用意をしなければなりませんね。

ようやくお酒も提供再開の運びとなり、ディナーなどもお楽しみいただけるようになりました。作り手が腕によりをかけたカクテルや厳選されたワインなど、満足げな笑顔で酒杯を手にするお嬢様方の姿を久々に拝見して、司馬も涙が出るほどうれしい気持ちでございます。アルコール解禁のお祝いの場として、スワロウテイルをお選びいただけたことを、本当に感謝いたします。

油断は禁物とは痛いほど存じておりますが、やはり耐え忍び続けるだけでは、心も疲れてしまいます。このまま、以前のような日常が戻ってくればいいと、心から願わずにはいられません。

一点の曇りのなき笑顔で、お食事を楽しまれる場所であり続けること。あらためて、口に出すのも気恥ずかしく、あまりに当然すぎることでございますが、それも使用人の理想の一つでございます。そのためにはお仕えする私達も笑顔を絶やしてはいけません。マスクの下の笑顔が伝わるよう、司馬も前向きで明るい気持ちを忘れずにいたいと考えております。

まだまだご辛抱いただくことも多いかとは存じますが、お嬢様方、どうぞ笑顔で楽しい日常をお過ごしくださいませ。スワロウテイルでの御滞在がその一助となれば、これほど光栄なことはございません。

黄昏の国

司馬でございます。皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

十月となりました。夕闇が訪れる時刻も早まり、秋も深まっていくばかりでございますね。日暮れの影が伸びていく時、どこか哀愁じみた趣を感じるようになってまいりました。朝夕、肌寒さを感じる日々でございますが、どうぞお風邪をお召しになりませぬよう、ご自愛くださいませ。

―「10月は黄昏の国」。

どこかでそんな言葉を聞いたことがございまして、脳裏に鮮烈に焼きついておりました。なんとも詩情に溢れ、秋の空気感を端的に表現した言葉に感じられます。

あらためて調べてみると、アメリカの作家、レイ・ブラッドベリの短編集の題名でございました。原題は「The October Country」というものですので、それを“黄昏の国”としたのは、実に名訳ではございませんか。

作品で取り上げられるテーマから、SF小説家として紹介されることの多いブラッドベリでございます。どちらかというとハードで最先端のトピックをあつかったSFというより、幻想小説に近い作風に思われ、高名といえども食わず嫌いの小説家でございましたが、俄然、興味がわいてまいりました。

申し上げるまでもなく、秋は読書の季節。丹念に編まれた短編集は、もとより大好物でございますので、早速、一冊を取り寄せて秋の夜長の楽しみにしたいと存じます。

どうぞ、お嬢様方も、静謐で知的な興奮に満ちた読書の時間をお楽しみくださいませ。

この季節にふさわしく、パンプキンパイとアップルタイザーを読書机にそっと置いておきます。文字を追うのにお疲れになったら、軽くおつまみになるのもよろしゅうございましょう。

・・・もちろん、食欲の秋でもございますので。