これぞ、名画。

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

二月に入りまして、旧暦ではすっかり春というものの、厳しい寒さはまだまだ続くようでございます。
しかしながら、冬来たりなば春遠からじ、との言葉もございます。
暖かな風が吹き始めるのも、まもなくかと存じます。
それまで、いましばらくお待ちくださいませ。

さて、先月末にうれしい出来事がございました。
映画界の至宝ともいえる「市民ケーン」が高画質のブルーレイソフトとして、ついに発売されたのでございます。
この時を何年待ち続けたことか。

もちろん、当家のライブラリーには、ほぼマスターフィルムと同様のプリントが収蔵されております。
しかしながら、あまりにも貴重なフィルムのため、文化事業に理解ある大旦那さまといえども、使用人たちへの試写を許しては下さいませんでした。

これまで自室で鑑賞しておりましたのは、少々画質の劣るDVDソフトでしたので、この作品の真価を目の当たりにすることができず、非常に歯がゆい思いをしておりましたが、これからは上映当時に引けをとらない環境で楽しむことができます。
これを喜ばずにいられましょうか?

この「市民ケーン」、いまさら紹介するまでもございませんが、雑誌などでオールタイムベスト映画を特集しますと、たいてい高位にランクインいたしております。
一人の大富豪の、輝きに満ちているようで、しかし実は大きな虚無を抱えた哀しい生涯を、斬新な手法で描いた一作でございます。
そんな名高い作品に個人的な感想など、たいへん恐れ多いことでございますが、あえて一言。

名作といえる映画は数多くあれど、時代を超える普遍性を持った映画の中の映画。

とだけ申し上げておきましょう。
いまだ未見の方で、司馬の一文を読まれて興味を持たれたなら、ぜひともご鑑賞くださいませ。
テンポの良さ、鋭いカメラワーク、主演のオーソン・ウェルズの怪優とも呼ぶべき名演ぶりに、年月を経ても色あせない輝きを感じられることでしょう。
そして、映画という芸術表現の醍醐味を、心ゆくまで堪能されることでしょう。

・・・・少々、熱く語りすぎました。
どうぞ、お許しくださいませ。
今年もまた、話題作が目白押しのようでございます。
二月には「オデッセイ」という作品が公開されます。
「アポロ13」や「ライトスタッフ」、「ゼロ・グラビティ」といった映画が大好物な司馬といたしましては、当然ながら見逃せません。
これもまた、楽しみでございます。

お嬢さま方も、どうぞよい娯楽に触れて、豊かな感性を養ってくださいませ。
では、今回はこの辺りで失礼いたします。