旅先にて

司馬でございます。
皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?
私はいま、大旦那さまの御供で数名の使用人たちと某温泉へと旅に出ております。
ご存じの通り、大旦那さまは公用でなにかとご多忙な方でございます。
今回の旅では、さぞかし多くの御用を仰せつかることかと思って、緊張感をもって臨んでおりましたが、以外にも・・・。

なんと、大旦那さまの御用を承ることなどは、ほとんどなくせいぜいお手荷物をお運びすることくらいのものでございました。
さすがに不審に思いまして、お伺いを立ててみましたら、たまには骨休みをしろ、というありがたいお言葉でございます。
さすが大旦那さま、お情け深いお方でございます。
では、お言葉に甘えまして、本日は温泉三昧を楽しむことにいたしましょう。
「司馬執事、司馬執事」
大河内が呼んでおります。
「―こっそり持ってきたんです」
ん?見てみると一升瓶が一本。
大旦那さまの御供の旅に、お酒を忍ばせてくるとは何事か!
と、普段の私なら大目玉を落とすところでございますが、本日は骨休みでございます。
にっこりと満面の笑顔を浮かべたのでした。
温泉上がりに皆で一杯やるのが、いまからとても楽しみでございます。
さて、スワロウテイルの休館中、お嬢さま方はバカンスにお出かけでございますね。
この度は、御供もできずに申しわけございません。
どうぞ楽しいバカンスをお過ごしになり、またお元気な顔をお見せくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。