日誌

秋も深まりつつあるこの頃、街の景色は少しずつ落ち着いた色合いに変わり、朝晩の空気には涼しさが感じられるようになりました。慌ただしく過ぎる日々の中では気づきにくい、小さな変化や静かな時間の大切さを改めて意識する季節でございます。

 

通りを歩けば、木の葉が風に揺れ、ゆっくりと舞い落ちる様子に目が留まります。こうした何気ない光景に少し心を向けるだけで、自然と落ち着きを取り戻すことができます。忙しさに追われ、目の前のことだけに気を取られてしまう日々の中でも、立ち止まって周囲を見渡す時間は、心を整えるために欠かせないものと感じます。

 

日中の合間にも、短い時間で立ち止まることを心がけました。通りの景色や人々の様子に目を向け、風や空の色を感じるだけでも、気持ちが静まり、次に進むことに集中しやすくなります。特別な出来事がなくとも、こうした短い静かな時間が、日常を支える力となるのです。

 

また、ひと息つくときには、その日のことを静かに振り返ることも大切にしております。慌ただしい日常の中で見落としてしまいがちなことも、立ち止まって考えることで整理され、次にすべきことを落ち着いて考えられるようになります。この頃は、立ち止まることの価値をあらためて知り、心を整える時間を持つことの重要さを深く感じる日々でございます。

 

妖艶たる繊細美

ご機嫌麗しゅうございます。お嬢様。

葉山でございます。

日中汗ばむような日もありながら朝晩はめっきり冷え込む日が増えた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

先日、曼珠沙華の花を求めて出かけてまいりました。
予定では一面真っ赤に染まった曼珠沙華畑に行きたかったのですが予定が合わず、それならばと水辺に綺麗に咲いているところを写真に収めるべくお散歩へ。

曼珠沙華は不思議な魅力を持ち合わせた花でございます。

花の形は実に神秘的。四方に広がる花弁と6枚の花びらはまるで火焔のよう。

学術的には「リコリス」と呼ばれ日本では秋の彼岸の頃に咲くので「彼岸花」。「曼珠沙華」は仏教的な呼ばれ方でサンスクリット語で天界に咲く花を意味し見る人の心を清め吉兆をもたらす花とされております。
しかしながら一方で日本文化としては「地獄花」や「幽霊花」等の異名を持ち厄災を運ぶような禁忌とされる言い伝えも残る花。
そんなミステリアスな二面性を持ち合わせているからこそ、こんなにも魅了されるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて帰り道ハロウィンの飾りで街は賑やかに。

お屋敷もハロウィンの準備をしっかり整えお嬢様方のお戻りを心待ちにしております。

日誌

健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

ようやく秋らしくなってまいりましたね。
朝カーテンを開けて青い空が広がっているのを見ると遠出したくなる季節でもございます。

私が旅行をするようになった30年以上前、旅行は事前に旅行会社で相談しながら全ての行程、宿泊先、訪れる場所などを決めるのが普通でした。
しかし今はスマートフォン一台で海外旅行ですら自室で(ビールを飲みながら)飛行機を検索、予約し、旅先の情報を集め、現地に着いてから臨機応変に宿や行程を決め、現地の方とは翻訳アプリでコミュニケーションをとることすらできるようになりました。

素晴らしく便利になり日本中、世界中が身近になった気がいたします。
ただ一方で事前の情報が多いためでしょうか、現地に着いて初めて目にする驚きや感動は少なくなっているようにも感じますね。

最近あまり旅行へ出掛けられていなかったので、手のひらの中で電車や飛行機を乗り継ぎ、興味深い街や風景を探し、美味しい名物やお酒を探して秋の夜長を過ごしたいと思っております。

お嬢様の最近行かれた旅の感想、おすすめの旅先などございましたらお戻りの際に是非教えてくださいませ。

どっち派?

あれよあれよと気温が下がってまいりましたが、お嬢様方に置かれましてはいかがお過ごしでしょうか。

香川でございます。

ご別宅での衣更えにもようやく躊躇なく手を付けられる頃合いといったところでございましょうが、ハロウィーンのフィッティングがお先になりましょうか。

今年はお屋敷では魍魎というよりは猛禽、、
いやいやワンちゃんニャンちゃんたちが10月を盛り上げようと頑張っているようでございます。

ゆきやこんこんで始まる歌の中でも、
犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなるというフレーズがございます通り、
両者は違った性質のものとして描かれることも多々あるように存じますが、
イヌ派?ネコ派?というような聞かれ方も世にまま存在するようでございますね。
お嬢様におかれましてはいかがでございましょうか。

ネコ派だけどスキーやスノーボードが大好き!
こたつなしの生活なんて考えられないけどイヌ派!

…そもそも雪とこたつとの選択じゃあございませんでしたね。

時に、

ハロウィン?

それとも

ハロウィーン??

そこまで気にするほどのものでもございませんが、実は違いには理由があるのでございます。

答えをここですぐにお伝えしようかとも思いましたが、、
ちょっぴり味気ないようにも存じましたので、
お嬢様なりの理由などもお考えになってみてくださいませ。

話題は変わって味と申しますれば、今月20日には東條とともにカクテルデーを仰せつかりました。
東條からは趣の異なる二種類のカクテルを提案され、当家らしいアレンジをわれわれなりに施してございます。

さあ、お嬢様。
ドチラ派??

…願わくばドチラも派となっていただきたいところでございますが。

お帰りを心よりお待ちしております。

秋といえば②

ご機嫌麗しゅうございます。
山岡でございます。

「秋といえば」をテーマに日誌をしたためております。
第二弾でございます。
ざっと調べて出て参りました単語はこのような形。

食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋
紅葉、金木犀、コスモス、
秋刀魚、栗、さつまいも、
お月見、運動会

参りましょう、ふぁいっ!(鐘のなる音)
(戦わないって前回言ったのに、、)

5.紅葉
大好きです。好きじゃ無い人は非国民です。
申し訳ございません流石に言い過ぎましたので撤回いたします。
何故好きなのかを言語化したかったのですが、
本当に好きなものが何故好きなのかは、
いつも感覚的な要素が勝ち上手く表現出来ません。
綺麗だから好き。シンプルですがこれ以上の言葉はきっと不要なのだと思います。

6.金木犀
ティーサロンで仕えるまであまり意識した事がありませんでしたが、当家のオリジナルブレンド「ステイゴールド」の香りが凄く好きなので、恐らく好きな香りなのだとは思います。
ただ花そのものを見た記憶は、、ないかもしれません。
どんな花だったかと調べ、画像を見た上でこんな花なのかとなっているので恐らく相当今までご縁のない花だったのだと存じます。
こういったものを好める感性をお持ちの方には非常に風情を感じ素敵な印象を抱きますね。

7.コスモス
日本名秋桜でございますね。
小学校の庭園に咲いていた記憶がありますが、
いかんせん山岡が花に興味を持ち始めたのは今年の春過ぎからなので、思い出や記憶に残る視認をしてこなかった感覚がございます。
それにコスモスや秋桜という言葉は、
山岡にとっては花そのものより
曲が浮かぶものでざいます。
特に一番浮かぶのは合唱曲の「COSMOS」でございます。
ただこの曲も学生時代に触れてきた曲ではなく、
大人になってから知った曲です。
ふと思ったのですが合唱曲というものはどこまで共通認識の話題として話せるのでしょうか。
世代や地域による差などは出るものなのでしょうか。
元のコスモスの話題とは全然関係なくなってしまいましたが、
是非お嬢様方の思い入れのある合唱曲を
今度ティーサロンでも教えて下さいませ。

さて今回は自然、花といった3つのワードに触れてみました。
鐘はなりましたが戦わずには済みましたね。
お次もお読み頂ける機会がございましたら是非お楽しみくださいませ。

十月

茹るような暑さと肌にまとわりつく熱気、立っているだけで額に汗をかく季節が終わろうとしている今日この頃。

あと数ヶ月もすれば今年も終わる事実に驚きを隠せませんが、残りの数ヶ月で何を果たせるか、何が出来るかを考えるのも楽しいかもしれません。

私はと申しますと、残りの数日を使い毎日のランニングを頑張ろうと思っております。

しかしながら、ただ走るだけというのは味気がないと思い、目標を立てることにいたしました。

合計で100キロ。

途方もない数字に見えますが、朝晩空いている時間で走り切ろうと思います。

嬉しいことに小早川も室戸も、私がちゃんとやり切れるか時折見守ってくださることに。

こんな素敵な同期に出会えたことに感謝と期待を裏切らないように決意が固まりました。

お嬢様、お坊ちゃまも、もし残りの月日で成し遂げたい目標がございましたら、達成できますよう、息を切らしながら祈っております。

Rêverie

執務室の椅子の上、深いまどろみの中で何か夢を見たようでございました。

心地よい風の吹く秋の夜長に、読書を存分に満喫したい能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

国際博覧会閉幕のニュースを耳にする度、郷愁という言葉が想起されます。

実際にその地におりますと、中々足を運ぶ機会はなかったかと思いますが、

遠く離れた慣れ親しみのある場所ならば、せめて一度は赴いてみたかった。

そう感じるほどに、人間心理というのは誠に都合のよいものでございます。

 

振り返るのには少し早いですが、浪花に所縁のあった一年でございました。

舞台の上での自分の発する言葉、そして様々な報道で見る画面越しの風景。

そういえば、私が度々赴いていた商店街は今どうなっているのでしょうか。

逡巡の末、知ることの恐怖からその好奇心に蓋をすることにいたしました。

 

マンデリンのシティロースト。私がずっと愛してやまない嗜好品のひとつ。

その焙煎香が部屋全体に広がっていき、壁一面に染み込んでいくようです。

最後のドリップを見届けて机に戻りますが一向に思考が進んでくれません。

きっと本日は諦めろということでしょう。そういう日もあっていいのです。

 

肌寒い秋風の撫でるこの執務室で。

もう少しだけ、瞼を閉じていようと思います。

 

能見