風船

ご機嫌麗しゅう。
隈川でございます。

幼いころ、飛んでゆく風船が恐ろしゅうございました。

まだ力を込めるのが下手くそな私のちいさな指から逃げるのはさぞ簡単だったのでしょう。ふわふわふわふわ。

別れのあいさつのように細い紐をぶらつかせながら、どこまでもどこまでも高く昇り、空に吸い込まれてちいさくなってゆく赤い風船。

もちろん空の高さも恐ろしかったのですが、もう二度とあの風船と会うことができないんだ、風船は僕のせいでいなくなってしまったんだ、という不可逆性がなによりも怖かったのでしょうね。

しばらくの間、空に向けてゆっくりと落っこちる夢をみてはうなされては目を覚ましておりました。

 

お嬢様はご幼少のころ、恐ろしかったものはございますか。

…え?
お嬢様が危ないことをなさったときに「本気で怒った爺や」が怖かった、ですか。
あぁ、私はそのころの藤堂執事を存じませんが想像すると、ふふ。

なんだか、良うございますね。

隈川

味噌ラーメン

皆様、ご機嫌麗しゅう。
吉川でございます。

お嬢様方にはお勧めいたしかねるのは重々承知しておりますが、、割と普段から健康に気を配っているからこそでしょうか、時折、身体にはよくないとわかっていても無性に中毒性のあるような食べ物を欲してしまうことがあり、そういう時は手近な菓子や即席ラーメンで憂さを晴らすのですが、この年になって即席の味噌ラーメンこそ至高の嗜好品ではないかということに気付きつつあります。
そう思わせるほどあの味噌ラーメンは美味しすぎるのです。
カップ麺であれ、袋麺であれ、醤油や塩、豚骨など様々な味を試してみたものの、やはり味噌ラーメンに行き着いてしまいます。
私が年を取ったからでしょうか…、日本人の味覚の根底に根付いているからでしょうか、味噌ラーメンには郷愁を伴う何かが潜んでいます。
ハンバーガーでもなく、ピザでもなく、フライドチキンでもなく、即席の味噌ラーメン。
あぁ、お恥ずかしながらこうして文章をしたためているだけで、なぜか味噌ラーメンを欲してしまっている自分がおります。

執務の合間を縫ってまたカップと袋をいくつかストックしておかなくては……。

宮城の銘酒を呑む

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌いかがで御座いましょう、金澤でございます。
気温の変化が激しいこの頃でございます。お体には十分お気をつけくださいませ。

さて今宵は「宮寒梅 純米大吟醸」を笹かまぼこのカルパッチョを肴に和洋仕立てでいただきます。

 

 

 

 

 

普段日本酒をいただく時はおちょこ派なのですが、香りを存分に楽しみたい時はやはりワイングラスがいいですね

ひと口… 「んまい!」

ゆっくりと呑みたいと思います。

『時を越えて』♪

日誌

お嬢様、奥様、お坊ちゃま、旦那様ご機嫌麗しゅうございます。

ティーサロンが19周年を迎えようとしておりますね…。
長い年月の中で、多くの思い出が積み重なり、お屋敷はますます輝きを増すのでございましょう。

この1年で、新たな仲間が両手に収まりきらぬほど増えました。ティーサロンの未来がますます楽しみになってきましたね。

彼らは、それぞれ個性豊かでございます。トレーを持つ手が震える者、紅茶の種類を必死に覚えようとする者、緊張のあまり声が裏返る者……。それでも皆、真摯な心を持ち、笑顔で精一杯励んでおります。

何だかとても懐かしゅうございますね…

と同時に、彼らを見るたびに初心を忘れてはならないなと思う次第でございます。

先輩、後輩関係なく常に「心を込めてお仕えすること」それこそが、このティーサロンが19年もの間、大切にされ続けてきた理由なのではないでしょうか。

これからも、共に励みながら、お嬢様にとって心安らぐひとときをお届けできるよう努めてまいります。どうかこれからも温かく見守ってくださいませ。

お嬢様、奥様、お坊ちゃま、旦那様
これからもよろしくお願い申し上げます。

久保より特大の感謝を!!!!

日誌

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
片倉でございます。
日中は暖かという日が増え過ごしやすくなり始めた今日この頃ですが如何お過ごしですか?

私は暖かくなった事で今年も奴らとの戦が始まってしまいました。
奴らとは…ご存知 花粉 でございます。
年初めの段階で先制攻撃を受けてからというもの後手に回るばかりで現状既に鼻と目を奪われかけています…
もし叶うならガスマスクや防塵マスクをしたいところですがそんな姿でお給仕をする訳にもいきません故
なにか私に秘策などを与えていただければと存じます。
そしてお嬢様も奴らの気配を感じ取る前に対策を忘れぬよう…

片倉

日誌

健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

早いものでもう3月でございますね。
3月と聞いて日本人の心に真っ先に浮かぶもの。
そう、それは「桜餅」でございます。

実は立春を過ぎた2月上旬から店に並び始めるのですが、やはり出揃うのは3月上旬でしょうか。

桜餅といえば東の長命寺、西の道明寺ですが、最近は東京でも道明寺が多いように感じます。

人気店もございますが、個人的には街歩き中にたまたま見つけた和菓子屋で一つ買い求めて散歩しながらいただくというスタイル(?)が好みでございます。

美味しいと感じたかどうかは、再度その店へ戻る気持ちが湧くかどうかで判断しております。

今までの個人的ベストは、とある地方の小さな和菓子屋でございました。
道明寺ですが、食べやすいよう太い葉脈が取り除かれた桜の葉で巻かれ、上に桜の花の塩漬けが添えられておりました。
(私は桜の葉は一緒にいただく派でございます)
そして中の餡が枝豆餡でございました。
桜色に包まれた鮮やかな黄緑色の餡は優しい甘さに加えて目にも楽しいものでした。
小走りで店に戻り、追加で5個買い求めてしまったのを憶えております。

お嬢様も小さな和菓子屋が目に留まりましたら是非、馬車をお停めいただいてお寄りになってみてくださいませ。

Edelweiss

穏やかな風が吹き、心地よい春の陽気が、午後の眠気を誘います。

アウトドアの活動に本年はより力を入れようと意気込む能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

3月24日をもちまして、ティーサロンは開館19周年の節目を迎えます。

お嬢様と思い出を紡いでまいりましたかけがえのない一日一日の積み重ねで

この一年という月日を経て、ようやくここまでたどり着くことができました。

 

日頃より、お屋敷を愛してくださり、誠にありがとうございます。

お屋敷に足をお運びくださりましたこと、深く感謝申し上げます。

お嬢様の誇りと思えるお屋敷であれますよう、使用人一同努めてまいります。

 

本年もアニバーサリー期間では特別なお品をご用意する運びとなりました。

周年記念の口取りといたしまして、季節の彩りを詰め込みました一の重、

種々のスイーツが、所狭しと華やかにデコレーションされました二の重。

メインディッシュでは、ヴィヤンドの二種アソートをお持ちいたします。

 

お料理に合わせて、特別なワインを世界各国から取り寄せてまいりました。

シェフやパティシエが心を込めてお作りする料理に合わせて選定いたしました。

お嬢様のお口に合いましたらば、当家ソムリエとして誠に感無量でございます。

 

フランスのアルザス地方から、春の陽気に相応しいスパークリングワインを。

オーストリアのヴァッハウ地方より、和食にも相性抜群な辛口の白ワインを。

イタリアのピエモンテ州から、メインディッシュに合わせたバルバレスコを。

デザートとのペアリングをお楽しみいただける食後酒も取り揃えました。

 

春の美食とともに、年に一度の優雅なお時間をお過ごしくださいませ。

 

ずいぶんと気は早いですが、20周年という次の大きな節目に向けて。

お嬢様がおくつろぎいただける場所を、これからもお守りいたします。

 

能見