何気ない休日

季節は段々梅雨へと移り変わり、じめじめした天気が続いておりますが、いかがお過ごしでございましょうか?
環でございます。

歌劇団の公演が一段落いたしましたので大旦那様にお願いして休日をいただきました。

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『始まり』

各人の反応は様々でした。

ある者は歓喜し、

ある者は静かに頷き、

ある者は使命感に奮え、

ある者はまぁマイペースに・・・。

しかし、皆の瞳には揺るがないただ一つの道が映っていたこと。
それはまごうことなき真実でした。

全ての方々に喜んでいただくために・・・。
私たちは大旦那様から新たな使命をいただきました。

うまくいかないこともあるのでしょう。

多くの壁に行く手を阻まれることもあるのでしょう。

希望と不安の連鎖に一喜一憂を感じるのでしょう。

時には仲間と真剣にぶつかり合うこともあるのでしょう。

しかし、一番大切なことはそれでもなお皆が手を取り合い、
その先に待つ皆様に喜びを感じてもらうことだと思います。

今まさに新たな幕が上がろうとしています。
どうか私どもの切磋琢磨する姿を心から見守っていてくださいませ。

タマキ イン ワンダーデザート

気がつくと辺り一面砂漠でした。

どうしてこんなところへ飛ばされてしまったのか・・・。
ただ遠矢にケーキを買ってあげようと街を歩いていただけなのに。
とりあえず考えていても仕方がないので歩き出さなければ。

しかしどこを見渡しても清々しいほど何もないな。
このままではケーキどころか飲料水さえ確保できずに
倒れてしまいそうだ。
そう思っていた矢先、『ポンッ』という音と共に私の前に何かが・・・。

「ん?これは・・・泡だて器?」

『ポンッ』

「今度は生クリームとスポンジですか。」

『ポンッ』

「さらにオーブンねぇ。」

『ポンッ』

「極めつけはフルーツってわけか。」

『ポンッ』

「まだ何か・・・あ、ただの本郷さんの声マネだった。」

~中略~

さて、一通り材料が揃ったわけだが・・・。
これでケーキを作れと。
しかもこの暑い中で作れと。

やや設定に雑味を帯びてきましたが、
多分作らないとこの先へは進めないのでしょう。
なんとなく物語の主人公の気持ちが分かってしまいました。
まぁとりあえず作ってみましょう。

「・・・出来た。」

ここはなぜかすんなり出来ました。
我ながら見事なショートケーキです。
後はこれを遠矢にプレゼンすれば良いので・・す・・が・・・。

「・・・さ~ん、た~ま~き~さ~ん。」

ん?この声は遠矢の声。

「どうしよう、ぜんぜん起きないや。じゃあこのやかんで・・・。」

「おはよう。」

「起きてるじゃないですか~。心配しましたよ~。
 街で倒れてるのを偶然見つけてお屋敷まで運んできたんですよ~。」

どうやら倒れていたらしい。
しかし遠矢のどこにそんな力があったのだろう?
ん~恐るべし。

「後、これもそばに落ちてましたよ。」

こ、これはもしやケーキの箱ではないか!?
どうやらあの暑い中作った記憶は夢ではなかったらしい。
これをプレゼントすれば遠矢はきっと喜んでくれるに違いない。
そして、私に永遠の愛を誓ってくれるに違いない。

「ゴホン。」

「と、遠矢君。これは君にプレゼントだよ」

「わ~い、一体なんでしょう?開けてみていいですか?」

「もちろん。」

そう、その箱を開けたらほ~ら遠矢の笑顔が・・・ん?
あ、あれ?なんか笑顔が引きつってるぞ?

「環さ~ん・・・」

この反応はまさか・・・。

中身溶けてるじゃないか!
さすがにこれは遠矢でも受け取りにくいであろうユルユルの状態で
ケーキが箱の中に入っていたのであった。

「あの~、せっかくプレゼントしていただいたのに申し・・・」
「遠矢君、パーティーの準備できたよ。」

遠くから聞こえてきたのは雪村の声。

「環さんごめんなさい、もう行かなくちゃ。気持ち嬉しかったですよ。」

そう行って遠矢は駆け足で廊下の奥へと姿を消してしまった。
残されたのは残念なケーキと同じくらい残念な私。

きっとこの不思議な経験もいつか私の糧となるに違いない。
そう、強がっていた私の横にある扉から『ポンッ』言う音が・・・。
この音は確か砂漠の中で聞いた音。
これはきっと傷ついた私にも良いことが起こる予兆なのだ。
この扉を開けたらきっとそこには良いことが・・・!!!

「ヨォォォォ、ポンッ!!!!!!!」

「・・・本郷さん、こんな時間に鼓の稽古しないでください。」

~Fin~

パスタ

春の桜も葉桜へと変わりゆくこの季節、いかがお過ごしでございましょうか。
環でございます。

最近は自炊する機会が増え、もっぱらパスタを作っては食す毎日でございます。

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