朋あり遠方より来たるまた楽しからずや

敬愛せしお嬢様へ
1月も終わりに近づき、随分と冬も深まってまいりましたね。
お嬢様方は新年をどのように過ごされましたか?
時任は例年の恒例でございます、旧友たちとの会合に今年も参りまして、
何十年経とうと変化のない面々と盃を交わしてまいりました。

永の友人というのは不思議なものでして。
日々が忙しくなってまいりますと、1年に一度だったり、友人によっては地方や海外に居住を移していたりと、数年間会っていなかった者もおりましたが、

久々に顔を合わせて話してみても、ドラマチックな感動も大仰な抱擁もなく、
毎週顔を突き合わせる飲み友達であった頃とまるで変わらず、
淡々とお互いの好みのお酒をオーダーし、何十年も変わらない与太話を交わして、
くだらない戯言で馬鹿みたいに笑って、
宴が終われば。次に会うのは何年後のことか知れませんが、
「また明日ね」ぐらいの気軽さで各々の暮らしへと戻っていきました。

友人というものは貴重なものでございます。
ただ、無理をして作ったり繋ぐものでもございません。
ただ自然に、話すべきを話し、離れるべき時は離れ、
それでもこのように、また巡りあった時には、何の気負いもなく楽しく話せる。
それだけでおそらく良いのでございます。

そんな、一年~数年に一度顔を合わせる友人たちとの、次の逢瀬を楽しみにしながら、
また一年を過ごしていこうと思います。