大切な感覚

クリスマスを前にして街はキラキラと輝いています。
何かと慌ただしい師走ではありますが、綺麗な光たちが心を癒してくれます。

お嬢様、イルミネーションはお好きですか?
恥ずかしながら私は大好きです
イルミネーションに限らず、夜景が大好きです!

小さい頃の出来事、母親に連れられて出かけていた私は街路灯の明かりを見ながら涙を流していたそうです。心配した母はどうしたの?と私に尋ねその時私は「わからないけど明かりを見ていたら涙が出てきた」と答えたそうです。
最初母は眩しかっただけかと思ったそうですが街路灯の明かりは物悲しくけして眩しい程ではなかったらしいです。
高層ビルの赤いランプを見ながら私は涙を流していたそうです。心配した母はどうしたのか私に尋ねその時私は「ジーンとして涙が出てきた」と答えたそうです。
何分小さい頃の出来事なので私自身の記憶が曖昧なのですが、幼少の頃より夜景の灯りに何かを感じるようになっていたのでしょう。
………
大人になった今、私は立派な夜景マニアになるのでした。
……

お気に入りの場所に来ています。
ここはお洒落なお店が並ぶ通り、昼間は多くの人が行き交う華やかな場所
夕方になると電飾が灯り12月はクリスマスの雰囲気で盛り上がります。
夜も10時を過ぎるとお店も閉まり人も疎らになります、0時を過ぎると殆ど人がいません。
イルミネーションの灯りは半分以上消され、数時間前までの賑やかさから一変、静寂の夜へと変わります。
最終電車も去った後、この静けさが好きでたまにこうしてハンドルを握りやって来るのです。
路肩の駐車スペースに車を止め少しだけシートを倒します。
残された光達、誰に見られるわけでもなく健気に輝いている
深夜のFMからクリスマスソングが流れてきました
『Merry Christmas To You』♪

灯りは私の心にスーっと入り…
子供の頃感じたあの感覚は失われていないようです

お屋敷のティーサロンがお休みの日、私はこんな時間を過ごしています。

とまあ似合わずカッコつけてしまいました
日誌でご覧いただく内容でもないのですが、今日のところはお許し下さいませ。
子供の頃を思い出したりなんだか今気持ちがキューっという感覚なのです。
お嬢様にお聞き頂いて甘えてしまいました、申し訳ございません。

明日は私がティーサロンの入り口の灯りを点ける役目でした
早く帰って寝なければ

おやすみなさいませ。。