給仕の一環

西暦2xxx年。

人々の、他を省みず、自分ばかり快適に暮らせれば良いという思考が災いし、
地球の温度は上昇。空気も昔と比べさらに汚くなり、地域によっては
居住不可能な区域も出来てしまう程に世界は住みにくくなってしまった。

そんな現状に危機感を感じた各国の首脳は話し合い、
そして様々な意見が飛び交った。

その中のひとつ。
『執事制度』
これは執事のように誠心誠意、主、または人々に対して心を尽くす精神を、
一人一人が持つようにとの意味を込めて導入された制度である。

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一息ついたその跡で

「ふぅ・・・。」
とりあえず私は一息ついた。

見渡す限りの大草原。
だだっ広い大地にポツンと一人。
「地平線という言葉はこういう眺めのためにあるんだなぁ」と感嘆していたのも束の間、
すぐに見慣れた私は、不安と虚無のさざ波が交互に寄せる中を、地図と写真を頼りに目的地へと歩を進めていた。

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