結城よりお嬢様へ

お嬢様お元気でございますか?
結城でございます。
この度急でございますが、お屋敷を旅立つ事を決断いたしました。私の家族にどうしても手が必要な状況が起こりました。

折角お嬢様には、優しく接して頂き、ご恩返しも未だしておりませんのに……
これからも沢山お屋敷で学ぶ予定でおりましたので苦渋の決断でございますが、何卒ご理解頂けますと幸いです。

短い間ではございましたが、使用人とお嬢様の温もりは、一生の宝でございます。どうぞ末長くお嬢様の幸せな日々が続きます事をお祈り申し上げます。

日誌

お嬢様ご機嫌麗しゅうございます。結城でございます。

本格的な寒さが冬の到来を告げる日々となりましたが、本日自室のハイビスカスが大輪の花を咲かせました。

こんな季節に….と思われるでしょう。

わたくし、日頃から草花をこよなく愛しておりまして、幾らかの鉢植えで季節の花や植物と戯れているのでございます。

今日大輪を見せてくれたこの子は、我が家では三年生なのです。

お嬢様もご存じかとは存じますが、ハイビスカスは大変日光を好みます。

夏が近付きますと力強い葉を芽吹き、勢いを増し沢山のお水を要求して来るのでございます。毎日セッセと水やりをしておりますと可憐で優美な花を咲かせてくれます。その自然の神秘には造作などは到底及ぶはずもない繊細な美しさが有るのでございます。

ハイビスカスの花は蕾が膨らんでから数日で咲き始め、螺旋の花びらが少しずつ解けて参ります、そして明日花開きますよ….と、わざわざわたくしに教えてくれるのでございます。そして1日から2日ほどでその美の祭典は終焉を迎へ、プツッと花の根元から綺麗サッパリと落っこちるのでございます。なんとも潔い姿でございます。

花を見て人生を感じる….釈迦の言葉にもございますが、正にその生き様が個々の人生の様に重なって見えるのでございます。

あぁぁ….同じ花、同じ瞬間は二度と無い、儚い一瞬の輝きに感謝でございます。

話は長く成りましたが、本日大輪を咲かせた答え合わせは、実は寒くなる前に室内の暖かい場所に置いているのでございます。今年は特別にライトをつけましたので、いつまで咲き誇って頂けるのやら….楽しみでございます。

それでは、また結果をご報告したく存じます。

日誌

お嬢様ご機嫌麗しゅうございます。結城でございます。

私、大旦那様の別宅より参りまして早二月が経ちました。本日は、お屋敷のティーサロンを初めて拝見いたしました際、とても美しく眩いシャンデリアに「おぉ!!」と心奪われましたので、少しシャンデリアについて自分成りではございますが調べてみましたので、お伝えしたく存じます。

シャンデリアの語源はラテン語で、輝く白く光るCandereという意味のようでございます。豊かさや偉大さの象徴として王族の歴史と共に、その歴史は約800年にも遡ります。

初期のシャンデリアは教会や修道院を効果的に照らすために用いられ、木製の十字架型に犬釘を埋め込み蝋燭を立てる簡素なものでしたが、15世紀から19世紀にかけて、優美で美しい普及の名作が誕生したようでございます。様々なシャンデリアが産まれる中、卓越した技術の内3つの様式が光を放ちました。

フレンチロッククリスタル(ベルサイユ宮殿など)、イングリッシュクリスタル、ヴェネチアクリスタル、それぞれの地域また時代背景において高い制作費とパトロンたちの趣向の違いが流行や技術の変化を色濃くシャンデリアに反映させていったようでございます。金属、ガラス、などの卓越した美しい技術革新の支えも、人間の野心や欲望が色濃く反映しているのでございます。

さて我がお屋敷のシャンデリアのルーツはいかがなものでしょうか??調べれば調べる程に更に深く細分化されたシャンデリアの世界へと誘われますので、今日はこの辺りで….長々と失礼いたしました。

ご挨拶

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
過分にもお屋敷の執事を仰せつかりました結城でございます。

先日までは、大旦那様のお客様をお迎えする別邸にてお仕えいたして参りましたが、大旦那様の命によりお屋敷にて仕える事となりました。

流石に、この様に広大なお屋敷は経験も無く、また大勢の使用人が日々仕えておりますので、環境的にも一抹の不安がございますが、大旦那様を初め使用人の皆も大変温かく接してくれ、少しづつではございますが自信を取り戻しております。

少しでも早く、お屋敷に馴染めます様に日々励んで参ります。どうぞよろしくお願いいたします。