ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
4月に入り、新生活を迎えた人々のそわそわとした空気が街に溢れているように感じます。心地良いようなどこかくすぐったいような、始まりの季節ならではのものですね。
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SWALLOWTAIL
ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
4月に入り、新生活を迎えた人々のそわそわとした空気が街に溢れているように感じます。心地良いようなどこかくすぐったいような、始まりの季節ならではのものですね。
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ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
お嬢様は子供の頃に欲しいと思ったものを覚えていらっしゃいますか。
例えば、自転車、お人形、プラモデル、文房具など。人によって思い出すものはそれぞれかと存じます。
かくいう私は幼少の頃『自由の女神像』を欲しがっておりました。
はい、その『自由の女神像』でございます。
テレビか何かに映った『自由の女神像』を見た三歳くらいの頃の私は、何故かそれが欲しくて仕方がありませんでした。
大人になった今は『自由の女神像』を見ても特別な思いは抱きません。
それでも、あの頃の私には『自由の女神像』がとても素敵なものに見えていたのです。
大人になったことで見えるようになったものもございますが、見えなくなったものもあるのかもしれません。
隈川
ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
新年も一月が過ぎましたがお変わりありませんか。
日頃お忙しくあらせられるお嬢様のこと。社会勉強やお稽古ごと、お疲れが出ないか心配でございます。
かくいう私も給仕や雑務、稽古ごとなどで最近はなかなかゆとりのある時間を作ることができません。
使用人としては忙しいのも当たり前で喜ばしいことではございますが。
しかし、どのようなときでも心の中にゆとりを持つことこそ良き給仕、幸福な時間を呼ぶコツではないかとも存じます。
ということで、時間を作ることは難しいのでせめて空想の中で南の島へ行った気分を味わいたく存じます。
…
…
…ここはモルディブ
水上ヴィラの窓辺から外を眺めれば
透き通る凪いだオーシャンビュー
太陽の陽射しに照らされて
美しく輝く草木たち
都会の喧騒とは程遠く
耳に入るのは
ヴィラから直接海に降りた
使用人仲間たちの笑い声と
波の音だけ
トロピカルフレーヴァーのアイスセイロンティーで喉を潤す…
あぁ!なんて素晴らしい…
…そうだ、京都行こう。
隈川
ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
この時期になると、一年間の様々な催し事やそれを共にした使用人仲間たちのことを思い出します。
気がつけば私にも沢山の後輩ができました。
皆優秀な後輩だらけで、私なんかが先輩を名乗るのは少し恥ずかしくなってしまう程でございます。
思えば、私を育ててくれた先輩たちはそれぞれ性格は違えど、ときに優しく、ときに厳しく凛と指導してくださいました。
正直に申して、自分があんな風になれるようには思えません。
ならば、せめて私が持っていて彼らが持っていないものを惜しみなく差し出し、逆に彼らから学べるものは感謝しながら学び、共により良い使用人を目指していけるよう努めることにいたします。
例えば上手なつまみ食いの方法ですが、まずはパティシエと取り引きを。
冗談でございます。
本年も宜しくお願い致します、お嬢様。
隈川
お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
隈川でございます。
この間、暇の合ったフットマン仲間たちと共に司馬執事の私室に招かれて、映画鑑賞をして参りました。
司馬執事は映画の知識に明るいのでオススメのワンシーンがある作品などを紹介してくださいます。
面白いことに、同じ映画を観ていても興味を持つ場面は異なるもので、共感するセリフ、笑みをこぼすタイミングは皆それぞれでございました。
私は普段映画を一人で観ることが多いのですが、たまにはこうしてわいわいするのも皆の新しい一面が見られて楽しゅうございますね。
もし宜しければ、今度はお嬢様もご一緒に…と思いましたが、それだと使用人たちはお嬢様の方ばかり見て映画の内容が頭に入ってこないかもしれませんね。
隈川
ご機嫌麗しゅうございます、隈川でございます。
最近、植物を育てております。
お嬢様、以前日誌にてカバを飼ってみたいと認めたことを覚えておいででしょうか。
あれからしばらく考えましたが、やはり私のような甲斐性のない人間が生き物の命を預かるというのは、少し気が引けてしまいます。
ですので、まずは入門編。
植物でございます。
実は、藤堂執事や吉川執事が植物を楽しそうに育てているのを見、以前から羨ましく存じておりました。
何が育てやすいのかと色々と調べてみましたが、繊細なものは本当に神経を使っても枯れてしまうことが多いようです。
そこで、どなたでも割と手軽に育てることができるというサボテンに目を付けました。
とりあえず、土、鉢植え、水のあげ方、陽当たり。庭師たちから伺った情報をもとに必要な物を揃えて参ります。
一通りの準備が整い、あとはサボテンをお迎えするだけでございます。
いざ、庶民御用達のホームセンターへ!
うーん…
棘の綺麗なフェロカクタスにするか、白い花の美しいテロカクタスも良うございますね…
…おや?これは!
なんと!陶器でできたサボテンが売っている!
これならば枯らせてしまう心配も水をやる手間も省ける!これだ!
こうして
私は今お部屋で可愛い鉢植えで陶器のサボテンを育てております。満足でございます。
え?それは植物を育てているとは言わない?
…そう言われると、左様でございますね。
では改めまして、最近は陶器を育てております。
隈川
ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
先日、百合野が認めました紅茶とデザートについての日誌はご覧になりましたか?
百合野の紅茶に対する情熱や愛、本当に尊敬します。
ちなみに、私はフロマージュやタルト系の香ばしさを持つデザートにキーモンベースのアールグレイを組み合わせて頂くのがマイブームでございます。
「組み合わせ」といえば、実は私、変わった組み合わせの食べ物につい心惹かれ試してみたくなってしまうクセがあります。
この間も他のフットマン達と食事をした際に、お屋敷風に名付けたならば
【バナナのフリット
~ショコラとトンカツソースを添えて~】
を頂きました。
美味しかったのですが、他のフットマン達は苦笑しておりました。
その時はおりませんでしたが、セカンドスチュワード伊織などは私がそういったものに挑戦すると喜んで付き合ってくれるので今度は一緒に何か探しに行こうかと存じます。
お嬢様もたまには冒険なさったらば、素敵なマリアージュとの出会いがあるかもしれません。ご無理のない範囲で挑戦してみてはいかがでしょうか。
隈川