お屋敷の庭を渡る風にも陽の香りが、激しく地をたたきつける雨を降らす雲近づけば雨の香りが混じるようになりました。
ご機嫌麗しゅうございます。お嬢様。
葉山でございます。
夏 この季節は、春のような華やかな競い合いではなく、強い陽射しを受け止めながら静かに咲く花々がその真価を見せる時節でございます。
朝には蓮の花が静かな水面に気高く咲き、世俗の喧騒から少し離れたような穏やかな時間を授けてくれております。
昼には炎のような花を咲かせながら、葉の付け根で静かに未来を育てるオニユリが暑さの中でも力強く凛として咲きほこります。
見た目は豪胆、しかし生き方は実に慎ましく賢い花です。
そして夾竹桃は炎天下にも負けず鮮やかな花を咲かせます。
夾竹桃は葉は竹に似て花は桃に似ていることから「夾竹桃」という名が付けられました。
最大の特徴は、植物全体(花・葉・茎・樹液・種子)に強い毒性があることです。誤って口にすると危険で、枝を箸や串代わりに使うことも避けるべきとされております。
一方で暑さや乾燥、大気汚染にも非常に強く街路樹や公園樹として広く植えられてきました。特に広島では、被爆後にいち早く花を咲かせたことから、「復興」と「希望」の象徴としても知られています。
夏の庭園に出かけ炎天下の中、美しさと強さを併せ持つ花々を見ていると私も暑さに負けることなく精進せねばとうなだれた姿勢を正されるのでした。



この季節は、体にも心にも少しずつ疲れが積もりやすいものでございます。思うように歩みが進まない日もあれば、立ち止まりたくなる日もあることでしょう。しかし、お嬢様もどうか暑さに負けることなく、ご自身の歩幅で前へと進んでいただきたく存じます。
しかしながら疲れた時は休息も大切、そのような時はお屋敷にお戻りくださいませ。
いつお戻りになられても良いようにご準備をしてお待ちしております。
それでは十分にご自愛くださいませ。