モグラ

おおよそ夏の陽差しとは無縁の毎日を送っております。伊織でございます。
いかがお過ごしですか。

陽にあたらず、引きこもっていることを揶揄して「モグラ」なんて申しますが、まぁ、なんと言い得て妙か、と納得せざるを得ません。

そんなモグラの仲間に「ヒミズ」という種があるそうです。
「日見ず」が名前の由来だそうで、モグラのモグラ感を一層深めてくれるネーミングではありませんか。

幼い頃、庭いじりの好きな父が庭で捕まえたモグラを見せてくれました。
図鑑で見たとおり、目は小さくて鼻と手が大きく、なんだかもっちりぽってりした可愛い存在に感じたのを覚えております。
さつまいもとたわしを足して2で割った感じだなぁ、という感想も忘れておりません。

我々の目に触れないからといって、モグラが地中でのんびり過ごしているとは限りません。彼らは彼らでトンネルを手入れしなければなりませんし、なにより食事にありつかねばならないのです。
見えなくても、触れられなくても、あの可愛いモグラは今も一生懸命生きているのだろうなぁ、なんて思うと、普段意識するこのない地面という存在ですら愛おしく感じてしまいます。

無理に陽の光にさらす必要もありません。
わたくしはモグラの姿を知っています。
ふくらんだトンネルの跡を地面に見つけるだけで十分、笑顔にさせてくれるものです。